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消して楽しい「おにぎり消しゴム」がかわいすぎ!現役美大生クリエイターが生み出す作品がSNSで話題に

  • 2021年9月10日
  • Walkerplus

2020年10月、使えば具が出てくる「おにぎりの消しゴム」がTwitterに投稿され、およそ22万もの“いいね”がつく話題となっていた。この作品を作ったのが、SNSを中心に活動するクリエイターの有さん(@yu99jp)。

今回は、美大でデザインを勉強しながらSNSで作品を発表している有さんに「おにぎり消しゴム」の誕生秘話を聞いた。

■ありそうでなかった「おにぎり消しゴム」
現役美大生クリエイターとしてユニークな着眼点の作品を発表する有さん。ものづくりに興味を持ったきっかけは、保育園時代に通っていた学童保育での工作だった。

「通っていた学童保育が、物を作るときにどんな道具も使わせてくれる場所でした。材料も制限なく使えて作りたい物があれば先生も一緒に考えてくれて、そんな環境で作りたいものを作っているうちに物を作るのが大好きになっていました」

そんな有さんの代表作は「おにぎりの消しゴム」。文字を消すたびに中から具が現れるのが大きな特徴だ。消しゴムの“消す”という行為が「文字を消すためのもの」であることに注目し、そこに楽しさを与えられないかと思い制作したという。

「消しゴムで文字を消すことって、形を整えることと同じだなと思い、白くて形を整えていくおにぎりを連想しました。おにぎりを食べる行為はある意味、削る行為。なので、消しゴムを使っていくことで具が見えるようにしようと思いました」と有さん。

有さんの作品は 誰もが思いつきそうで思いつくことができない、絶妙な着眼点を取り込んだ作風。しかしアイデアを思いつくための特別な発想法などはなく、「とにかく量を出すようにしている」と有さんは話す。

「野球で例えると、投げられた球が打てるまでずっとバットを振り続ける!みたいな。振り続ければいつかは当たるので。どうしても出ない時は、セレクトショップやインテリアショップをぶらつきます(笑)」と話す。

■「ほしい」という声続出!シンプルながらも味がある作品たち
有さんは、SNSに投稿する作品は“おもしろさのバランス”を大切にしているという。「おもしろさを求めて作品を作っていくと、ギャグにより過ぎてしまう時があるんです。バランスのとれた作品を作るように心がけています」と有さん。

有さんがこれまで手掛けたなかで特にお気に入りの作品は、平な定規に角度を付けた「roof(仮)」、「香りが変化する線香」、そして日本刀をイメージした日本酒のラベルデザイン「割(カツ)」の3作品だ。特に「割」については、有さんが自らの成長を感じることのできた作品だったという。

「『割』は今までの作品とは違った方向性の作品で、現実のデザインとこれまでの私の考えを取り込みながら作った作品です。今までSNSに投稿したものとそれ以前に学んできたことがうまく融合できた作品なので、1つ階段を上がった気がします。自分の成長を感じたことも含めて好きな作品です」

「割」のデザインがSNSで話題になったことをきっかけに、新潟県の酒造会社「天領盃酒造株式会社」がこのデザインを使用した日本酒の製造に向け、商品デザインの企画を進めているという。有さんのデザインしたラベルが店頭で見られるのが楽しみだ。

「roof(仮)」は平らな定規に角度を付けた作品。紙に接する部分が線設置になるように設計されている。最小限の力だけで押さえることが可能で、ズレずに直線を引くことができるすぐれもの。単純な加工ではあるが、定規のさまざまな問題が解決されている。

「『デザインとはこういうことなのかもしれないな』と自分なりに思った作品です」と有さん。現実の問題を解決することも、デザインの役割の1つだと思わせられる作品だ。

「香りが変化する線香」は、その名の通り時間の経過で香りが変化する線香。香りのなかに“時間”という新たな軸を組み込むことで、時間の変化を体験できるというコンセプトでデザインされた。

■これからの時代を生きるデザインへ
有さんの作品はどれもたくさんの“いいね”がつき、作品を「ほしい」というユーザーや商品化を希望する声などもたくさんあったという。

「最近では、企業の方にお声がけをいただいて一緒にお仕事をする機会をいただくことも増えてきました。SNSを通してお仕事をいただいたりすることもあって、時代だなと感じます」と有さんはSNSで作品を発表する意義について語る。

「Twitterアカウントでは、機能的ではないおもしろいものを投稿していますが、将来的には機能性もありつつ生活に溶け込むものを作りたいです。理想はウォークマンのように、普遍的な存在になれる作品を目指したいですね。柔軟な発想ができるデザイナーになれればと思います」と今後の意気込みを話してくれた。

日々さまざまな刺激を受け、独特な切り口で作られる有さんの作品。これからもユニークなデザインで私たちをアッと驚かせてくれるだろう。

取材・文=福井求

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