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猫が体をなめるのはなぜ? 猫に好かれる人は? 目からうろこの猫トリビア

  • 2020年12月16日
  • レタスクラブニュース



猫は犬に比べて気まぐれで、不思議な行動をとることも多いですよね。そんなミステリアスなところも猫の魅力ですが、じつは気分屋なのには理由があって、ひとつひとつの行動にもきちんと意味があるのです。
猫好き一家の暮らしを通じて、猫の心理や生態、さらには歴史やお世話の仕方まで学べる書籍、『猫のヒミツ』(KADOKAWA)。マンガを手がけたのは、『ねことじいちゃん』(KADOKAWA)、『まめねこ』(さくら舎)などで知られ、「ねこマンガ界」ではその名を知らぬ人がいないというねこまきさん。監修は東京猫医療センターの院長で、猫医療の第一人者である服部幸氏が務めています。マンガはほのぼのしていてユーモラスですが、解説文は最新の獣医療や動物行動学、ペット栄養学などを根拠にしていると話題です。今回は特別に、そんな『猫のヒミツ』(KADOKAWA)から、3つのヒミツをご紹介します!




猫がワガママなのは当たり前!



■気まぐれだからこそ猫は生き残ってきた
猫の性格といえば、気まぐれ、マイペース、クール。ちなみに犬は忠実で我慢強く、両者は対照的な性格といえるでしょう。

猫がこういう性格になったのには、理由があります。ネコ科の動物は(ライオンを除いて)基本的に単独で生活します。どこを縄張りにするか、いつ狩りをするか、どれだけ休息するか、生きるために必要なことはすべて自分で決めるそう。だから相手の顔色をうかがう必要なんてない!のです。

一方、犬はもともと集団で生活する動物で、狩りもチームワークを生かして行います。それぞれ好き勝手に行動したら狩りが失敗してしまいますし、そもそも群れる意味がなくなります。だから意思決定を行うリーダーが必要で、ほかの犬はそれに従う必要があるのです。これって、人間の社会と似てますよね。犬が比較的しつけをしやすいのは、それが必要な社会で暮らしていたからかも。

一方、猫は人間だと〝はみ出し者〞といったところでしょうか。でも、自然環境で暮らす動物たちは、365日が生存競争です。単独生活者の猫が「あいつのために我慢しよう」「あの猫には従わないと」なんて考えていたら、生き残れるわけがありません。猫は〝自己チュー〞だからこそ、今日まで生き延びることができたのです。そう考えると、猫のワガママはかわいいだけでなく、しっかり実利があるんですね!



猫は飼い主に冷たい態度をとることもあれば、急に甘えることもありますが、これはもともと単独生活を送っていたことが関係しているそう。群れないから、相手の顔色をうかがったり空気を読んだりする必要なんてない……。そのときの状況や気分で、最適な行動をとっているというわけです。


暇さえあれば毛をなめるのは意外な理由があった



■暇さえあればペロペロ体をなめるのは?
体の隅々までていねいになめる、寝起きに少しだけペロペロ、食後に顔をゴシゴシ。猫ほどひんぱんに毛繕いをする動物は、いないといっても過言ではないでしょう。

猫がこまめに毛繕いをするのは、待ちぶせ型のハンターだから。体臭が強いと獲物に自分の存在がバレやすいため、いつも体を清潔にしているというわけです。ちなみに猫の舌のザラザラは「糸状乳頭」」と呼ばれ、ブラシのように汚れや抜け毛を効率的にり除きます。ただ、首や顔の周り、後頭部などは舌が届きにくいので、飼い主さんがブラッシングしてあげましょう。

猫のふわふわした被毛は、ケガを防ぎ、寒さからも身を守ってくれます。半面、暑いときは体温調節の妨げに。毛繕いをすることで体毛に唾液が付着し、蒸発するときに発生する気化熱が多少体温を下げるといわれています。

毛繕いには︑猫の心を落ち着かせる効果も。たとえば飼い主に叱られたときや、ほかの猫とのケンカ中に体をなめ始めることがあります。これは「転位行動」と呼ばれていて、無関係な行動をとることでストレスをまぎらわせていると考えられています。

ただし皮膚病でもないのに脱毛するほど毛繕いをするなら、生活環境に問題がある可能性大! 獣医師に相談のうえ猫にとって何がストレスなのか見極め、環境を改善する必要があります。



ひんぱんに毛繕いする猫を見て、なぜそこまで体の手入れに時間をかけるのか不思議に思ったことはありませんか? じつは、猫の毛繕いは気化熱を発生させて体温を下げたり、ストレスをまぎらわせたりする効果もあるのです。


猫に好かれるのは“猫かわいがり”をしない人



■“ 猫かわいがり”するとウザがられる! ?
飼い主さんからすれば、とにかくかわいい猫。

なでたり抱っこしたりしたくなる気持ちは、よ〜くわかります。でも、ひんぱんに猫とスキンシップをとれば絆が強まる、とは限りません。猫によってはかまわれすぎるとストレスになることもあるのです。

大切なのは猫のペースを尊重してあげること。自分から行くのはほどほどにして、猫が甘えてきたときにかわいがるのがオススメ。ただし、なですぎると「気持ちいい」が「不快」に変わり、噛みついてくることも。シッポを左右に振ったり耳を左右に寝かせたりするのはストレスサインなので、それが出始めたらかまうのはNG。

猫にモテやすいのは、意外と猫をあまりかまわない人です。初対面の猫にいきなり近づいたら警戒されるのは当たり前。まずは自分が害のない存在であることを知ってもらいましょう。猫のことをあえて気にせずにいると、逆に猫のほうから寄ってきてくれることもあります。

やってはいけないのが、おびえたり威嚇したりしている猫を〝安心させようとして〞なでること。猫からすると「近づかないで!」という気持ちなので逆効果です。猫が落ち着くまで手出ししないようにしましょう。これは警戒心が強い猫を飼うときも同様。早く仲良くなろうと強引にスキンシップをとるのは、猫にとってストレス。淡々とお世話を続ければ、少しずつ心を開いてくれるはずですよ。



田舎で暮らすおじいちゃんとおばあちゃん(たつおパパの両親)は、愛猫・サバからとっても好かれていることがひと目でわかります。その理由をたつおが探ると、猫をかまいすぎていないことが判明。猫がかわいいあまり、何度もなでたり抱いたりすると、ストレスを与えてしまうこともあるそうなので、猫のペースを尊重することが“猫モテ”の秘訣なのでしょう。

猫のヒミツを知ることで、猫がより愛おしくなるし、猫との関係を深めるきっかけにもなるはず!ぜひ参考にしてみてくださいね。

文=奥田直樹

【著者プロフィール】
ねこまき(ミューズワーク)
2002年より名古屋を拠点にイラストレーターとして活動を開始。コミックエッセイをはじめ、犬猫のゆるキャラマンガ、広告イラストなども手がけている。
著書には、実写映画化された『ねことじいちゃん』シリーズ、『ねこアンソロジーコミック ねこといっしょ ニャつらの傾向と対策』(KADOKAWA)、『まめねこ』シリーズ(さくら舎)、『トラとミケ: いとしい日々』シリーズ(小学館)など多数。

【監修者プロフィール】
服部 幸
東京猫医療センター院長、獣医師。動物病院勤務後、2005年より都内の猫専門病院の分院長を務める。12年に「東京猫医療センター」を開院し、13年には国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定される。

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