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コロナで漫画家の生活はどう変わった?人気漫画の原作者&作画担当が語る「漫画家ライフ」の理想と現実

  • 2021年12月1日
  • Walkerplus

地球侵略にやってきたラビー星の王女・リリンと、ひょんなことから彼女の“親代わり”となった会社員の川北理(オサム)。そんな二人に巻き起こるハートフルでユーモラスな日常を描いた漫画「人類を滅亡させてはいけません」(ヤングアニマル/白泉社※最新3巻は10月29日より発売中)が、漫画ファンの間で話題となっている。


ウォーカープラス編集部では同作の原作者・高畑弓氏と、作画を手掛ける蒲夕二氏にインタビューを実施。連載3回目となる今回は、思い描いていた「漫画家ライフ」とのギャップや、創作活動の源泉など、知られざる漫画家生活の舞台裏について聞いた。



■みんなが眠っている時間に覚醒する高畑弓

――蒲夕二さんから見た高畑弓さんはどんな方ですか?

【蒲夕二】初めてお会いしたのは8年ぐらい前になります。当時の印象は「こんなに徹夜できる人を見たことがない!」です(笑)。皆が口を揃えて言うぐらいの体力の持ち主でした。

【高畑弓】それはアシスタント先の先生方にも言われたことがあって、深夜でも一切テンションが変わらないですね。

【蒲夕二】作業が徹夜におよぶときも、朝の「おはようございます」と、夜の「お疲れ様です」のテンションが全然変わらないんです。

【高畑弓】自分は深夜の2時~6時ぐらいまでが一番調子いいんです。「みんなが寝てる時間に俺は起きてる!」みたいな世界観が好きで。なので、逆にお昼ぐらいが一番調子悪いかもしれません(笑)。

【蒲夕二】それもあって、お昼ぐらいに高畑さんに確認を取らないといけないってときは、申し訳ない気持ちでイッパイになります。

■思い描いていた「漫画家ライフ」とのギャップは?

――2巻の巻末にある「カバの戯言」で描かれていた「漫画家ライフ」についてお聞きします。蒲さんが思い描いていた理想の漫画家ライフというのは?

【蒲夕二】自分はアシスタント経験が長かったので、先生や先輩方にゴハンに連れて行ってもらったり、どこどこのお土産だよって頂き物をしたりと、諸先輩方にしてもらって「私がうれしかったこと」を、アシスタントの皆さんに経験してほしいと思っていました。

――漫画家生活の中でのうれしい瞬間や息抜きなど、コミュニケーションの場所を先輩方が作ってくれていたと。

【蒲夕二】はい。自分も単行本を出したら、そうしたコミュニケーションの場を作ってあげたいと考えていました。ですが、連載が確定してからコロナ(リモート)になってしまって、自分の仕事形態を作るのが大変だったことと、1巻、2巻が出ても外に出られない状況が続いていたことで、そうしたフラストレーションを2巻の巻末(カバの戯言)にぶつけてしまいました(苦笑)。コロナが落ち着いたら、何十回分もの盛大な打ち上げをやりたいと思っています!なので、アシスタントの皆さん、待っていてください!

――この記事を読んだアシスタントさんのモチベーションが爆上がりですね(笑)。高畑さんには原作者としての創作秘話をお聞きします。本作のストーリーを組み立てていく際、「外せない要素」や「ルール」といったものはありますか?

【高畑弓】リリンの“喜怒哀楽”をしっかり入れていくことと、リリンが成長した部分を、どんな小さな要素でも1話ごとに必ず表現する、という点には注力しています。

■アイデアが閃く、その瞬間とは?

――おっしゃる通り、1巻から3巻(10月29日発売)までの間に、リリンの成長をすごく感じます。これまでさまざまなエピソードが出てきましたが、高畑さんにとって“アイデアの源泉”は何でしょうか。

【高畑弓】自分の体験談、幼少期の記憶、担当者さんとの打ち合わせ中に得たヒントなどから、自然と「それ、リリンにやらせたら面白いね!」という案が生まれます。何気ない会話の中からアイデアが生まれることも多く、一人で机に向かって悶々と構想を練る、ということはあまりないです。

――そんな高畑さんの原作を描いていく際、蒲さんの心に強く残った印象的なシーンを教えてください。

【蒲夕二】1巻のラストでリリンがオサム(川北理)に対して、抑えていた感情が爆発して泣き顔で振り返るシーンがあるんですけど、そのとき「読んでいる人たちに、とにかく“リリンの感情を伝えたい!”」という強い気持ちが込み上げてきたのを覚えています。あのときのテンションを超えられるような絵を描いていくことを、モチベーションのひとつにしています。

――最後に、長期連載、映画、アニメ化などお二人の目標を教えてください!

【高畑弓】そうですね、そうした目標もありますが、より多くの人に「この漫画を読んで欲しい!」という気持ちが一番強いです。

【蒲夕二】作品が広まる方法っていろいろありますが、とにかく「知っていただきたい、読んでいただきたい!」という気持ちです。ぜひ、私たちの作品を「試し読み」してみてください!


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