今週は、毎日のように国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」が、日本上空を通過します。今日26日の夜は午後9時前に近畿や北陸などで「きぼう」を見られるチャンスがあります。時刻や観測のポイント、今夜の天気をまとめました。
国際宇宙ステーション(ISS)は、地上から約400km上空に建設された実験施設で、「きぼう」とは、その中の日本実験棟の名前です。ISSはサッカー場くらいの大きさで、1周およそ90分というスピードで、地球の周りを回っていて、条件が揃えば地上から肉眼で見ることができます。
冒頭の図は、今日26日の「きぼう」が見え始める時刻と最大仰角(最接近)時の方角です。今日26日は午後8時49分頃から観測のチャンスがあります。見え始めから見え終わりまでは3分程度です。
明るい星のような光が、飛行機よりも速めのスピードで、流れて行くように見えます。望遠鏡などを使うと、視野が限定されてしまい、見逃す可能性がありますので、肉眼で探すと良いでしょう。スマートフォンなどで動画の撮影もオススメです。光がスーッと動いていく様子をとらえることもできます。
上の画像は今日午後8時から9時の天気です。今夜は、東北や北陸、中国、九州北部などでは晴れる所が多く、「きぼう」観測のチャンスがありそうです。近畿は雲が目立つものの、雲の切れ間から見られる可能性があります。一方、関東では雲が広がりやすく、観測は難しそうです。
明日27日も、北日本を中心に「きぼう」観測のチャンスがありそうです。明日27日の夜は北日本は晴れたり曇ったりの天気で、雲の切れ間から見られる可能性があります。九州北部や中国地方は「きぼう」の見える位置が低いものの天気には恵まれるでしょう。一方、関東や近畿は雲が広がりやすく、にわか雨の可能性もあり、観測にはあいにくの天気になりそうです。
国際宇宙ステーション(ISS)が地上から見られる条件は以下の3つです。
① 晴れていること
ISSは雲より高い宇宙空間を飛んでいるので、曇っていると地上からは見えません。
② 自分の上空をISSが通過すること
ISSは同じ軌道を回っていますが、地球が自転によって回転しているため、ISSが通過する位置は変化しています。自分の上空付近をISSが通過するタイミングで見ることができます。
③ 自分のいる場所は夜で、ISSが昼であること
ISSは自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射して明るく輝きます。ISSが地上から見えるためには、ISSには太陽の光が当たっており、地上は夜となっていなければいけません。上の図のように、ISSは地上400km上空にあるため、地上の日が落ちてからしばらくの間は太陽に照らされています。同様に、地上の日の出よりも先に上空の ISS には太陽の光が当たります。日の出前や日の入り後の約 2 時間は、地上は夜ですが400km上空はまだ昼の状態で、この時間帯に ISSが自分の上空付近を通過した時にISSを見ることができます。