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「全裸監督」出演の桜田通、撮影について赤裸々に語る<前編>

  • 2021年7月9日
  • Walkerplus

アダルトビデオの帝王と呼ばれた村西とおるの半生を描いた、Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」。配信中のシーズン2では、芸能人との情事を再現した作品が大ヒットするというエピソードも話題を呼んだ。その作品のネタにされてしまうアイドル・“ケンちゃん”を演じたのは桜田通。

2006年にミュージカル「テニスの王子様」の最年少主演で注目を集めた桜田は、その後も多くのドラマや映画に出演、アーティストとしても活動し、今年で30歳を迎える。そんな桜田に、「全裸監督 シーズン2」での体を張った芝居について聞いた。

■「全裸監督」は「リアルだけど、リアルでこんなことが起こったら大変」
――「全裸監督」はもともとご覧になっていましたか?

【桜田通】出演が決まってから観ました。山田孝之さんがNetflixで企画から関わって、世界的にもヒットとなったことが興味深かったです。また、バストトップが出ていたりするので、地上波ではなかなか放送できない作品。その壁を超えてしまうNetflixや山田孝之さん、そして村西とおるさんという実在の方がモデルという点も、すべてがすごいなって圧倒されました。

脚本もすごく魅力的で、登場人物みんなが人間らしくて、ぶっ飛んでいるところもある。苦労もあったと思うけれど、あんな人生を過ごせたら楽しそうですよね。それぞれの思いが交錯している作品なので、一人ひとりに共感できる部分もあったりします。ただ、今の時代では受け入れられないこともいっぱい描かれていますよね(笑)。リアルだけど、リアルでこんなことが起こったら大変、っていうことを大胆に描いているので、エンターテインメントとしてすごくおもしろい作品だと思います。映画だったら4、5本分くらいになりそうな要素をひとつずつ積み重ねて、それがうまく融合して成功している。Netflixならではのパワーのある作品だからこそ、ヒットしているのだと思います。

僕は「今際の国のアリス」という作品でNetflixに関わらせていただきましたが、その時に作品の規模や現場の作り方がすごく素敵だなと思ったので、Netflixの作品なら本当になんでも出たいくらいの気持ちがあったんです。だから今回、「全裸監督」という作品に出演させていただけたことはとてもありがたく光栄です。

■ケンちゃんは運悪く、世界中の人に見られているだけ
――桜田さんが演じたケンちゃんは、女優が人気アイドルと密会した話を元に作られた作品「ありがとうケンちゃん」が大ヒットして…という役どころですね。

【桜田通】役を演じるうえでいろいろと調べてみたら、実際にそういうことがあったみたいなんです。でも、監督から特にそういうお話はなかったので、それは気にせず演じました。僕は平成生まれなので昭和の空気感を肌で感じたことはないのですが、時代背景やキャラクター設定みたいなことを監督としっかり話し合って、いい意味での古めかしさを出せたらいいなと思って役を作っていきました。

――その古めかしさなど、役作りで意識したことを教えてください。

【桜田通】これはもうメイクさんの力なんですが、まずは見た目から昭和感を出していただいて。あとは僕のステレオタイプな昭和のイメージかもしれませんけど、当時のスターやアイドルはナチュラルじゃない喋り方や仕草が様になっているというイメージがあったので、そこを意識しました。

――作品の中で性癖が明かされて注目を集めてしまう、ある意味滑稽な役どころとして描かれている印象でしたが、そのあたりはどうとらえて演じましたか?

【桜田通】もちろん、おもしろくなったらいいなと思う気持ちは多少ありました。でも、性的な部分での趣味趣向があったら、どんなスターであれベッドの上ではあんな感じになるんじゃないかなと思うんですよね。今回、ケンちゃんは運悪く作品の元にされてしまって、世界中の人に見られているだけだと思っていて。なので、ウケを狙いすぎずに、具体的に言えば“ケンちゃんは乳首触られるのがすごく気持ちいい人”だったので、それを精一杯演じてみました(笑)。

――反響はいかがでしたか?

【桜田通】出演作に関して友達から連絡がくることはあまりなかったんですが、「『全裸監督』観たよ!」って結構連絡がきて。…ちょっと恥ずかしかったですね。僕としては、「ケンちゃん、おもしろいよね」っていうことしか返せないんですけど(笑)。

■滑稽だけどかわいらしい濡れ場でスターの姿とのギャップを意識
――これまでの作品でもラブシーンは演じられていますが、今回の受け身のラブシーンというのは、演じるうえで難しさなどはなかったですか?

【桜田通】それは特になかったです。威張る話じゃないですけど、恥さえ捨ててしまえばできると思っていたので、そこで何か苦労や努力をしたということはなく。ちゃんと乳首で感じることを頑張りましたね(笑)。

――恥を捨てるということに、葛藤は?

【桜田通】仕事なので、1ミリもないです。そのスタンスは今までの作品とまったく変わらないですね。ほかの作品でも慣れないことをやることはありましたし、その時々でどうすればいいか考えてやってきたので、今回もそういう経験のひとつでした。

撮影ではもちろん乳首を触られましたけど、僕はケンちゃんじゃないから気持ち良くはないんです(笑)。でも、ケンちゃんならきっとこういうリアクションをするんじゃないかなって考えて、スターとしてのかっこよさとなるべく差をつけようというのは意識しました。ちょっと滑稽だけど、でもそこにかわいらしさをのせられたらいいなという、ちょっとした狙いを持って演じましたね。

――「全裸監督」はエネルギッシュで魅力的なキャラクターの多い作品ですが、共感する登場人物はいましたか?

【桜田通】難しいですね…。共感というなら、意外と女性陣のほうかもしれないです。今回、僕、桜田通はケンちゃんとして濡れ場を演じたわけですし。

この作品で描かれている、アダルトビデオに出演する女優さんも覚悟を持って、何もまとわない姿、男性と絡んでいる姿を仕事として演じています。それは、僕が普段やっているお仕事、つまり何かをさらけ出していくことと遠からずだと思っていて。そこに葛藤があったり、快感を覚えてしまったり、そういう部分は通じるような気がしました。



スタイリスト=柴田圭 (ZEN Creative)
ヘアメイク=横山雷志郎
撮影=大塚秀美
取材・文=大谷和美

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