京王電鉄が現在、短編小説を使った体験型企画「『あの駅に願いをこめて』第2話・南大沢編」を展開している。(八王子経済新聞)
駅周辺の町並みが描かれた南大沢編の表紙
「休日ハック」(台東区)との共同プロジェクトで、京王沿線を舞台にした短編小説のシリーズと街歩きを組み合わせた同企画。2023年から昨年にかけて展開した「いつも駅からだった」シリーズに続く第2弾となる。
「あの駅に願いをこめて」は小説家の岩井圭也さんが書き下ろした作品。SNSで流れた「路上で紺色の封筒を拾い、その手紙に書かれている謎を解決すれば願いがかなう」という都市伝説を基に、5人の男女がそれぞれの夢をかなえるため謎に挑戦するストーリーとなっており、昨年11月に第1話となる吉祥寺編を公開した。
3月27日に36ページある小説のうち、21ページ分までを同作品の公式ウェブサイトで公開した。その後、小説を掲載した冊子の配布を始めた。
南大沢編では京王電鉄に技術者として就職して4年目の主人公が、けんか別れの後、失踪した大学時代の同期と再会したいとの願いを持ちながら謎解きに挑む。
実在する駅や店が登場するなど地域性を生かした物語となっており、読み終えた後、主人公の道のりをたどりながら南大沢エリアを探索する街歩きなどを楽しんでもらうことを狙う。岩井さんは「南大沢といえば都立大学とアウトレット…ですが、もちろんそれだけではない。多様な南大沢を楽しんでいただけたら」と話す。
冊子を手に入れた人は、声優の新井良平さんによる朗読を聴けるほか、南大沢駅前の複合商業施設「フレンテ南大沢」(八王子市南大沢2)にあるフードテーマパーク「東京ミートレア」、大型商業施設「三井アウトレットパーク多摩南大沢」(南大沢1)などで利用できるクーポン特典を受けられる。
冊子の判型はA6サイズ。発行部数は3万部。南大沢駅、フレンテ南大沢、三井アウトレットパーク多摩南大沢、啓文堂書店の高尾店・高幡店など12店で配布している。