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お笑い芸人・見取り図が声優初挑戦!アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』インタビュー

  • 2020年11月25日
  • Walkerplus

芥川賞作家・田辺聖子の小説で、2003年には妻夫木聡と池脇千鶴主演で実写映画化された『ジョゼと虎と魚たち』が、2020年12月25日(金)にアニメーション映画となり公開される。車椅子で生活する"ジョゼ"と、大学生の"恒夫"の出会いから始まる物語を新たなストーリーで、そして2人の恋と夢追う姿がアニメーションならではの美しい映像で描かれる。

本作ではお笑い芸人の見取り図がゲスト出演し、声優に初挑戦している。盛山は主人公の恒夫がアルバイトするダイビングショップの「西田店長」、リリーはほぼ一言の出演だが、「駅員」と「舌打ちする通行人」という役。2人にアフレコの感想や、映画の見どころを聞いた。

■アニメ声優初挑戦!「できると思ってた前日までの自分をしばきまくりたい」

―アニメのアフレコは初めてということで、オファーされたときの気持ちは?

盛山晋太郎(以下、盛山)「この有名な作品に携われることはもちろん、声優にも興味はあったのですごくうれしかったですね。僕は加藤ミリヤさんに『あなたの声はギフトです』って言われたことがあるんです。やっとそのギフトを生かせる時が来たって」

リリー「僕は『ついに来たな』と。ようやく俺の声に気付いたなというのはありますね」

盛山「こいつ、一言しかしゃべってないですからね!」

リリー「観てもらったらわかるんですけど、相方はたくさん台詞あって、僕は一言なんです。でも存在感は僕のほうが勝ってました」

盛山「勝ってないよ!相方の僕も(リリーの役が)どこにおるか分からなかったですもん」

リリー「俺も忘れとった。俺の役、なんやったっけって(笑)」

―アフレコはスムーズに進みましたか?

盛山「いや、僕でもう20テイク以上は録りました」

リリー「僕も10テイク以上録りました」

盛山「なんでやねん!一言やのに!(笑)」

―どういったことでテイクを重ねられたんでしょうか?

リリー「なんか…『もう少し違う表現でお願いします』って」

盛山「めっちゃ真正面から言われとるやん!シンプルに!」

リリー「めっちゃ難しかったです」

盛山「僕は最初、ベタに棒読みみたいになってしまったので、西田店長の人柄を教えていただきました。柔和で優しい人だと言われたんですけど、全然できなかったです」

―人柄を教えてもらって役作りをされたのですか?

盛山「そう、役作り!俳優さんや声優さんってほんまにすごいですね。ちょっとできると思ってた、前日までの自分をしばきまくりたいですからね(笑)。でも、演じさせてもらえて楽しかったです。お芝居だったら自分の間や言い方があると思うんですけど、動いてる絵に対して台詞をあてるっていうところがすごく難しかったですね。普段でも演技とかしないのに、さらに難しかったなと思いました」

―リリーさんも、探り探り役作りしていくという感じだったんですか?

リリー「役作りの部分でいうと、僕は駅員の役と聞いていたので、自分の中の駅員ってこんな感じかなって思って3キロ太りました」

盛山「弱すぎるやろ!役作りが弱すぎんねん!」

―盛山さんが演じた西田店長は柔和で優しい人柄とのことですが、リリーさんの駅員役にも設定はあるんでしょうか?

リリー「駅員さんは、お父さんも国鉄で働いていて、嫁がいて子供も2人いて…という設定にしていました」

盛山「勝手に自分の中で駅員さんの設定を作ってたってこと?」

リリー「作ってました」

盛山「で、あの棒読みやったん?それだけ設定しておいて!?(笑)」

―ちなみに、舌打ちしている通行人にはどんな設定が?

リリー「パチンコに行って負けて、そのイライラもあって舌打ちしてます」

盛山「ちゃんとあんのかい!確かにキャラクターデザインもそれっぽいな(笑)」

―完成した作品を観た感想を教えてください。

リリー「すごくキュンキュンする話でしたし、僕の家の最寄り駅が天下茶屋なんですよ。そこがモデルになっているシーンがあって、大阪に住んでいる人たちは特に楽しいんじゃないかなと思います。知っている場所がたくさん出てくるので」

盛山「自分の声がすごく恥ずかしいし、浮きまくってるなと感じました。声が僕のまんまやったでしょ?でもこんなピュアな話、近年なかなかないと思います。観終わった後、登場人物全員を好きになりました」

―お互いの声を聞いてみていかがでしたか?

盛山「500点満点で採点してもいいですか?…0点です(笑)」

リリー「100点満点でええやん(笑)」

盛山「0点です!」

リリー「自分のは100点って言えるんですけど、相方か~。1000点満点でもいいですか?…800点!」

盛山「高!そんなに認めてくれてたんや(笑)」

リリー「もちろん」

盛山「ごめんな。0点とか、嫌なことばっかり言うて。うれしいです!」

リリー「いや、すごく良かったです!」

盛山「ていうか、100点の80点でええやん!(笑)」

■理想の女性像は?「"なんやこいつ"と思ったら好きになります」

―主人公の恒夫は、夢に向かって進むストイックな大学生として描かれています。学生時代の思い出はありますか?

盛山「僕は本当にずっとベタな大阪人で。小学校から漫才したり、小・中・高の文化祭で漫才とか新喜劇みたいなことをしていました。 そのまま今に至るという感じです。クラスの調子乗りが芸人になったってだけで、そのまんまです」

―教室の中でも目立つ存在だったんですか?

