五大陸をランニングで踏破する「トランスアトラスランニング」に挑戦するいいのわたるさんのトークイベントが5月17日、高松オルネ(高松市浜ノ町)で開かれた。主催は香川を拠点にランニングに関するイベントの企画運営やオリジナル商品の販売を行う一般社団法人「ランニングドランカーズ」。(高松経済新聞)
南米大陸縦断の旅をさまざまな数字で振り返るいいのさん
2023年からトランスアトラスランニングに挑むいいのさん。2023年6月~2024年3月でアラスカ~パナマ間1万4000キロを走り、北米大陸を縦断。2024年6月にコロンビアのカルタヘナを出発し、2025年4月にアルゼンチン・ウシュアイアへ到着。南米大陸1万2000キロを縦断した。
25人が参加したトークイベントでは、旅先で撮影した動画や「動物と戦った回数」「ごちそうになった回数」など南米縦断中の出来事を数字で紹介、「ヤギに51キロ追いかけられた」「石につまずいたと思ったらアルマジロだった」「警察官に呼び止められたと思ったら記念撮影を求められた」など旅の合間のエピソードについてトークを展開した。
「朝の4、5時に起きて毎日8~10時間走っていた」と話すいいのさん。「南米は砂漠や山脈などが多く、2カ月間景観が変わらないこともあった。そんな時は『自分、何やっているんだろうな』と笑いながら走って乗り越えてきた」と話す。
いいのさんは東京出身で、2022年に四国八十八カ所を走って回る「お遍路ラン」に挑戦。旅先で遍路を回る人々をもてなす「お接待」を体験し、旅先での人との出会いやその温かさに感銘を受けたという。そこから、トランスアトラスランニングでも遍路に使われる菅笠と白衣(はくえ)を身に着けて走るとともに、香川県でも2023年から毎年、トークイベントを開いてきた。
今年の夏から豪大陸横断ランニングを始める予定だという。「西海岸の町・パースを出発し4カ月で東側のシドニーまで5000キロを走る予定。前半のパース~アデレードは砂漠が広がり不便な旅になると思うがその不便さを楽しみたい。11月に100マイルマラソンがオーストラリア東側で開かれるのでそれには間に合うように走りたい。今回は同行人を付けず1人でリヤカーを引いて走ろうと考えているので一層皆さんの応援が必要。SNSで応援してもらえるのもありがたいことなので遠くからでも見守ってもらえれば」と話す。
トランスアトラスランニングについて「ガイドブックにも載っていないような不思議な景色や現地での人々との出会いなどを、走ることを通じて見せたいと考え走ってきた。一歩踏み込んだ世界をもっと多くの人に届けたい」とも。