サイト内
ウェブ

お留守番の子どもはインターフォンに出てもよい? 子どもを犯罪者から守るには

  • 2023年12月27日
  • レタスクラブニュース


企業で冬のボーナスが支給されたり、お年玉のために銀行から現金を引き出したりする年末年始は、とくに犯罪が増えるそうです。となると心配なのが、冬休みに家で留守番をする子どもたち。そして、侵入窃盗から性犯罪に移行することもある、ひとり暮らしの女性です。そこで、パナソニックが行った防犯セミナーに参加して、女性や子どもを犯罪から守るための注意点、撃退に効果的なグッズなどを、詳しく聞いてきました!

▶お話を聞いたのは
防犯アドバイザー 佐々木成三さん

元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。これまで数多くの捜査本部で、被疑者の逮捕・取り調べや捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に従事し、数多くの実績をあげてきた。現在、スクールポリス理事として中高生を対象としたデジタル危機管理の指導を行う。

防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト 京師美佳さん

トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。2002年防犯設備士取得後、防犯ガラスメーカーに勤め、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。2009年、一般社団法人 全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構 理事に就任。

子どもだけの留守番。モニターつきドアホンがあると安心

侵入窃盗事件の手口はじつに多彩になっています。佐々木成三さんによると
「住人がいないときを狙う犯罪者だけでなく、住人がいようがいまいが、とにかく家に侵入さえできればいい、と考える犯罪者も増えています。このため、わざと在宅時を狙って、宅配業者や警察官を名乗り、ドアを開けさせる手口が横行しているんです」
宅配業者を名乗られると、大人でもついだまされてしまいますが、対応するのが子どもであれば、さらに危険性は増します。相手の言葉をうのみにして、簡単にドアを開け、家に招き入れてしまうかもしれません。
「基本は、来訪者には対面せずに応対することです。そのためには、ドアの外の様子が確認できるモニターつきのインターホンが必須となります」


京師美佳さんも言います。
「インターホンはついていても、ピンポンという音が鳴るだけ。モニターどころか、ドアの外にいる人と会話する機能もない、というご家庭はかなり多いようです。犯罪者はインターホンで在宅確認をするので、不在ではないことを示し、かつ家には入れないために、ぜひモニターつきのドアホンを導入しましょう」
 
具体的には、どういうドアホンがいいのでしょうか。

まず、モニターの画像が昼間も夜間も鮮明であること、画像の録画や録音ができて、帰宅後に家族が留守中の訪問者を確認できること。このふたつは必須でしょう。不審な人物の訪問がわかれば、さらに防犯グッズを導入したり、警察に相談するなどして、犯罪を防ぐための対策がとれます。


家に誰もいないとき、外出先からスマホで応対できる機能も重要です。犯罪者に不在だと悟られないうえ、宅配業者など対応が必要な相手とやりとりもできるので便利です。
日頃から子どもだけで留守番することの多いご家庭なら、録画していることを相手に伝え、ドアホンが代わりに対応してくれる機能もあるとうれしい。「録画を開始します。ピーという音の後、お名前とご用件をお話しください」などとアナウンスが流れるので、犯罪者の撃退には非常に効果的です。

「気をつけてほしいのは、家に子どもしかいなくても、モニターつきドアホンであってもなくても、インターホンが鳴ったら応対する、ということです。子どもに『留守番中はインターホンに出ないでね』と教えている親御さんは多いですが、これは危険です。相手が犯罪者なら、誰もいないと思って家に入ってくるかもしれません。子どもと鉢合わせしたらたいへんです。親の不在時にインターホンが鳴ったら子どもに応対させ、『お母さんはいるけど、今、手が離せないからムリだって』などと言うように教えてください。何度かご家族で練習してみるといいでしょう。できれば、スマホとドアホンを連動させ、外出先で親が対応できればベストです」(京師美佳さん)

子どもだけのお留守番について、佐々木さんは別の観点から提案します。
「最近の子どもは『知らない大人と話すな』と言われて育っているので、大人とコミュニケーションを取るのが苦手なようです。でも、大人に話しかけることができないと、いざというとき『助けて』が言えません。危険なこと、どうしたらいいかわからないことがあったら、隣の家に駆け込んで、隣家の大人に助けを求める練習も必要だと思います。子どもがひとりで対応できることは限られているので、信頼できる大人に頼ることも覚えた方がいいのではないでしょうか」


女性のひとり暮らしは「悟らせない」。宅配ボックスも有効

進学や就職で、来春から子どもがひとり暮らしをする予定、というご家庭も多いのではないでしょうか。男性の被害も認知されていますが、とくに「非力で抵抗しない」と思われがちな女性のひとり暮らしは、侵入強盗だけでなく性犯罪の心配度も高まります。
「ひとり暮らしをされる女性は、まず『ひとりである』と悟られないような対策を取りましょう。外から見えるカーテンは、女性らしい花柄などを避け、表札もフルネームで出さないようにします。インターホンでの応対の際、ボイスチェンジャーで声を低くするのも効果的です。スマホを介してさまざまな操作が行える『スマート家電』を活用するのもいいですね。家に帰る前に室内の明かりをつけておけば、犯罪者は『この家はひとり暮らしじゃないんだ』と考えます」(京師美佳さん)


賃貸物件だと本格的なドアホンを導入するのは難しい場合もありますが、ドアの上部に引っかけるだけで使える簡単で手軽なタイプもありますので、ぜひ設置を検討してみてください。
「室内にいわゆる『パニックルーム』、内鍵のかかる部屋をひとつつくるのもいいと思います。日本人は、犯罪者に入られる前の対策はしても、入られた後の対策はしない方が多い。侵入者があった場合、パニックルームに逃げ込んで身を守るのもひとつの手です」(佐々木成三さん)
ワンルームなら、トイレをパニックルームにするのもいいかもしれませんね。

子どもの留守番同様気をつけたいのが、宅配の配達員を装ってドアを開けさせ、侵入しようとする犯罪者です。ネットで買い物をする人が増えている今、この手口が大きな問題となっています。
「コロナ禍で置き配も増えましたが、置き配は盗難の心配があります。在宅であってもなくても、宅配ボックスを利用するのがいいでしょう。そうすれば声も聞かれないですむので、若い女性がひとりで住んでいる、ということを知られずに済みます」


宅配ボックスがあれば、リモート勤務中や、寝起きのパジャマ姿のときも安心ですね。もちろん、子どもだけの留守番のときにも、宅配ボックスの活用は非常に有効です。マンションやアパートに備え付けのボックスがなければ、個人での設置も考えましょう。本格的なものは高価ですが、すぐに使える安価な簡易タイプもあります。モノよりもヒトの安全を優先し、導入してみるといいかもしれません。


モニターつきドアホンや宅配ボックスが守ってくれるのは、子どもやひとり暮らしの女性だけではありません。高齢者世帯を含めた、あらゆる家庭、あらゆる家族です。犯罪の手口がどんどん進化している今、できることから始めてみましょう!


文=高梨奈々

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2016 KADOKAWA Corp All Rights Reserved