アルバルク東京(以下、A東京)が5月10日、千葉ジェッツ(同、千葉)とチャンピオンシップ(CS)準々決勝初戦を迎えたが53‐78で敗れ黒星発進となった。(シブヤ経済新聞)
速攻からダンクを決めたライアン・ロシター選手
レギュラーシーズンを勝ち抜いた上位8クラブが出場し、2戦先勝のトーナメント方式で戦うCS。中地区2位で進出したA東京の初戦の相手は、東地区2位の千葉。今季はレギュラーシーズン天皇杯の3試合をA東京が全勝していた。
第1クオーター(Q)から「主導権を握られた」(デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC))この日。セバスチャン・サイズ選手のリバウンドからの得点で先制するなど、立ち上がりから強みとするオフェンスリバウンドを取るシーンが見られるが、思うように得点につながらない。第1クオーター(Q)終盤3分強得点を決めきれず、千葉のシューターに「得意なプレーをやらせてしまった」(アドマイティスHC)と失点が重なり8‐23とビハインドを負う。
第2Qは、千葉に難しいシュートを打たせる場面が増えリバウンドからの速攻でライアン・ロシター選手がダンクを決めるなど、好守を得点につなげる。攻撃では「やらなければならないことだ」(アドマイティスHC)と積極的にリングへアタックする姿勢を見せ、そこからのパスで「チームを助けたいという気持ちがあった」というレオナルド・メインデル選手が3ポイント(P)シュートを決めたほか、大倉颯太選手のノーマークの3P、ザック・バランスキー選手の身長差を突いたゴール下などで、一時8点差に詰め寄る。守り合う展開となる中、千葉に高確率で3Pシュートを許し26‐39で前半を折り返した。
後半立ち上がりはゾーンディフェンスでシュートをブロックするなどミスを誘う場面も見られたが、ガード陣のインサイドへのアタックや、ダブルチームに対してパスを回されシュートを許すなど千葉の得点を抑えきれない。スティーブ・ザック選手はリバウンドからダンクを決め、フィジカルを生かして千葉のファウルを誘発するなどゴール下で強さを見せた。最終Qには、安藤周人選手や小酒部泰輝選手にも3Pシュートが生まれるが点差を詰められず敗れた。
「得意とする3Pシュートを打たせないことが最も重要」と臨んだが約54%と高い確率で許したことに加えてインサイドへのアタックを許す場面も散見した。アドマイティスHCは「ヘルプのローテーションが一貫していなかった。1対1のディフェンスで3Pシュートを消し、ドライブをさせるならチームメートを信じてローテーションして、ディフェンスからから良いオフェンスにつなげたい」と話した。得点が伸び悩んだ原因については「フィジカルコンタクトでレイアップを決めきれず、無理なシュートを打たされた」ことを挙げ、22本と強さを見せたオフェンスリバウンドは評価しつつ「その前にシュートを決めなくてはいけない」と指摘した。
11日に2戦目を戦う。メインデル選手は「今日はCSの試合ではなかっが、それを吹っ飛ばすようなエネルギー強い気持ち、細かいところに集中してアルバルクらしいプレーで勝利したい」と意気込み、アドマイティスHCは「今日はもう帰ってこないので、後悔しないように戦う姿勢を全面に出してほしい。崖っぷちなので全て出し切って、3戦目につなげてほしい」と期待を込める。