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うちの子、間違いや失敗が多いのはなぜ? 「見守る」子育て(4)

  • 2021年1月28日
  • レタスクラブニュース



「子どもには少しでもいい人生を歩んでほしい」と、親であれば誰しも願うもの。
先の見えない時代を切り拓く子どもたちが、幸せを掴むために必要なのは、自分への理解に基づいた判断基準、すなわち自分軸です。
30年間教育に携わる教育家であり、「見守る子育て研究所」所長の小川大介氏による2021年1月刊行の新刊『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』から、自分軸を伸ばす子育てのコツをピックアップしてご紹介します。

※本作品は小川 大介著の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』から一部抜粋・編集した連載です

失敗をポジティブなものと感じさせる

自分で学べる力というのは、かなりの部分を「失敗から学べる力」が占めています。

◆あれできないぞ? →どうしてだろう? 点検しよう、考えよう、質問しよう。
◆あれ知らないぞ? →なんだろう? 調べよう、覚えよう。
◆あれわからないぞ? →質問しよう、調べよう、もう一度考えよう。

うまくいかない、わからない、と気づくことによって、学びの機会が生まれてくるからです。失敗して、それに気づくことが「成長」につながるのです。

しかし子どもは、基本的にうまくいくとわかっていることしかやりたがりません。
うまくいかなそうなことを怖がったり避けたりしがちです。ですから親としては「間違ったり、失敗したり、うまくいかなかったりすることって、すごくいいことなんだよ」という思いを、子どもにぜひ伝えていきたいものです。
このメッセージは子どもに言い聞かせるというより、親自身が失敗したときに「間違えちゃった、チャーンス!」といった受け止め方をすること、その様子を子どもに見せることで、自然と受け継がれていきます。

ですが、今の親御さんの多くは、ご自身が「間違いたくない、失敗したくない」という思いを持っていらっしゃるようです。特に女性にその傾向が強い印象です。
これも仕方がないことで、親世代の女性の多くは、長所をどんどん伸ばしてもらうよりも、できるだけ人に迷惑をかけず、人と違うことをせず、「ちゃんとしなさい」と言われて育ってきた方が多いからです。「失敗はよくないこと」と刷り込まれてきた世代なのです。

ですから、お子さんに「失敗から学べる力」を授けるには、まずは親御さん自身が、「失敗を怖がっている自分」に気づくことが大切です。自覚できていれば、いざお子さんがうまくいかなかったときも、感情に振り回されすぎず、「そこから学べば大丈夫だよ」と落ち着いて声かけできるようになっていきます。

■「できていること」がたくさんあるから、失敗が目立つ
そもそもなぜ子どもの間違いや失敗が目につくかというと、それだけ「できていること」が多いからです。
「できること」が増えると、その分だけまた「できないこと」「わからないこと」が見つかります。親も見つけてしまいますが、子どもも見つけます。
時には、「あんなに頑張ったのに、まだできないことがある。じゃあやっても意味なーい!!」と受け取ることもあります。
「できないことがまた見つかったっていうのは、成長した証拠なんだよ」と、教えておいてあげるといいですね。

親御さんが間違いや失敗をポジティブにとらえても、お子さん自身が怖がってなかなか先に進めないときは、伝え方を工夫してみましょう。
「確かに、失敗するのは嫌だよね。嫌だという気持ちはとても自然なことだと思うよ。でもお母さん(お父さん)は、あなたが今回うまくいかなかったことを、次につなげる力を持っているって知っているよ。大丈夫」と。
失敗は嫌な気持ちになって当然、と受け止めたうえで、それでも大丈夫と声をかけ、応援してあげてください。

■【まとめ】失敗こそ成長のチャンス


「できること」が多いからこそ、失敗は目立つ。「できないこと」が出てきたら、成長するチャンスだとポジティブに考える

著=小川 大介「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」(KADOKAWA)


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