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家にいるとYouTubeばかりの息子。歯止めをかけるにはどうしたら?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

  • 2020年10月21日
  • レタスクラブニュース
Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第46回目のお悩みはこちら。




【お悩み】


小学2年の息子はYouTubeが大好き。朝は早起きしてまで登校前に30分は見ているし、夜は夜で毎日1時間は見ています。休みの日などは放っておくとずっと見続けてしまうので、しょっちゅう止めに行かないといけない始末。何度も同じことを注意していて、こちらもストレスを感じています。宿題は言えばやるし、公文などの習い事もがんばっているし、外遊びでも夢中になれる子ではあるので、大丈夫かなと思う反面、家にいるとずっと動画漬け状態なのはやはり心配です。

おまけに、自粛期間中ずっと家にいたことや、夏休みもあまり遊びに行けなかったこともあり、さらにどっぷり動画にハマってきています。おそらく最初に仕組み作りをしなかったのが失敗だったとは思うのですが、どのようにすれば動画の見過ぎに歯止めをかけられるようになるでしょうか?(いずみさん・39歳)

【小川先生の回答】


■YouTubeには “時間の区切りがなくなりやすい”特性が

YouTubeを見続けてしまうお子さんって今ものすごく多いようですね。何がそんなに面白いのか気になって、息子が見ていたYouTubeチャンネルを僕もこっそり見てみて気づいたのですが、あれは近所のお兄ちゃんと遊んでいる感覚なんだと思います。多くの場合、何か特別な世界、特別な技能を持っている人たちではなく、その辺にいそうな普通の人たちがやっていますよね。昔でいうところの“公園に行ったら近所のお兄ちゃんが遊んでくれて、知らない遊びを教えてくれた”というのと似た感じなのでしょう。だから、見るのに身構えることもないし、自然体で楽しめる。

気軽に楽しめるのはいいところではありますが、コンテンツとして、深く勉強になったとか、悩みが解消したとか、そういう達成感はあまりありません。達成感がないということは、完結した思いにもなりにくいということ。だからいくらでも続けられてしまい、時間の区切りがなくなりやすいのだと思います。そういう危険性があるので、時間の枠というものは家庭内でしっかり決めておく必要はあります。

■なぜダメなのか親の気持ちを言葉にして伝える

ルール設定にあたり重要なのは、なぜ時間の枠を設定するのかその理由をしっかり言葉にして伝えること。“ダメなものはダメ”というのが一番よくない伝え方です。何をダメだと思っているのか、親の思い、考えを伝えてあげてください。

「ずっと見続けていると目が悪くなるし、体にもよくないから、1回につき30分まで、1日トータルでも1時間半までにしよう」というように、まずは健康上の理由が挙げられると思います。

また、ダラダラ見続けるという無計画に生きている感じが嫌なのであれば、それも言葉にしてしっかり伝えたほうがいいですね。時間の枠は守ってもらったうえで、「いつ見たいかはあなたが決めていいけど、『何時から見る』というのは先に報告してね。見たくなったら見るというのは嫌だな」と自分の気持ちを伝えるようにしましょう。

もしかしたら子どもには子どもなりの考えや意見があるかもしれません。そうしたら、その意見もちゃんと聞き、話し合いながら決めていきましょう。もう2年生なので、そういう会話もしていくべきです。話し合いながら決めたほうが子どもも納得できると思います。

■子どもが自分で取り組めるメニューを増やす

ひとつ気になったのは、家で取り組めるメニューがYouTube一択になっているのではないかということ。家にいるとYouTubeばかり気になるということは、言い換えればそれ以外に自分が取り組めるメニューが少ないということです。ですから他の選択肢を増やしてあげることにも取り組んでみましょう。

図書館で面白そうな本を探したり、公文をされてるということなので、「時間あるからどんどんやって、4年の内容まで行っちゃおうよ」と盛り上げてみたりなど、やれそうなこと、楽しめそうなことを一緒に探してみる感覚がいいですね。

おそらく時間の埋め方がわからないから、それの使い方を知っているYouTubeにいってしまうのだと思います。取り組めるメニューを増やせば、YouTube漬けも改善されていくと思いますよ。

回答者Profile


小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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