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SNSでバズってるスキンケア、本当に必要?
TikTokで「スキンケア」というハッシュタグを検索すると、3500万本以上の動画が表示されるんですが、実はそのほとんどが同じようなパターンなんです。「一緒にやっていきましょう」と美容系インフルエンサーが優しく語りかけながら、自分のスキンケアルーティンを紹介するのが定番です。
こうした動画は非常に人気があるんですが、新しい研究によると、こういったスキンケアの情報は有益というよりも、むしろ害を及ぼす可能性があるそうなんです。
本日、学術誌『Pediatrics』にソーシャルメディア上のスキンケアルーティンのリスクとメリットについての初の研究が掲載されました。ノースウェスタン大学の研究者が、TikTokの7歳から18歳のクリエイターの美容ルーティンを分析。その結果、平均して6種類の異なる製品を顔に使用しており、中には10種類以上使っているケースもあったそうです。
典型的なルーティンのためのスキンケア商品代はひと月あたり約168ドル(約2万6000円)で、ニキビや老化などの特定の肌トラブルを改善するための有効成分が11種類が含まれていたそうです。
動画のクリエイターたちは、完璧な肌を追い求めていて、もちろん視聴者にもそんなお肌を手に入れてほしいと願っているわけです。しかし研究チームによると、実際にはこれほど多くの有効成分を一度に重ねて使うことで、肌の刺激、日光への感受性、接触皮膚炎と呼ばれる皮膚アレルギーのリスクが高まってしまうんだそう。過去の研究では、このアレルギーを発症すると、生涯にわたって使える石けんやシャンプー、化粧品の種類が制限される可能性があることが示されています。
ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の皮膚科医で研究の筆頭著者であるモリー・ヘイルズ博士は、大学の声明で、
刺激のリスクが高まるのは、ヒドロキシ酸など複数の有効成分を同時に使用している場合や、同じ有効成分が3〜5製品に含まれていることに気づかず、繰り返し重ね塗りしてしまっている場合です。
と述べています。
この研究では、ヘイルズ博士率いるチームは13歳として新しいTikTokアカウントを作成。スキンケアに関する動画100本を収集し、クリエイターの属性、使用製品の種類と数、それぞれのルーティンの合計コストを記録しました。
分析対象となった82人のクリエイターのうち、1人を除く全員が、明るく均一で肌荒れのない肌を持つ女の子であったことがわかりました。 研究チームは、各製品の有効成分とその他の成分のリストを作成し、接触皮膚炎を引き起こす可能性の高い成分を特定しました。
集められた100本の動画には、合計260種類の製品が登場しています。そのうち再生回数が多い上位25本の動画の76%には、香料などの接触性アレルゲンとなる可能性のある成分が含まれていました。なかでも最も一般的だったのは、AHA(アルファヒドロキシ酸)と呼ばれる化学的ピーリング成分。上位動画では、1つのルーティンに平均して3種類のAHAが含まれていて、なかには7種類使っている例も。最も使用率が高かった有効成分はクエン酸で、全製品の29%に含まれていました。
アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、AHAは肌の刺激や日光への過敏反応を引き起こす可能性があるそうです。そのため、こういった成分は節度をもって使用し、日焼け止めと併用することが重要だとされています。しかし、スキンケアルーティンを紹介する動画のうち、日焼け止めを使っていたのはわずか26%でした。
論文では次のように指摘しています。
動画内で、日焼け止めの使用率が非常に低いことは大きな問題です。特に、まだニキビ治療やエイジングケア、保湿剤すら必要のない若年層のユーザーにとって、日焼け止めは唯一有益なスキンケアであるにもかかわらず、これが軽視されているのです。
たとえばある動画では、メラノーマのリスクがある赤毛で色白、そばかすのある10歳の女の子が、SPFの入っていない8種類の製品を使用していたそうです。TikTokの広報担当者は英紙ガーディアンに対し、「この種のコンテンツはあらゆるメディアに共通して見られるものであり、研究者たちもこのコンテンツがティーンの健康に与える影響は評価していないと認めている」と述べています。その上で、「ティーンの自己表現や親子の絆形成、支え合うコミュニティの形成といった実際の利点もある」と付け加えています。
ただ、研究チームは、こうした動画は「若年層にとってはほとんど、あるいはまったく利益がない」と結論付けています。これらのルーティンは複雑で時間がかかり、高価で子どもたちを肌の刺激したり、アレルギーや日焼けのリスクにさらしていると説明しています。
さらに、イギリス皮膚科学会のテス・マクファーソン医師はガーディアン紙に対して、
ますます若い子どもたちが、必要のないスキンケア製品を求めるようになっています。これは有益ではありません。私たちの社会が肌はこうあるべきという固定観念に縛られているという、非常に憂慮すべき状況です。
と懸念を示しています。
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