「寝ているとき、よく脚がつる!」「急に脚が痛くなるから、安心して眠れない」
就寝中や運動中などにいきなり脚(足)がつる「こむら返り」。強い痛みに襲われて、つらい思いをしたことのある方も多いのではないでしょうか。
実は、更年期の女性のなかには、こむら返りが起こりやすくなる人がいます。冷えや寝不足など、さまざまな不調に悩まされる更年期。こむら返りが心配だと、安心して休めず困ってしまいますよね。
この記事では、「こむら返り」の原因や対処法、予防法を解説します。こむら返りを解消して、健やかな毎日を過ごしましょう。
(文/薬剤師 越智屋ノマ)
「こむら返り」とは、脚、とくにふくらはぎの筋肉がけいれんして強い痛みが出ることです。「脚がつる」ということもあります。
こむら返りの原因には、次のようなものがあります。
<こむら返りの主な原因>
・筋肉疲労、準備運動不足
・ミネラル(電解質)バランスの乱れ
・脱水
・冷えによる血流不良
・更年期
・下肢静脈瘤、糖尿病などの病気
・利尿薬などの薬の服用
筋肉疲労や脱水だけでなく、更年期も原因のひとつとして挙げられます。
日中や就寝中などに突然強い痛みが出て、脚の筋肉が痙攣するのがこむら返りの症状です。こむら返りのときにしびれを感じる人もいるようです。
通常、こむら返りの痛みは長く続かず、しばらく安静にしていると治まります。また、寝ているときのこむら返りは、年齢が上がるにつれて起こりやすくなるといわれています。
こむら返りのメカニズムは、はっきりとはわかっていません。しかし、筋肉の伸び縮みには体内のミネラルや血流などが関わっており、それらのバランスが崩れることでこむら返りにつながると考えられています。
実際に、汗とともにミネラルが失われたり、筋肉疲労がたまったり、からだが冷えて血流が悪くなったりすると、こむら返りが起きやすくなるようです。
さらに、更年期の女性はこむら返りが起こりやすいといわれています。これは、更年期により女性ホルモンの分泌が乱れて冷えやすくなったり、年齢に伴って筋肉量が減ったりすることが影響していると考えられています。
こむら返りが起こったときは、次の手順で筋肉を伸ばしましょう。
(1) こむら返りが起きた脚をゆっくり伸ばす
(2) ひざを伸ばした状態で、足の甲を手前に曲げてつま先を起こす
(3) 脚の裏側の筋肉を伸ばす
あわてずゆっくりと筋肉を伸ばしていくことが重要です。痛みが治まった後に蒸しタオルなどで温めると、血流がよくなるのでおすすめです。
こむら返りを予防するためには、日ごろから次の4つを習慣づけるとよいでしょう。
就寝中のこむら返りを防ぐためには、寝る前にストレッチをして血流をよくしておくといいでしょう。
つま先を寝かせたり起こしたりして足首を動かすことや、ふくらはぎを優しくマッサージすることがおすすめです。
全身の血流を促進するためには、入浴も効果的です。忙しいとついついシャワーだけで済ませてしまうという方もいるかもしれませんが、しっかりお湯につかることは、全身の血流をよくすることにつながります。
レッグウォーマーなどで脚を温めるのもひとつです。
汗をかくと水分だけでなくミネラルも失われるため、体内のミネラルバランスが崩れてこむら返りを起こしやすくなります。
運動後や暑い季節はもちろん、水分補給を忘れがちな冬も、スポーツドリンクなどで積極的に水分とミネラルを補給しましょう。
運動中のこむら返りは、準備運動が足りないときによく起こります。そのため、ジョギングなどをする方は、ふくらはぎをしっかり伸ばして筋肉をほぐしてから始めましょう。
運動後のクールダウンも、疲労物質を筋肉にためないために大切です。
こむら返りをくり返す方には、医師による治療でも使われている漢方薬がおすすめです。
漢方薬は効果と安全性が認められている自然由来のお薬です。自然の素材がからだにやさしく働くため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、漢方薬は、現在生じている不調を抑えるだけではありません。漢方薬はからだ全体に作用し、ホルモンバランスや自律神経の乱れを根本から整えていくことを目指しています。
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛などがある方
筋肉の緊張をゆるめて、筋肉のけいれんや、けいれんに伴う痛みを抑えます。芍薬と甘草の組み合わせが作用して、漢方薬のなかでも比較的すみやかに効果を発揮するお薬です。
ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
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更年期にはからだの冷えなどが起こりやすくなり、こむら返りに悩む方も多くなります。
就寝中にこむら返りが起こりやすい方は、寝る前にストレッチをしたり、からだを温めたりすることで、日ごろからしっかり対策していきましょう。専門家の力を借りて、脚のつりに効果のある漢方薬を取り入れるのもおすすめです。
こむら返りを起こしづらい、健やかなからだづくりを目指しましょう!
<この記事を書いた人>
薬剤師 越智屋(おちや)ノマ
病院・調剤薬局での勤務を経て、現在は2人の子供の育児に奮闘しながらライター兼ショートショート作家として活動中。薬剤師として磨いた服薬指導・薬歴作成の経験から、「難しいことを分かりやすく」をモットーに記事や小説を執筆している。働きながら子育てをする大変さを痛感しており、仕事や育児に励む女性に寄り添っていきたいと考えている。
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