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【漫画】読後“胸アツ&アクションシーンに釘付け!“本能で立ち向かうJKに勇気と感動!「タカガメ」に支配される世界とは?

  • 2022年5月7日
  • Walkerplus

ゴールデンウィークのラストにウォーカープラスよりおすすめ漫画を厳選!今回は、スカッと爽快な読後で人気の南賀なん(@LonewolfN)さんの「GIANT TORTOISE KILLING」通称『JKがクソデカい怪物をブッ倒しに行く話』を紹介する。Twitterでは、「アクションシーンがスゴイ」「名作!」「胸アツ!」と読者からの熱いコメントが止まらない。

女子高校生が過ごすのは、高層マンションよりも巨大な「タカガメ」に支配される世界。突如、人類の前に現れた「タカガメ」は人々を襲い、それにより家族を失くした人もいる。人々はいつタカガメに襲われるか戦々恐々と日々を過ごしている。

一見、温厚に見えるタカガメは、しかし高層ビルもマンションも民家をもなぎ倒し、人々の命を奪っていく。一度は戦いを挑んだものの勝てる見込みがないとわかると、人々はタカガメと共生する道を選んだ。そんな不思議な世界観について、著者の南賀さんに話を聞いた。

■一見、温厚に見えるタカガメは「コロナの象徴」
「実は”タカガメ”というのは、コロナの象徴です。コロナがいよいよ流行り始めた頃、メディアでは『Withコロナ』や『Afterコロナ』『新しい生活様式』などのワードが使われるようになりました。僕はこれらのワードになんとなく違和感を覚えていました。もちろん、現実的な選択肢としてはこれらの考え方は正しいのだと思いますが、僕は『みんなが本当に望んでいるのはそんな世界ではないのでは?コロナとの共生や新しい生活様式を強いられる世界ではなく、”コロナ以前”そのまんまのかつての世界なんじゃないの?』という思いがありました。そういったコロナの特性やコロナとの世間の関わり方を上手く表せるように、タカガメの生態や性格はデザインされています。そして、そんな世界に対しての”我儘な願望”を声高に叫ぶキャラクター、そんなキャラクターを主人公に据えた漫画というものがあってもいいんじゃないか、という思いがありました」(南賀さん)

実は、タカガメはコロナをイメージして描かれたものだという。視点を置き換えて読み直すと未知なるウイルスに「共生」という道しか選べなかった、人類のもどかしさも共感できる。

■実に94ページに及んだ超大作の秘話
本作は、第88回新人コミック大賞<青年部門>大賞受賞作品だ。新人コミック大賞にしては94ページの大作となるが、そのあたりの規定についてはどうだったのだろうか?

「本来、新人コミック大賞の応募規定は“32ページ前後“なので、編集さんとは別の賞に出すことも検討していました。ただ、自分の漫画家(志望)としてのステップ的に賞レースに出せるのはこれで最後だろうという段階であったこと、尊敬する先生が審査員を務めていること、以前に大人の都合上、月例賞に出すことになりかけた際に(月例賞は月イチ、一方新コミは年2回と小学館の中でも最大規模なので、一般的に新コミの方が競争率が高くなります)全くもって燃えず、ペンが止まってしまったことなどもあり、半ば我儘を押し通して新コミに出させてもらったという経緯があります。ちなみに、それによって編集さんは上から大層怒られてしまったそうなので、本当に編集さんには頭が上がりません」(南賀さん)

結果、大賞を受賞する結果となり、多くの人の心を打つ作品となった。

■1人のJKが立ち向かう勇気に脱帽
本作は、大人たちが成し得なかったことをたった1人の少女が完遂してくれた読後の爽快感がすごい。「主人公には作中に描かれる”3つのコンプレックス”を、あくまで主人公1人の身勝手な感情でぶち壊してほしい!という思いがありました。ここでいう”3つのコンプレックス”とは、主人公の性別のコンプレックス、友人の性格のコンプレックス、そして過去にタカガメを倒すことができず、すっかり自信を失ってしまった人類のタカガメに対するコンプレックスの3つです」と、南賀さんは言う。

主人公1人で何度もタカガメに立ち向かう姿に、なんだ誰も助けに来ないんだ!?とハラハラさせられる場面もあるが、そこについては「人間とは結果を出して初めて評価されるものです。とくにこんな傍迷惑なことをやらかす主人公は、1人で責任を持って倒し切るところまでやって、ようやく称賛されるかどうかというところだと思います」と、実はテーマを打破するために主人公に立ち向かわせたのだという。

他にも本作には「我儘な願望や叶えたいことを全て叶えられる自分勝手な選択肢を選ぶことも悪くないんじゃない?」そんなメッセージが込められている。「時にそれは周りの人間から反対され、ひんしゅくを買い“ことを荒立ててくれるな!“と煙たがれることもあると思います。でも、そういった感情や行動が全てを救ってくれることもあるんじゃないか?という極めて我儘な希望を込めた漫画でした」と、南賀さんは語る。

これらすべてのコンプレックスを打ち破ることができた結果、まるでハリウッド映画を観ているような壮大なラストに思わず胸が熱くなる。

取材協力:南賀なん(@LonewolfN)

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