共感して欲しいのにわかってもらえない、ミスを反省しているのに謝罪の気持ちがうまく伝わらない、自分は間違っていないのに怒りを伝えるとなぜかもめてしまう…。このような悩みを東大生は科学で解決していたのです!今回は「感情的なタイプの後輩が怒ってきたときの対応」についてご紹介。
感情的なタイプの後輩が怒ってきたときの対応って、めちゃくちゃ難しいですよね。下手に平謝りなどしてしまったら自分の威厳が失われてしまいますし、相手には「先輩、ただ謝っているだけで何にもわかってない!」と思われてしまう
かもしれません。
それに、「ええ、そんなことで怒る?私だって大変なんだよ〜」と思うこともあると思います。そんなときにおすすめなのは、「相手の立場に立って話す」というコミュニケーション法です。
たとえば後輩や部下から「△△さんは返事をくれるのが遅いです!全然連絡がなくてとても困るんですよ!」と言われたとします。
こういうときは、「そうだよね、○○くんの立場からしたら連絡がないと不安だよね。ごめん、気をつけるね!」と言うのです。「〇〇くんの立場からしたら」と想定して、その状況下で自分の過失のポイントがどこにあるかを明確にするのです。
逆によくない返答は、「ごめんね、ちょっと別の仕事が立て込んでてちゃんと返事できなかった」というものです。後輩や部下の立場としては、先輩や上司が、自分の事情だけを押しつけているとしか感じられないでしょう。
自分の立場からではなく、相手の立場を強調する言い方で謝るのが肝要です。
このように相手の立場に立ってその人の考えや感情を推測する心の働きを、心理学では視点取得(perspective taking)といいます。この視点取得をしている人は、共感を得やすいというデータもあります。
共感とは「共に感じる」という意味ですから、相手の立場をおもんぱかるコミュニケーションができれば共感を得られるのは、当然といえば当然の話ですね。
もう一段上のテクニックとして、「〇〇くんの立場からしたら」と言った後に、「でも、自分の立場もあって」と続ける方法があります。きちんと相手の立場に立ったうえで、相手にこちらの立場に立つことを求めるのです。これは「返報性の原理」を利用したテクニック。
「自分もやっているんだから、君もやってくれるよね」というやりとりができるわけですね。そういうふうに言えばきっと、「先輩も大変だったんですよね、自分ばかり気持ちを押しつけてすいませんでした」と言ってくれるはずです。
東大カルペ・ディエム 監修:西岡壱誠