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子どもと親との間でルールを決めたら、ちょっと気持ちがラクになった話

  • 2022年1月18日
  • レタスクラブニュース


お弁当箱は自分で洗うのがルール。できるだけ子どもにまかせ、親がやりすぎないようにしています


日々、気持ちよく暮らしたいから、自分自身がキャパオーバーにならないように予定を「なんとなく詰め込みすぎない」を心がけている私ですが、それは今だから言えること。娘たちの小学校入学前までは、そんなにうまくいかなかったなぁと思います。今でこそ、子どもにまかせられることはできるだけまかせよう、あえて言わないで見守ることが大事、と思えるようになりましたが、とくに長女が2、3歳のころは結構な『先回り母』でした。その証拠に、当時撮ったビデオを見返してみると「そこ危ないよ!」「こっちを通って」「ちょっと止まって。転ぶよ!」などと長女に話しかけている私の声が残っているのです。

今になって冷静に見ると別にたいして危なくないし、止まらなくても転ぶような段差じゃないのですが、そのときは第一子の子育てに私が必死で、自分でも無意識のうちに『先回り母』になっていた気がします。ビデオに映る長女の様子を見ても、「よくわからないけど、お母さんに言われたから止まる」という様子がよくわかり、転ぶと危ないから止まっているようには見えません。「多少危なくても転んでみて『痛かったから次は転ばないようにしよう』と娘が自分で気をつけたほうがいいのに」と今なら思えるのですがね(苦笑)。先回りの理由としてはほかに「わが子は私がきちんとしつけなければいけない」と思い込んでいたり、周りの人に「しっかりしつけをしている母と思われたい」という要素もありましたね。ビデオを見ながら「あ〜、長女に対してはたしかに過保護で過干渉だったよね」と夫とつぶやき合ったりしています。  

ところが不思議なもので、3歳下の次女となると、長女のときと比べて驚くほど自分の心に余裕があるんですよね。子どもがふたりで育児が大変だったこともありますが、次女が失敗してもそんなに気にならないし、長女ほどその一挙手一投足に目がいくこともありません。いちいち言わず「できることは自分でやってね」と言い続け、やらせたおかげか、次女はまだ小3ですが、身支度は勝手にやって勝手に出かける感じになっています。ときどき「私の子育てはほぼ終わったんじゃないか?」と錯覚するくらいラクだったりします。

長女は中学生になり、お弁当を持っていくようになりました。わが家のお弁当ルールは、①「朝、お弁当を作って詰めるのは母」②「帰宅後、お弁当箱を出して洗うのは子ども」といたってシンプルです。しかし、「いつまでたってもお弁当箱を洗わない」「翌朝になってもまだ出さない」ことがときどきあり、「もしやお弁当箱の存在、忘れてる?」とモヤモヤします。でもぐっとがまん。言わないのも子どものためだし、子どもがやる前に私が先回りしないと決めました。ちなみに③「母が朝起きてくるまでにお弁当箱が洗われていない場合は、自分のお小遣いで、コンビニか学食で昼食を買う」というのもルール。実際そういうことも数回ありました。

長女がお弁当箱を出さないのは、失敗と呼ぶほどのことではないかもしれません。

でも、こういう小さなミスも含め、娘たちがこの家にいる間はたくさん失敗していい、失敗することで気づくことがたくさんあるから、と今は思っています。「私が指図しないで子どもにまかせればいい」と思えるようになったら、だれよりも私自身がラクになった気がします。

とはいえ、どうしたって子どもに手がかかる時期があって、そういう時期は親は大変ですよね。私も娘ふたりを保育園に連れて行った雨の日、雪の日、荷物が多い月曜日や金曜日の行き帰りのことを思い出すと、「われながらよくやった」と自分をねぎらいたい気持ちになります。小さなお子さんをお持ちの保護者のみなさん、親がなんでもやらなくちゃいけない物理的な時期はいつか終わりがきますから、どうぞほどほどにがんばってくださいね。

シンプルライフ研究家 マキ


不要なものは持たない「シンプルライフ」を通して、心に余白をつくる提案をする。雑誌やテレビなどで発信や講演活動も行なう。著書は『なくす家事』(小社刊)はじめ12冊。夫と中学生、小学生の女の子の4人家族。オンラインサロン「シンプルライフ研究会」主宰。

撮影/林ひろし 編集協力/宇野津暢子 デザイン/河村かおり(yd)

文=レタスクラブ編集部

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