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行ってみたい!「自分の心」を展示する不思議な博物館。癒しマンガの名手が描く『自分ミュージアムへようこそ』

  • 2025年6月13日
  • レタスクラブニュース
『自分ミュージアムへようこそ』より
『自分ミュージアムへようこそ』より / (C)あきばさやか

家族のことや恋愛、人間関係、コンプレックスなど、人はそれぞれいろんな悩みを抱えていますよね。なんとかしたくても、自分のことなのにどう解決すればよいのかわからない…。気持ちの切り替えができない…。私はどうしたいんだろう…?と、抜け出せなくなってしまっている人も多いはず。

今回ご紹介する『自分ミュージアムへようこそ』も、それぞれ悩みを抱えながら暮らす7人の男女が主人公です。

著者は、SNSで超話題となった癒しマンガ『スパあんこうの胃袋』を描いたあきばさやかさん。創作コミック第2弾となる本作は、どのように誕生したのでしょうか?お話を伺いました。

「人の心を映す」不思議な博物館を覗いてみませんか


定年退職を迎えた60代の男性、失恋から半年以上立ち直れない20代女性、反抗期の息子と適度な距離感を保つことができない母親、長引く不妊治療に先が見えなくなった夫婦…。本作に登場するのは、それぞれの悩みを抱える7人の男女です。
このチケットはなんだ?
このチケットはなんだ? / (C)あきばさやか/KADOKAWA

年齢も、境遇も、悩みも異なる7人のもとに届いたのは、「自分ミュージアム」と書かれた招待状。夢の中で招かれたそこは、「人の心を映す」不思議なミュージアムでした。
懐かしいものばかりですごい!
懐かしいものばかりですごい! / (C)あきばさやか/KADOKAWA

大…失恋展示…?
大…失恋展示…? / (C)あきばさやか/KADOKAWA

案内人は、3人の学芸員。展示物は、自分のこれまでの人生や思い出、さらには自分でも気づかなかった気持ちです。自分の心に向き合うことで得たものとは…?

登場人物たちに共感すること間違いなし!心がほっこりする、ファンタジーコミックです。



大好きな美術館・博物館を舞台に


――あきばさやかさんにとって、創作コミック第2弾となる本作。描き始めたきっかけは?また、舞台を「ミュージアム」にした理由を教えてください。

あきばさやかさん:きっかけは、前作の『スパあんこうの胃袋』でも担当してくださった編集さんが声をかけてくれたことです。博物館や美術館が好きということもあり、舞台はミュージアムにしました。
もともと美術館巡りは好きでしたが、子どもが生まれてからは博物館が多くなりましたね。特に、昆虫や恐竜といった子どもが好きなもののテーマの企画展示は、表現方法や展示方法にインパクトがあり感動しました。
心の中の大比較展…
心の中の大比較展… / (C)あきばさやか/KADOKAWA

違うものを並べることで比較したり、詳細を見るために拡大したり、目立たせたいものを大きな模型にしたり、生息環境を再現したり、「数の多さ」を並べることで表したり…わかりやすくする工夫も凝らされていてすごかったので、そういった感じで人生を展示したら面白いだろうなと思いました。本作を描くことになってからも、何箇所かミュージアムへ行って、展示を見て、たくさんのインスピレーションを得ました!

――本作の登場人物は、「ミュージアム」で自分の心と向き合うことで、気付きを得られたり、本当の自分を取り戻したりしていきますね。作品を描く上で心がけたこと、気をつけたことを教えてください。

あきばさやかさん:感覚的にではありますが…「大成功!」というわかりやすいハッピーエンドにしないことです。恋の始まりや、ちょっとした気付き、ちょっとした心の通じ合いとか、少しだけ踏み出す…という程度の、ささやかな変化にしたいなとは思って描きました。
まだまだ長い人生!これから何する?
まだまだ長い人生!これから何する? / (C)あきばさやか/KADOKAWA

立ち止まってる暇なんかないですよ!
立ち止まってる暇なんかないですよ! / (C)あきばさやか/KADOKAWA


――では、本作品を描く上で難しかった・苦労したことはどんなことでしょうか?

あきばさやかさん:展示を描くことです…!!笑
あと、今回は全ての話がつながっているので、時系列がおかしくならないように、ということにも気を配りました。

自身の願望も詰め込んだユニークな展示内容にも注目

新人学芸員のリアです
新人学芸員のリアです / (C)あきばさやか/KADOKAWA

――個性豊かで、人間味のある登場人物も魅力的ですね。特に、「自分ミュージアム」の案内人である学芸員3人は、ストーリーの肝になってくると思います。人物像はどのように考えましたか?

あきばさやかさん:参考資料を色々と読む中で、「ミュージアム」の語源はギリシア神話のムーサ(英語名:ミューズ)という9人の芸術を司る女神だと知り、そこから名前をもらっています。カーリーはカリオペ(叙事詩)から、リアはタリア(喜劇)から、クリオはクリオ(歴史)から、それぞれそのイメージから性格や設定を膨らませていきました。
学芸員のカーリー
学芸員のカーリー / (C)あきばさやか/KADOKAWA

実はそれぞれのキャラクターには過去の話など、マンガには入りきらなかった設定もたくさんあるんですよ。
学芸員のクリオ
学芸員のクリオ / (C)あきばさやか/KADOKAWA


――それは、ぜひサイドストーリーとして読んでみたいです!!ちなみに、ご自身の「自分ミュージアム」には何が展示されていると思いますか?

あきばさやかさん:マンガと食べ物が多そうです…!!あとは第1子が生まれた7年前からは、子どもの展示ばっかりになっているかと…(笑)

――では、そんな「自分ミュージアム」に行くことができたら、向き合いたいことはありますか?

あきばさやかさん:4話「親離れ子離れ展」の展示内容は私の願望を詰め込んでいるので、ぜひ子どもが大きくなってから、新生児のときの子の頭の匂いとかを嗅ぐコーナーへ行きたいですね。
宝物☆子どもの展示
宝物☆子どもの展示 / (C)あきばさやか/KADOKAWA

乳児期の匂いに思わず涙
乳児期の匂いに思わず涙 / (C)あきばさやか/KADOKAWA




   *      *      *

お子さんと行った博物館でインスピレーションを得て、設定を思いついたというあきばさやかさん。前作の『スパあんこうの胃袋』と同様、行ってみたい!と思うのは、私だけではないはず♪想像するだけでワクワクしますよね。
登場人物たちは、「自分ミュージアム」に来館することでどのように一歩を踏み出すのか…。
作中では、展示物もかなり詳細に描かれているので、見ているだけでも楽しめます。ぜひチェックしてみてください。

取材・文=松田支信


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