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東京オリンピック・パラリンピックの表彰台、何の素材でできているか知っていますか?

  • 2021年6月9日
  • レタスクラブニュース


6月3日、東京2020オリンピック・パラリンピックで使用される表彰台が発表されました。表彰式でメダリストたちが立つ表彰台は、東京2020大会のロゴデザインにある「組市松紋」を立体的に取り入れて、落ち着いた藍色の美しいデザインに仕上っています。

さて、突然ですがクイズです。この表彰台、何の素材で出来てると思いますか?



これ、実は身近にある意外な素材でできているんです。
正解は「使用済みプラスチック容器」。

シャンプーやコンディショナー、台所用洗剤や洗濯用洗剤、消臭剤などのプラスチックボトル、詰替え用製品のパッケージなど、私たちが日常的に使用しているプラスチック製品を回収して、こちらの表彰台が作成されました。
合計24.5トンも集められたプラスチックごみから、オリンピック・パラリンピックで使われる98台の表彰台が作られています。



これらのプラスチックごみは、国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナー、および東京2020パラリンピックのゴールドパートナーであるP&GグループのP&Gジャパン合同会社が、「みんなの表彰台プロジェクト」として9ヶ月間かけて回収したもの。
全国のイオングループ店舗に回収ボックスを設置していたので、実際にプラスチックごみを持ち寄って参加した方もいらっしゃるかもしれませんね。



全国113校の学校にも回収ボックスを置いてプラスチックごみの回収を実施。子どもたちもプラスチックごみの現状やリサイクルについて学ぶきっかけになったようです。「自分が持ち寄ったプラスチックごみが表彰台に生まれ変わる」と思うと、再利用後のイメージが具体的に思い描けて、ごみの分別への意識も高まるのではないでしょうか。



また、表彰台の正面に飾られている東京2020オリンピック・パラリンピックのマークについても、東日本大震災の被災地に建てられた仮設住宅のアルミ廃材を再利用しています。

表彰台をデザインしたのは、東京2020オリンピック・パラリンピックのエンブレムのデザインを手掛けた美術家の野老朝雄氏。表彰台のデザイン発表によせて、次のようにコメントしています。
「この工法と成り立ちに誇りを持っています。表彰台の設計時はパンデミック前の世界でした。 今いっそう分断の実在をふまえた[接続]の可能性と希望という主題に前向きに考え続けていきたいと考えています。未来へのバトンとなることを望んでいます」



この「みんなの表彰台プロジェクト」の発表から完成までに密着した動画もYouTubeにて公開されています。使用済みプラスチックを再利用した表彰台は、大会史上初の試み。動画では、このプロジェクトに参加した人々の想いや、製造に携わった方の技術についてレポートしています。

ふだんプラスチックごみとして何気なく捨てているものが、晴れ舞台でアスリートとともに全世界に中継されると思うと不思議な感じがしますね。SDGsで持続可能な開発目標が掲げげられている今、こんな形でもプラスチックごみ再利用の取組が行われていることを知っていただければと思います。

【文/レタスクラブ編集部】

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