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『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』著者のかどなしまるさんに聞く「どん底まで落ちた私が今どうやってお酒と付き合っているか」(3)

  • 2021年11月12日
  • Walkerplus

社会人になったばかりの新人OLがひょんなきっかけからアルコール依存症になってしまうという衝撃の実体験をつづったコミックエッセイ『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』。今回、著者のかどなしまるさん(「お酒がないと××できません」/@marukadonashi)に当時の心境を振り返っていただきました。
※アルコール依存症は完治することはないと言われております。著者の個人的な見解で、一番ひどい状態にあった過去と区別するためにタイトルで「元アルコール依存症」と謳っていますが、著者自身も自分の依存症が完治したとは思っていません。また、近年では「減酒療法」という治療法も注目されていますが、根本的には断酒以外にはないと言われています。

ーーお酒よりも楽しいことを探そうと始めた婚活で、人生初の恋人ができたかどなしまるさん。順調にお付き合いをしていたのに、再びお酒で失敗してしまいます。

しらふでいるときの自分は何かと緊張してばかりなのに対して、酔っているときの自分は積極的に物事を楽しむ能力があるんですよ。酔ったときは冗談も言えたりするので、そっちのほうが恋人にも楽しんでもらえるだろうという気持ちがありました。普段のつまらない自分より、お酒に酔った自分のほうを信頼していたんですね。


ーー妹さんに一喝されて、自分がアルコール依存症であると認めることから少しずつ事態が好転していきますね。

お酒のせいで社会生活を破綻させて、人間関係もめちゃくちゃにしているのに、私レベルの飲み方では依存症とまでは言えないと思っていたんです。アルコール依存性というと、焼酎とか強いお酒を脇に抱えて一日中飲んでいるようなイメージでした。でも妹に言われて自分がアルコール依存症だと認めてみると、解決方法がちょっとずつ見えてきたんです。

ーー現在のかどなしまるさんについてお聞かせください。

身近な人たちに支えられながら、正しくお酒と付き合うように日々模索しています。お酒は楽しい席では多少飲みますが、ネガティブな気分を転換するために飲むというのはもうほとんどしていません。今はブログのネタで「100日間禁酒してみる」という企画をやっていて、今日で90日間お酒を飲んでいないんですよ。ブログで発信して皆さんに見てもらうことで自分自身をコントロールできている部分もありますね。


ーーアルコールに依存してしまう原因のひとつでもあった「過緊張」とはどうやって向き合っていますか?

ヨガに通って力を抜く練習をしたり、深呼吸したりして、「緩む」ことを意識しています。あと小説が好きなので、物語の世界に入り込んで現実と距離を置く時間を意識的に作るようにしています。おかげで今は、スーパーのレジも10回に9回は緊張せずに自然に並べるようになったんですよ(笑)。肩の力を抜いた生き方ができるようになってきて、以前よりもずっと人生を楽しんでます。

ーー最後に、お酒との付き合い方に悩む人にメッセージをお願いします。

アルコール依存性は、想像する以上に身近な病気なんだと、自分がなってみて改めて思います。私の経験を反面教師にして、引き返せなくなる前にお酒とどう付き合っていくべきか考えてみてほしいです。アルコール依存性は自分だけでは解決できない問題ですので、身近な人に相談したり、専門の機関に頼ったりして、周囲に助けを求めることも大切だと思います。

取材・文=宇都宮薫


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