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【漫画】夫が突然、心臓病に!検査や闘病の実体験を描いた漫画が「参考になった」と話題に

  • 2021年12月15日
  • Walkerplus

心臓に病気を抱えた旦那さんのことを描いた漫画「危ない夫の心臓」。かわいい画風でわかりやすく当時の心境や病状を伝えていて、励ましやねぎらいのほか、同じく心臓病を患った人からの共感の声が寄せられている。Instagramとブログで作品をアップしている、作者のやよいかめさん(@yayoi_kame)に話を聞いた。

現在はコミックエッセイ、イラスト、コラムを中心に制作しているやよいさん。大阪芸大の陶芸コースを卒業したとあって陶芸が一番得意だというが、「結婚後、夫の仕事で転勤族になったことで、窯や作業場の維持が困難なため制作も発表も難しくなりました。だからこそ、今できることを一番得意なものにしていこうと、コミックエッセイやイラストを描き始めました。SNSやブログのおかげで、どこにいても世界に向けて作品を発表できる場所があるのはとてもありがたいです」と話す。

また、「夏休みは福島県で絵画教室の講師をしたり、青年海外協力隊へ派遣されていたご縁で、JICA(国際協力機構)経由の出前講座で、異文化交流について小中高生にお話させていただいてます。これまで30校ほど訪問させていただきました」と幅広く活動している。

■病気発見のきっかけを作りたくて、自身や夫の闘病生活を漫画に
以前は、「鼻腔ガンになった話」と題し、自身がガンを患った経験を漫画で伝えていたやよいさん。「母親や父親など、子育て中は忙しすぎてみんな病院にすぐ行けないんじゃないかなと思って描き始めました。育児がきっかけで大きな病気が発見されず、手遅れになってしまうことがあったら悲しいなぁと思って、自分の体験を漫画にしました」

そこで思いのほか反響があったことが、「危ない夫の心臓」を描くきっかけになった。「Instagramのメッセージで『漫画をきっかけに受診したらガンだった』という人が数十人もいて、私でも人の命を助けるお手伝いができるんだと分かりました。そこで、『鼻腔ガンになった話』が終わったあと、夫のことも描いてみようと」

ご飯を食べられない、体が動かない、などの症状が見られた旦那さんの体調不良の原因は「心房細動」。心臓が不規則に収縮するため全身に十分血液を送れず、心不全を引き起こしていたという。

「危ない夫の心臓」では、旦那さんや医師の診断だけでなく、やよいさんや2人のお子さんが家族の病気と向き合う様子も描かれている。病院に行き、旦那さんの病気が発覚した時の心境については、「まさか心臓が悪いとは思ってもみなかったので、びっくりしました。夫の体も心配でしたが、10日後には引っ越しを控えていたので途方にくれました」と当時を振り返る。

病気が分かってからは、旦那さんの体調をこまめに気にするように。「でも体に負担をかけないことばかり考えていると何もできないので、予定を詰め込みすぎないようにしながら旅行やイベントなどを楽しんでいます」と、上手く付き合っているそう。ただ、「遊園地やテーマパークの乗り物がほとんど乗れなくなってしまったので、一緒に楽しめないのがさみしいです」という。

■「漫画を読んで知っていたおかげで、すぐ救急車を呼べた」の声も
読者からの反響で印象的だったのは、描き始めて1か月ほどたったころ。「『昨夜、母が旦那さんと同じ症状に。漫画を読んでいたからこそ、救急車を呼んだ方がいいとすぐに判断でき、緊急入院することになりました』とメッセージがありました。ガンだけではなく、心不全の方にも役立ったんだなぁとうれしく思いました。病気の経験談を分かりやすく漫画にすることで人の役に立てる、と気付いたことが漫画を描くモチベーションになっています」と話す。

また、反響を特に感じるのは、痛かった治療や辛かった治療について描いた話だという。「同じ病気を経験した人たちからの反響が毎回大きいです。『私も痛かった!』『血が漏れて大変だった』など。そういう苦しかった病気の経験は普段なかなか友人とも共有できないので、話せる場所があるというのはいいんじゃないかと思いました」

漫画を描き始めてからの変化については、「描くことで誰かの命が助かるきっかけになるなら、自分の恥ずかしかった闘病生活の部分もネットにさらしてもいいかなと考えるようになりました」。やよいさんいわく、旦那さんは「めんどくさいタイプの理系。しかも頑固」とのことだが、闘病生活を公表する点に関しては旦那さんも同意だそう。

■病気の経験をさらに多くの人に伝えたい
「危ない夫の心臓」は、1日おきのペースで投稿していく予定とか。「フォロワーのみなさんの反応を見たり、1話から通して読んだ時のストーリーを考えつつ、その時感じていた思いを織り交ぜて描いています。なので、完結がいつになるか自分でもまったく分かりません」

完結後には、新作も公開予定。「先日読者の皆さんに向けて『病気になった時に遭遇した素敵なお話』というテーマでエピソードを募集したので、それを描いていく予定です。皆さんのエピソードを読んで泣いています」

また、「20年前から、陶芸に関するホームページを作っています。陶芸の豆知識について書いているんですが、その内容を漫画にしてみたいと思っています。陶芸の魅力を伝えるお手伝いができれば」と、新たな挑戦についても話してくれた。

大変な経験を、人の役に立つために共有しているやよいさん。Instagramやブログでは、旦那さんの検査が始まってからのエピソードも更新中。この先の展開を見守りたい。

取材・文=上田芽依(エフィール)

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