名鉄名古屋駅でAIアバター搭載の駅案内実証実験 需要内容を調査

  • 2025年5月14日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 名古屋鉄道(名古屋市中村区名駅1)が5月14日、名鉄名古屋駅 中央改札口でAIアバターを活用した駅構内など案内の実証実験を始めた。(名駅経済新聞)

 コインロッカーやタクシー乗り場など、音声や文字、案内図などで回答

 同実験では、AIアバターが表示されるタッチパネルディスプレー1台を設置。ディスプレー横のマイクに向かって駅構内の設備や周辺施設などに対する質問をするとアバターが音声や文字、案内図などの画像で受け応えを行う。

 対応内容は、コインロッカーやタクシー乗り場、他社を含む鉄道改札の場所、名古屋駅の待ち合わせスポット、名古屋城や犬山城などの観光スポットといった駅構内と周辺の情報案内など。想定問答は約300件を用意し、今後アップデートを行うことで精度向上を図る。乗換案内はディスプレー横に設置する別機器(タブレット)で対応する。回答を用意していない質問には、アバターから謝罪の言葉が伝えられる。言語は日本語と英語に対応する。

 名古屋鉄道技術推進課の小野祐さんによると、同実験はデジタルと案内サービスを掛け合わせた、新しい駅案内のあり方について検討を始める目的で行うもので、従来の駅係員の案内にAIをはじめとしたデジタル技術を加えることで、利用客により安心して駅を使ってもらうことを目指す。

 「集まった質問内容を定量的に把握し、追加・改修する必要がある機能の判断材料として次のステップに生かす考え」と小野さん。広報担当者の大庭浩一さんは「お客さまも駅係員も両方メリットがあり、業務の効率化が図れると考えている。実験することでお客さまが困っていることなども見えてくるのでは」と話す。

 「ディスプレー上の評価ボタンのほか、お客さまセンターを通じて利用者の声を集める。たくさんの人に使ってもらい、さまざまな意見をいただけたら」(小野さん)とも。設置場所の環境の影響、筆談機能などバリアフリー対応なども含め、今回の実証実験で必要な機能を洗い出す方針という。

 小野さんは「将来的には個々のスマートフォンと連携させてAIアバターに質問できたり、利用客向けサポートセンターから遠隔で手助けできたり、多言語対応を増やしたりして、いつでも、どこでも、誰とでも、安定的でデジタルならではのサービスを模索していきたい」と話す。

 実証実験は7月ころまでを予定する。

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