コロナ禍の影響で、みんなが換気には敏感になっているここ数年。
わが家でも、夏の猛暑や冬の寒い日々でさえ、こまめに家じゅうの窓を開けて換気を心がけています。
面倒な換気扇掃除だって、汚れが目につくキッチンや浴室のものはやってるから、室内の空気はいつもキレイ…と思っていたところに、ショックな情報が！
三菱電機が行なった調査で、6割もの人が「掃除していない」と回答した換気扇があったんです。そもそも、その存在に気づいていない人が4割も！
それは一体どこの換気扇なのか、掃除しないとどうなるのか。目からウロコの調査結果をご紹介します。
4割が存在に気づかず、6割が「一度も掃除をしたことがない」
三菱電機は、2004 年以降に建てられた家で5年以上暮らしている全国の20 代〜60 代の男女500 人を対象に「24 時間換気システム」（※）に関する調査を行ないました。
その結果、自宅に 24 時間換気システムが設置されていることを「知らない」人が約 4 割 、「24 時間稼働させていない」人も半数近くいました。
さらに、6 割が自宅の 24 時間換気システムの換気扇を「掃除をしたことがない」と答えています。
実は私も、設置はされているんだろうな…とうっすらとは思っていたものの、掃除をしたことがなかったため、この調査結果にはショックを受けつつも興味シンシン！
※2003年に施行された改正建築基準法により、全ての建築物の居室に24時間換気システム等、換気設備を設置することが義務付けられました 。
24時間換気システムの換気扇掃除。日常の掃除はわずか15.4%
三菱電機によると「24時間換気システムは、空気の出入り口を塞いでしまうと換気扇を ON にしていても循環が悪くなり、十分な換気ができない可能性があります。そのため換気扇や換気口周りが汚れないよう、掃除をすることも大切です」とのこと。
そこで、24 時間換気システムの換気扇の掃除について尋ねてみると、「掃除をしたことがある」（40.0%）のは 4 割で、6 割は「掃除をしたことがない」（60.0%）と答え、20 代は73.0% が掃除経験がありませんでした。
さらに、24 時間使用ができていないと答えた人では、85.0%が掃除経験がなしという結果に。
掃除をしない理由を聞くと、「掃除の仕方がわからない」（34.7%）と答えた人が最多数でした。
確かに、どう掃除していいかわからなければ、気にはなってもそのまま…にしがちですよね。
一方 、 掃除をすると答えた人にその頻度を聞くと、「半年に 1 回程度」（28.5%） が約 3 割だったものの、4 割は「1 年に1 回以下」（39.5%）しか掃除をしていないという結果でした 。
掃除の仕方がわかっていても、なかなかそこまで手が回らない！というのが実状のよう。
そもそもどこの換気扇を掃除してる？
掃除に手が行き届いていないことが明らかになった24 時間換気システムですが、室内の他の場所の掃除頻度と比べてみるとどうでしょうか 。
まずは普段の掃除頻度から。
「トイレ」（87.0%）、「お風呂」（84. 8%）、「洗面所」（79. 2%）、「キッチン」（73. 4%）など水回りはよく掃除されていることがわかります。
換気関連では「キッチンなどの換気扇」（19.2%）、給気用・排気用の「換気口」（18.0%）と低く、「24 時間換気システムの換気扇」については、わずか15.4%にとどまりました。
一方、大掃除では「窓や網戸」（58.2%）、「エアコン」57. 2%など普段は掃除しにくい場所が掃除され、「キッチンなどの換気扇」も53.8%が掃除しています。
「24 時間換気システムの換気扇」も 41. 8% が掃除していますが、キッチンなどの換気扇に比べると12 ポイントも低い結果となりました。
やっぱり悲しいくらい、掃除されていないことが明らかに…。
24時間換気システムの換気扇に付けられたフィルターを実測すると…
では、24 時間換気システムが、十分掃除されないとどうなるのでしょうか。
三菱電機の換気扇などを製造する中津川製作所が、24 時間換気システムの換気扇につけられたフィルター（※）に汚れがたまることによる換気効率の変化を測定しました。
※ 換気扇掃除を効率的に行なうために貼り付ける不織布性のフィルターのことを指します 。
すると、新品のフィルターをつけたときと比べ、1 ～ 2 年間放置をしたフィルターをつけたときでは、換気をするための風量が 50％もダウンしているという事実が明らかに！
60 ㎡の室内の空気を入れ替えるのに、新品のフィルターであれば 2 時間で完了しますが、1 ～ 2 年間放置をしたフィルターの場合、2 倍の 4 時間かかるというのですから、確かにこれは半減です。
さらに、換気扇稼働時の騒音は 27 dB から 33 db へ悪化するという結果も明らかになりました 。いずれも日常生活で気になるレベルではありませんが、1.2倍の悪化が見られました 。
住生活ジャーナリストに聞く「住環境を整える換気扇掃除」
快適な生活環境づくりに役立つ24 時間換気システムですが、掃除が十分でないなど本来の機能が生かされていないとしたら、残念ですよね。
そこで、住生活ジャーナリストである藤原千秋さんに、住環境を整える換気扇掃除についてアドバイスしていただきましょう。
「そもそも24 時間換気システム等の換気設備を住居に導入する法改正が行なわれた目的として、十分な換気が行なわれないことによる『シックハウス症候群』の予防がありました。適切な換気が行なわれないことで、身体に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。住居での健康的な暮らしを維持するためにも換気扇掃除は必ず行ないましょう。
具体的な換気扇掃除は、頻度としては「2 週間に1回」程度が理想的です。これからの季節では、10月がおすすめです。
換気には、住まいの床や家電などにたまるホコリを、部屋の空気ごと取り除く効果があります。適切に換気された部屋は汚れにくくなるのはもちろん、異臭やカビ発生のもとになる湿気 を攪拌（かくはん）、循環させたり、 新鮮な外気に含まれる酸素を家の中に取り込むこともできます。このような幅広い観点から換気は暮らしに不可欠といえるのです。
そのためまずはご自宅の『24 時間換気システムの換気扇』 がどこにあるのかを確認することから始めてみてください。換気扇をきれいに保つことで日々の暮らしがより快適なものになるはずです」。
24 時間換気システムの正しい使い方は「常に ON 」 にしておくこと。掃除やメンテナンスをするとき以外はつけたままで、天候や室内の環境による操作をする必要もありません。
気になる電気代についても、使用する環境によって異なるものの、およそ月に数十円 〜数百円程度といわれています。
そして大切なことは、換気扇掃除をマメにすること！
これまで一度も掃除していなかった身としては、反省するとともに、早速次の休日に掃除しようと思います！ 皆さんもぜひチェックしてみてくださいね。
［調査概要］
■調査時期： 2022 年 4 月 22 日（ 金） 〜4月24日（日）
■ 調査手法：インターネット調査
■ 調査対象：2004 年以降に建てられた家に、5 年以上住んでいる全国の20 代〜60 代の男女500 人
■ モニター提供元：GMO リサーチ株式会社
※構成比（％）は小数第２位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が 100 とならない場合があります。
文＝岸田直子
