現役のアパレルショップ店員でありながら、役者としてドラマ、映画、舞台で活躍するゆうたろうさん。前編では、学生の頃のお話しや先輩後輩との関係性についてインタビュー。後編では、25歳を迎えた今だから考える、これからの目標について語っていただきました。
――25歳になって変化したことはありますか?
感覚として変わったなと思うのは、花とか絵とか自然とか、そういうものに価値を見出すようになりました。
今まで花とかまじで興味なくて(笑)、現場で花をいただいても母にあげていたんですよ。でもそれも今では、花瓶を買って自宅に飾るようになりました。いただくだけじゃなくて自分でも花を買ったりとか、散歩しながらお花畑を見たりとか、これが年をとるということか、みたいな(笑)。
絵にも興味がなかったんですけど、最近、素敵な画家さんを知って絵に興味が出ました。絵はその方の生き写しみたいなものだと思うようになって、そこから美術館に行ったりとかして、初めて絵を買いたい、絵にお金を払いたくなっています。
その画家は北村直登さん。知ったきっかけはYouTubeのショート動画とかなんですけど、大分県在住の方で、いつか個展に行ってみたいと思っています。
――新しい感覚を掴んで素敵な25歳のスタートを切ったゆうたろうさん。これからの目標を教えてください。
そもそも、芸能界行くぞー!みたいな気持ちでこの世界に入ったわけではなくて、あるきっかけをいただいて、本当にぽっと出の気持ちで出たらいつの間にか8年が経っていました。
やりたいことはないけどとりあえず入ってみようかと言われてわかりましたって今の事務所に入り、何をするかわからないままいつの間にか役者をやっていて。僕みたいなタイプは珍しいと思いますが、でも自分のいいところだと思うのは、やってみなっていうきっかけを渡されたら全部やれちゃうし、楽しめちゃう。
今後も、こういう仕事をしませんかと依頼をいただけるのであればなんでも挑戦したい。可能性は自分の中で秘めていたいし、それを常に広げていきたいと思っています。
ただ、以前はイエスマンだったんですけど、「今はこういうことは多分しなくていいのかな」と思うこともあって。そういうときは周りと相談しながらきちんと選んでいこうとは思っています。それは自分を守るためにも大事なことだから。そこの感覚的なものは持つようにして、この世界にいるかぎりは皆さんの前に出られるようにいたいです。
原宿でたまたま声をかけてもらってから8年間もこの仕事ができていることを、自分で褒めたいです。
役者なんてやるとも思っていなかったのに、人生はおもしろい。だから、これまでを受け入れて自分を肯定してあげていれば、求められなくなることにあまり不安は感じないというか。そのときはそのときだなって覚悟はしています。
そうなったら事務所はクビになると思うんですけど(笑)。
ゆうたろう●1998年生まれ、広島県出身。中学卒業後、アパレルショップ「サントニブンノイチ」大阪本店で働き始める。2016年に"かわいすぎる美少年"モデルとして芸能界デビュー。その後は役者として精力的に活動し、映画化もされた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』や、『来世ではちゃんとします』『全ラ飯』『なれの果ての僕ら』など話題のドラマに出演。2022年公開の映画『僕らはみーんな生きている』では主演を務めた。2023年11月19日(日)・23日(木・祝)にはトレインライドシアター『このレールはドラマチック』に出演予定。
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/山下光理 取材・文/片桐理恵(暮らしニスタ編集部)