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「からあげにレモンしぼっちゃっていい?」への甘すぎる返答…意外過ぎる台詞が心を掴む漫画シリーズの創作術

  • 2021年3月29日
  • Walkerplus

「からあげにレモンしぼっちゃっていい?」そんなありふれた問いかけなのに、返答は告白――。思わず「そうきたか!」と言いたくなる、意表を突いたセリフ回しが特徴的なイラストや漫画をTwitterで発表するしおひがり(@shiohigari114)さん。淡いタッチで描かれた女の子に一見結びつかない言葉を添えたイラスト漫画シリーズ「しおひガールズ」は、2019年にWEBアニメ化されたほどの人気を誇る。今回は、自ら「チープアーティスト」を名乗るしおひがりさんに、独創的な言葉のアイデアや、作品作りの変化について話を聞いた。

■ありふれたフレーズを分解して生まれる意外性
――しおひがりさんの作品は、いずれも巧みな言葉遊びが印象的です。アイデアはどのように考えられているのでしょうか。
「『決めゼリフ』は慣用句や常套句、キャッチコピーなど世間に広く知られているフレーズを分解して順番を入れ替えたり別のパーツと組み合わせるような作り方が多いですね。例えば、避難訓練の標語をもじって『押さない、駆けない、喋らない、君しか見えない』みたいな感じです。ロマンティックだったりシニカルだったりと、ユーモラスで意外性のある着地ができるように意識しています」

――「しおひガールズ」に代表される1枚イラストや1ページ漫画など、少ない枚数・コマ数で落差をみせるスタイルで作品を作り出したきっかけは?
「やはり一回の投稿で限られた情報しか載せられないツイッターを中心に発信を行っているからだと思います。例外はありますが、漫画にせよ文章にせよ、なるべく1ツイートで完結する発信を心掛けています」

――ちなみに、しおひがりさんは「チープアーティスト」を自称されていますが、この理由は?
「昔のトレンディドラマのような安っぽいセリフやシーンが登場する恋愛ものを好んで作っているからですかね。まあ、後付けですが。活動を始めたばっかりの時に冗談でつけたものですが、こういう感じで真正面から理由を聞かれたりして結構恥ずかしいので、最近はイラストレーターなどと名乗ることが多いですね。年を取りました」

――意外な台詞とは裏腹に、描かれる女の子の何気ない仕草や微妙な表情にもグッときます。キャラクターを描く際に意識されているポイントはありますか?
「キャラの顔ですかね。めちゃくちゃシンプルな線で何が顔やねんって思われるかもしれませんが、毎回顔だけはかわいく見えるよう何度も描きなおしたりしています」

――最近は「おでこにキスするおまじない」のように複数ページでの漫画を掲載することが増えてきているように思います。作品作りでの変化があるのでしょうか?
「物語性のあるものを作っていきたいなと思い、漫画に挑戦しています。漫画の場合は内容に入れられる情報が多い分、キャプションで説明する必要がないのでシンプルなタイトルにしています。一方で、販売しているLINEスタンプからファンになってくれる方も多いため、一言ネタみたいなものも変わらず作っていきたいですね」

――今後、作品でやってみたいことはありますか?
「一発ものではない中編から長編作品にも挑戦してみたいです。『チープアーティスト』としての軸はブレずに、安っぽいドラマを展開していけたらいいなと思っています。どこかの媒体で連載することも目標ですね」

取材協力:しおひがり(@shiohigari114)

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