日常生活でよく使われるカイロや乾燥剤など、一見無害なアイテムも正しい処分方法を知らないと環境や安全に悪影響を及ぼす可能性があります。今回は改めて知っておきたい、カイロ、乾燥剤、マッチ、食用油の4つのモノの捨て方をご紹介。意外と知られていないこともあるので、一緒にチェックしていきましょう!
使い捨てカイロは、実は各自治体により分別の仕方が異なります。なんとなくで燃えるゴミに出してはいませんか?
カイロの中身には鉄粉が含まれているため、地域によっては燃えないゴミや金属ゴミとして扱われることもあります。カイロを捨てる前には、必ず自分が住んでいる地域のゴミの分別ルールを確認しましょう!
なお、未開封のカイロを捨てる時には、一旦開封して、発熱させてから捨てるのが安心。捨てる前には、冷蔵庫や下駄箱に入れて、消臭剤、除湿剤として活用する方法もあるので、上手に有効活用してみてくださいね。
※写真はイメージです(石灰乾燥剤ではなく脱酸素剤です)。
食品などに入っている乾燥剤にはいくつか種類がありますが、その中でものりやおせんべいなどに入っていることが多い『石灰乾燥剤』は取り扱いに注意が必要です。石灰乾燥剤は、湿気を吸収してくれる便利なアイテムですが、中に入っている生石灰は水に濡れると化学反応を起こして発熱します。
そのため、水分を含むものと一緒に捨てるのはNG。まわりに燃えやすいものがあると、発火する恐れがあるためです。
石灰乾燥剤を捨てる際は、なるべくポリ袋などに入れ、水分に触れることがないようにしてから捨てると安心!万が一、水に濡れてしまった場合は、まわりに燃えるものがない安全な場所で乾燥させてから捨てるようにしましょう。すこし手間はかかりますが、安全が第一です。
未使用のマッチや花火をそのままゴミ箱に捨てるのは非常に危険です!マッチの頭部は、わずかな摩擦や熱で簡単に発火してしまうためです。実際に、2022年7月には豊中市伊丹市クリーンランドの可燃ごみ処理施設内で、大量のマッチが原因で発火が発生しています。
捨てる際は、必ず全量、使い切るか水に濡らして火がつかない状態するのがポイント。水に通すだけでは、足りないので水を入れたビニール袋の中にマッチ棒を入れて、一晩水に浸しておくと安心です。
水に浸し終えたら、しっかりと水気を切って捨てます。ささいなことですが、意識するのとしないのとでは事故の発生率が大違いです。地域全体の安全を守ることが、身の周りの人を守ることにも繋がります。
使用した食用油は、普段どのように処理していますか?自治体によっても異なりますが、食用油の捨て方には主に廃油として回収してもらう方法と、燃えるゴミとして処分する方法があります。
回収してもらう場合には、もともと油の入っていた容器やペットボトルに入れて、回収場所へ。燃えるゴミとして処分する場合には主に以下のような方法があります。
・市販されている油凝固剤を使用して、燃えるゴミに捨てる。
・新聞紙などを入れたポリ袋や紙パックに、冷ましたと油と水を染み込ませて封を閉じ、燃えるゴミに捨てる。
油を染み込ませて処分するときは、必ず水を十分に染み込ませなければいけません。動植物油は、空気中の酸素に触れると、酸化反応により発熱する特徴があります。そのため、油のみを可燃物に染み込せて、放熱の悪い状況で放置すると、最悪の場合、発火する恐れ場合も…。実際に、マッサージオイルを多く使用するエステ店などでは、油の付着したタオル等が原因で自然発火した火災が発生しています。
水を染み込ませることはもちろん、なるべく早く燃えるゴミに出すことも大切です。気温の高い夏場などは、そのままにしておくと発熱して自然発火する場合があります。
また油が付着したタオルを乾燥機に入れるなどの行為もNGです。乾燥機の注意書きにも書かれていますが、マッサージオイルや動植物油、機械油などが付着した衣類、タオル類は、洗濯後でも絶対に乾燥機で乾燥しないようにしましょう。
日常生活で使うカイロや乾燥剤、食用油など、普段何気なく処分しているものでも、すこしやり方を間違えると事故を起こす可能性があります。それぞれの自治体で発行されている案内にも、ルールと正しい捨て方が記載されているので、改めて見直して正しいゴミの処分を心がけましょう。一番危ないことは知らないことと思い込みです…!