もし我が子が「いじめ」にあってると解ったら、あなたならどうしますか?
からかい、無視、SNSでの悪口、暴力……いじめなのかどうか判別しがたい陰湿なものから、身体的な被害のあるものまで、その内容はさまざまです。
自分が直接被害に遭うのもつらいですが、大切な家族がその被害にあうのは、もっと心が痛むという方も少なくないかもしれません。
今日は小学校に入学したばかりの1年生の娘さんがいじめに遭った、イラストレーター・漫画家のちくまサラさんの事例をご紹介します。
ちくまサラさんの実体験
学童では鬼ごっこで自分ばかり鬼をやらされるから嫌だ…とこぼしていた、ちくまさんの娘のムーコちゃん。ちくまさんは「特定の子に意地悪されてるわけでなければ…」と気がかりながらも様子を見守っていました。
そんなある日、明らかに様子がおかしいムーコちゃんが、「学童で意地悪された」とその日の出来事を話し始めました。ムーコちゃん以外の子全員が集まって、ムーコちゃんの嫌いなところを一人ずつ順番に言ってたとのこと。先生も気がついて注意してくれたとのことですが、その日が初めてではなく同じことが3〜4回あったとのこと。
ちくまさんはさっそくパパにも報告し、学童の先生にもLINEで報告を入れることにしました。ムーコちゃんから聞いた話を説明し、「しばらく注視してほしい」「もし問題があるなら教えて欲しい」「悪口や陰口はいけないとできれば皆に話してほしい」と書きました。
感情的にならず、先生には感謝の言葉も添えて…と丁寧に文章を作成しながらも、ちくまさんは涙が止まりません。
月曜日、さっそく学童の先生から連絡があって面会して話を聞くと、3年生のA子ちゃんが1〜2年生の子を集めて指示していたとのこと。
その様子に気づいた先生は黙っていられずA子ちゃんに注意をしてくれたそうです。学童の先生も子どもたちの様子をよく見ていてくれていたようで、ムーコちゃんの鬼ごっこの時などの行動についても丁寧に教えてくれました。
学童の先生の丁寧な対応もあって、その後、A子ちゃん主導の悪口大会はもう開かれなくなったということでした。ちくまさんも子どもの変化からすぐに行動を起こしたことで、学童の先生ともうまく連携でき、A子ちゃんのいじめがエスカレートする前に手を打つことができたようです。
『いじめのサイン』にはどんなものがある?
ちくまサラさんの場合はムーコちゃんが話をしてくれたのですぐに気づくことができましたが、必ずしも親にすぐに報告してくれる子どもばかりではありませんね。
文部科学省の「いじめ対策Q&A」によると、『いじめのサイン』には次のようなものがあるそうです。
・元気がない
・遅刻しがち、欠席しがち
・体調不良を訴える
・服が汚れている
・靴の跡がついている
・持ち物がなくなる、壊される
・落書きされる
これらの子どものサインに敏感になり、見逃さないこと、そして子どもがちょっとしたことでも話ができるような雰囲気をつくっておくことが大切です。
また、ちくまさんのように、すぐに家族や学校と情報を共有すること、学校やいじめっ子への対応にも感情的にならないよう気をつけることが大切です。なにかあったときは冷静かつ迅速に対応するようにしていきましょう。
イラスト=ちくまサラ 文=レタスクラブ編集部E