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「反論してもねじ伏せられるだけ」自分勝手な言動炸裂のモラハラ夫との奮闘を漫画に

  • 2021年5月7日
  • Walkerplus

小学生の娘二人と一緒に暮らすもちママ(@mochimama129)さん。自身がモラハラ夫と出会い、出産、職場復帰、再構築などを経て離婚するまでを描いた漫画「モラハラ夫に人生を狂わされた話」を、Instagramやブログで配信している。夫の言動に心身ともに振り回されながらも、両親や職場の人などの助けを得ながら少しずつ強くなるもちママさんの奮闘ぶりに、読者からは共感や応援の声が寄せられている。

今回は、もちママさんにインタビューし、特に読者の反応が大きかったエピソードや、実体験を漫画にしたきっかけ、作品やモラハラに対する思いを聞いた。

■共感の声やモラハラへの気付きコメントも
――「モラハラ夫に人生を狂わされた話」で、特に読者からの声が多かったエピソードは?
「【出産編】では、浮気未遂をした夫が反省したかと思いきや、私の気持ちよりも自分の性欲を押し付けてきて妊婦をいたわる気持ちがなかったという話、【職場復帰編】では、夫が急に仕事をやめてきて家計が逼迫しているのに、さらに私に『仕事をやめろ』『俺が三人の生活を支えている』とマウントをとってきて、私の稼ぎなどあてにしていないという話。『すごく気持ち分かります』『イライラする』と共感してくれる読者が多い中、『もしかしたら自分のパートナーも…』と疑うきっかけになったという方もいましたね」

――漫画を投稿し始めたきっかけを教えてください。
「漫画を投稿し始めたのは2019年11月から。同年の5月から文章だけでモラハラ体験談を書いていたのですが、初めからものすごく反響がありました。共感してくれたり、すでに過去の話であっても応援してくれる人がたくさんいて。コメントをくれる方の中には、モラハラ夫や彼氏と離れられずに現在進行形で大変な思いをしている人もいると知りました。そんな方たちの希望になるために、『私でもモラハラから逃げることが出来たんだよ!』ということと、モラハラとはどういうものなのかを、もっと広めたい。事細かに再現できるイラストのほうが伝わりやすいと感じて、漫画化することにしました」

まだ離婚する前、実家に帰った時のこと。元夫が仕事をいきなり辞めてきた、借金を増やそうとしてくるなどと、母親にカミングアウトし、元夫には帰らないと伝えたもちママさん。その後、元夫が見事なモラハラを披露したところ、もちママさんのお父さんが一喝。シュンッとなりながらも、ももちママさんをあの手この手で連れ戻そうとする様子など、漫画でリアルに表現されている。

「私自身、モラハラを受けていたと気付いたのは別居してから。まだまだ自分がモラハラを受けていることを自覚せずに苦しんでいる人が多いようです。読者からは、『弱い犬ほどよく吠える』というコメントもあり、なるほど!おっしゃる通り!って。他にも『うちの夫かと思った』『元夫と一緒』という声も。私の漫画は元夫の言動を忠実に再現しているので、少しでもモラハラに気付いてもらって、辛さを軽減してもらえたらと思います」

――モラハラ漫画を描くにあたって、気を付けていることはありますか?
「内容が重たいので、少しでも読みやすくコミカルにクスッと笑えるように描いているつもりです。それでもやはりリアリティを追求すると、読者の方に不快感を与えてしまうことは度々ありました。不快さを出さないように気を付けていますが…どうしても避けては通れない部分は、炎上覚悟で描いています。万人受けを狙っているわけではないので、刺さる人には刺さる漫画作りをモットーにしています」

■「自分はダメじゃない」と思えるように後押ししたい
――モラハラについて、もちママさんが思うことは何ですか?
「ある意味、試練だったのかなって今では思います。私自身、末っ子長女で過保護に育てられ、社会の厳しさを知らずに育ちました。いわゆる世間知らずなお嬢ちゃん。末っ子長女でもしっかりしている人もいますが、私はぬくぬくと育ってきたので、モラハラされても比べるものがなく…元夫の言うことややることがおかしいと感じつつも、常識かのようにそれが正しいものだと思い込んでいました。辛かったですが、私の人生の中では必要な経験だったので、試練だったんだと思うようにしています」

――「モラハラ夫に人生を狂わされた話」の今後の展開は?
「これから離婚調停の話に進んでいきます。離婚調停は長期戦でお金も時間もかかり、精神は削られ疲弊するものと言われていますが、私の場合は最終的にいとも簡単に調停が成立し離婚を迎えます。理由は、私が持っていた切り札。これを出すことで『やっぱりな』という予想通りの展開を迎えますが、最後の最後まで元夫にはがっかりさせられます。私の切り札とは何か、予想しながら読んでもらえると嬉しいです」

実際にモラハラに苦しんでいる人へのメッセージをお願いすると、「モラハラをしてくる人は『お前はダメな奴だ』と私たちの自信を奪っていきます。365日毎日何かしら否定し、ジワジワと自己肯定感をすり減らしていきます。そして、アメとムチを使い分けてくるので、一時の優しさにほだされないように。モラハラをする人は、自分より弱い立場の人を攻撃して自分の存在価値を見出しているだけ。あなたはダメじゃないし、悪くない。自分の人生は自分だけのものです。幸せを求めて新たな道に進んでもいいし、再構築を目指して頑張るのもいい。自分が幸せだと思える道を選んでほしいです」と語ってくれた。

また、もちママさんはモラハラ漫画の他に、小学生の娘たちの学童や学校でのトラブルを描いた漫画もブログで配信中。「モラハラ漫画が終わった後は、婚活体験をエッセイ漫画として投稿する予定ですので、離婚後の話も興味がある方は見てみてください」と話す。

自分の状況をなかなか人には言えなかったり、行動を起こせなかったりする人も多く、モラハラ問題を解決するのは難しい。ただ、もちママさんのように、少しだけ勇気を出して家族や知人に相談ができれば、思いが変わったり、決断や行動するきっかけとなることもあるのだと、改めて認識できるのではないだろうか。

取材・文=重藤歩美(関西ウォーカー編集部)

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