盛山「そうですね、目立ちたがり屋でした。文化祭で音楽ライブがやりたくて、文化祭の1か月前に軽音楽部に入って、文化祭終わったら辞めるっていうことを3年間繰り返しましたね」

リリー「僕はサッカー部で、ずっとサッカーしかしてなかったです。あと高校生のときに初めて彼女ができたんですけど、その人の付けてた香水の匂いとか今でも思い出しますね」

盛山「お前、絶対(シンガーソングライターの)瑛人に影響されてるやん!」

―一方でジョゼは不思議な雰囲気だったり、気が強かったりとギャップのある女性です。理想の女性像は?

リリー「理想というか、最初に『なんやこいつ』と思った人を後々好きになることがけっこう多いなと思います。例えば、おしゃれに全然興味がない女の子って珍しいじゃないですか。でもそういう子がめっちゃ気になる。『この子、"自分"があるな』と思って、好きになったりしますね」

盛山「僕はアホなんで、知的な人が好きですね。しっかりしたしゃべり方の女の子を見ると『すごいな』って思います」

■人生で一番うれしかったのはM-1決勝進出「喜びを更新するには優勝しかない」

―ジョゼと恒夫は出会った後、お互い挫折を経験し、再び夢に向かって挑戦していきます。2人のような経験はありますか?

盛山「26歳くらいのときに、若手のネタバトルで"オーディション組"っていう一番下のランクまで落ちたときは、心が折れそうになって1か月くらい休んでましたね。恒夫と一緒です。でもやっぱり舞台に立ちたくなったので、すぐに回復しましたね。『1か月だけ休む』って割り切ってました」

リリー「僕は今のところ100点の人生なんで、いまいちわからないです…。ここまで順調に来るとは」

盛山「ウソやろ!?100点なんや…。すごい自己採点」

リリー「挫折は日々ありますけどね。仕事では毎回反省はありますけど、芸人を辞めようと思ったことはないです」

―逆に、今までで一番よかった経験は?

リリー「ケーブルテレビの冠番組持ったことですかね」

盛山「弱すぎるやろ!採点のハードルが低いねん。でもやっぱりM-1ですかね。2年前に初めて(決勝に)出られたときです」

リリー「確かに。M-1は大きいですね」

盛山「M-1思い出すだけでずっと酒飲めましたもん。結果は最悪やったんですけど。次に喜びを更新するには、優勝しかないと思っています」

―足が不自由なジョゼは家に引きこもりがちな生活をしていましたが、恒夫と出会い、外の世界に出て変わっていきます。一方、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、私達は外出自粛の生活を送っていました。ステイホーム期間中はどのよなことをされていたんですか?

盛山「ありがたいことに、週1~2回は仕事がありましたね。あとは、普段できていなかった映画鑑賞とか。それとめちゃくちゃオンライン飲み会をしていました。結局人と会いたくなったんで。夜9時からリモート飲みして、朝5時に終わったときとか最悪でしたね。さらば青春の光の森田とノリで"1か月間毎日オンライン飲みをしよう"となって、どっちも引くに引けなくなって。それがずっと続いてたから、ステイホーム期間中は森田ですね(笑)」

―毎回盛り上がるんですか?

盛山「全然盛り上がりません!『もうええってお前』って言い合うだけの毎日でした。芸人で一番最悪な自粛生活やったと思います」

リリー「僕はワクチンの開発ですね。励んでました」

盛山「嘘つけ!民間で?できた?」

リリー「できたというか、イソジンが効くということがわかった。俺が伝えたんですよ(笑)」

盛山「出て行け。出て行きなさいあなたは!」

リリー「でも僕は『Zoom』を覚えて、これは進化やなと思いました。打ち合わせが普通に家でできるって気付いて、これはコロナで勉強になったことですね。『Zoom』はマジで便利です」

盛山「打ち合わせで何時にどこでって集まってたのがアホらしくなって来ましたね。ただ、リモートでのテレビ出演は嫌やなと思いました。やりにくいです…。ほんまに」

■目標は大阪で舞台挨拶!「めちゃくちゃおもしろい格好で登壇したい」

―もしまた声優に挑戦するとしたら、どんな役をやってみたいですか?

盛山「何でもやらせていただきます!今回も関西弁で助かったので、関西人の役がいいですね。次は主役級でやってみたいです(笑)。みんなでパネル持って、舞台挨拶とかもしたい。大阪でやるときにはめちゃくちゃおもしろい格好で登壇したいです。僕ら、中川大志くんと並ぶ気満々ですから!」

リリー「僕自身が好きだからっていうのもありますけど、自分のキャラとかいろいろ考えるとブラピの声とかやりたいです」

盛山「無理やん!(笑)」

―最後に、映画を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

盛山「映像美はもちろん、大阪の人もそうじゃない人も、そして何より心を清々しくしたい人はぜひ観ていただきたいです」

リリー「ぜひ駅員に注目して観てほしいなと思います!」

盛山「たくさんの人に観に来ていただきたいです。映像がきれいなので、スクリーンで観てほしいですね。感想を直接、僕らのツイッターアカウントにリプライしてください。嫌なコメントはブロックさせていただきます!(笑)」

アニメーション映画『ジョゼと虎と魚たち』は12月25日(金)より全国ロードショー。

取材・文=松原明子

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