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霊に憑かれた友人の話なのに怖さゼロ!誰かを貶めない漫画にほっこり

  • 2021年7月9日
  • Walkerplus

「複数の霊に取り憑かれた友人の漫画」と聞けば、身の毛もよだつ恐ろしい内容を想像してしまうだろう。しかし、透明いんげんさん(@invisible_bean)が描く幽霊の漫画には優しさとユーモアが同居しており、フォロワーからは「かわいい」「おもしろい」「癒やされる」などのコメントが多数。今回は透明いんげんさんに、漫画を描き始めたきっかけや発想の源などを詳しく聞いてみた。

■誰も傷つけずフフっとなる、「おなかに優しい笑い」
普段は“とても真面目”な会社で働きながら、休日にこっそり絵を描いているという透明いんげんさん。SNSへの投稿は、5年ほど前から始めたそう。

「絵を描くのは苦手だったのですが、人見知りのくせに『人を笑わせたい』願望がずっとあったので。漫画なら表現できるかな?と、恐る恐るペンをとりました」

人を楽しませたいとの思いが込められた透明いんげんさんの漫画は、ほっこりする読後感が魅力的だ。「なんだか自分のギャグを説明するようで恥ずかしいです(笑)」と言いながらも、作品のテーマを決める時に意識していることを教えてくれた。

「何を描くにしても一貫して決めているのは、『おなかに優しい笑い』です。腹筋に響くような爆笑ではなく『フフッ』となる程度…という意味と、『誰かを貶めて笑いをとる事はしない』という、二重の意味があったりします。読んで優しさを感じていただけるなら大変うれしいことで、作者冥利に尽きますね」

■こんな霊なら取り憑かれてみたい!?「背後霊シリーズ」
新作を楽しみにしている人も多い「背後霊シリーズ」は、透明いんげんさんの温かさが特に伝わる作品。夏休み明けに再会した友人の背後には、複数の幽霊が取り憑いていた。

しかし背後霊たちは恐怖の形相で襲い掛かるでもなく、耳元で恨みの言葉を呟くでもなく、ラップ音で脅かすでもなく、友人と共にゲームをしたり、浴衣を着て夏祭りに行ったりと、この世を満喫している。

「昔からホラーもギャグも大好きだったので、どっちも描きたいと思った結果が『背後霊シリーズ』になりました。霊は『怖いもの』や『悲しいもの』とのイメージを変えたいなと思ったのも、きっかけの1つです」と、シリーズ誕生について語る透明いんげんさん。この作品に出る幽霊は恐ろしさも悲壮感も皆無なので、現実にも優しい幽霊はいるのでは?という気になってくる。

■切なさあふれる作品に反響も
さまざまな作品の中でも特に反響が大きかったのが、お盆を舞台にした「せみとほたる」だそう。黙々と絵を描くおじいちゃんの元に、明るく友達も多いおばあちゃんが帰ってくる。騒がしいセミと物静かなホタルはこの2人の比喩だが、読んだ後はおばあちゃんがホタルだったように感じる。

「普段はゆるいネタもギャグ全開のネタもそれぞれ描いてますが、夏の時期にギャグ要素を封印して描いた『せみとほたる』の反響が印象的でした。フォロワーさんからは『泣いた』『我が家にも来てないかな』などの感想と、『お前こんな良い話も描けるのか』と愛のあるツッコミをいただいたりして、とても思い出深い1本になりました」

感想でもツッコミでも、作品を投稿するたびに届くコメントの数々が創作活動の励みになっているという。

「ゆるゆるとマイペースに描いている漫画ですが、いつも応援や感想をくださる皆さんのお陰でここまで続けてこられたと思います。もっともっとみんなを笑わせていきたいと思っているので、これからもよろしくお願いします!ピース!」

読んだ人を温かな気持ちにしてくれる、透明いんげんさんのおなかに優しい漫画。1日の終わりに読んでフフッと笑えば、仕事や勉強の疲れが癒やされそうだ。

取材・文=石川知京(関西ウォーカー編集部)

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