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スコットランドの首都エジンバラ。ハリー・ポッター目当てで訪れたけれど、街に一歩入った途端に、ズキュン。あら、この感覚って、ひと目惚れに似ている? いぶし銀な魅力が光る世界遺産の街、エジンバラを案内します。
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まずは、おさらい。エジンバラはイングランドの北に位置する、スコットランドの首都。プリンシズ・ストリート・ガーデンやヴェイヴァリー駅を境に、北が新市街(ニュータウン)、南が旧市街(オールドタウン)となっています。
エジンバラは15世紀からスコットランドの首都としての役割を担ってきましたが、同時に争いの絶えない地域でもありました。こうした背景から、街は切り立った岩山にそびえるエジンバラ城を中心に築かれ、現在も旧市街として中世ヨーロッパに典型的な要塞都市の姿をとどめています。
そんなエジンバラに分岐点が訪れたのは、1707年。イングランドとスコットランドが統合され、待ち望んだ平和の時代がやってきました。
18世紀中ごろには人口の増加と旧市街の過密化を受けて、新市街の建設が望まれるように。その都市設計を担ったのが、当時まだ20代の建築家ジェームス・クレイグでした。
碁盤目状に道が走り、ジョージアン様式の邸宅や広場が整然と並ぶこのエリアは、“計画都市の最高傑作”との呼び声も。19世紀には古代ギリシャの建築様式が人気を呼び、ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーやカールトン・ヒルに神殿のようなモニュメントなどが建てられ、“北のアテネ”とも呼ばれています。
旧市街と新市街、どちらも世界遺産です。
ツーリストにとってエジンバラの街の背骨といえるのが、ロイヤル・マイル。エジンバラ城とホリルードハウス宮殿を結んだ、旧市街を貫く1マイルの道です。
道の両脇には石造りの歴史的な建造物が連なり、見上げると尖塔や時計台などが空を突き、中世に時が巻き戻されたよう。特に聖ジャイルズ大聖堂周辺はレストランやパブ、ショップなどが集まり、いつも賑やかです。
そして文字通りの本丸ともいえるエジンバラ城は、この街に来たらはずせないスポットです。
“キャッスルロック”と呼ばれる古代の火山活動で生まれた岩山の上に建つエジンバラ城。この岩山は南・西・北を急峻な崖で守られた、いわば天然の要塞のよう。とはいえ、度重なる戦火を経て、再建と改修を繰り返しました。
エジンバラ城の北側はフォース湾、東側はカールトン・ヒルやアーサーの王座、南側は住宅街、西側はエジンバラ空港。エジンバラ城からは街がぐるりと見渡せます。
また、手っ取り早く街の名所をチェックし、位置関係を把握するなら、バスツアー「シティ・サイトシーイング・エジンバラ」がおすすめ。日本語を含むマルチリンガルのヘッドホンガイドを聞きながら、ダブルデッカーで街を周遊します。
ウォーターループレイスからスタートし、エジンバラ大学を通り過ぎ、エジンバラ城を崖下から見上げ、ロイヤル・マイルに現存する最古の建物「ジョン・ノックス・ハウス」を見下ろし、ホリルードや科学博物館「ダイナミック・アース」などを巡ります。所要時間は約1時間で、季節によって約10〜30分おきにスタートします。
エジンバラで、おいしくてリーズナブルなビストロ、見つけました! 「ザ・ウォールッツ」というシンプルな店名で、“地元でとれた季節の食材を使った料理”というコンセプトも珍しくはないのですが、使う食材と調理法がユニーク。
前菜にオーダーした「エビのワンタン」はきゅうりとローストしたピーナッツをちらし、ピーナッツベースの“サテソース”を添えた、中華のような、東南アジア料理のようなフレーバーです。メインの「ローストベリー・ポーク」の添え物にはスコットランドの郷土料理“ハギス”(ミンチにした羊の内臓にオートミールや玉ねぎ、ハーブなどを混ぜて、羊の胃袋に詰めて煮込んだもの)も。
味噌やコチュジャンなどを使う一方、アーティチョークのフライを添えるなど、ワールドワイドな食材がお皿の上で共演しています。
ランチは2品コース30ポンド、3品コース34ポンド。ディナー2品コース34ポンド、3品コース38ポンド。それぞれカナッペとプチフール付きです。
次なる旅先ロンドンへ向かう手段に、今回、夜行列車を選んでみました。
夜間に移動することで、日中はぎりぎりまで遊べるし、寝ている間に移動ができるとあって、まさに一石二鳥。おまけにホテル代が1泊分浮くとなれば一石三鳥! “夜行列車”という響きにもワクワクします。
今回利用したのは「カレドニアン・スリーパー」。23:40にエジンバラを出発し、翌朝7:15にロンドンのユーストン駅着のスケジュール。
駅に到着したら、駅員さんに予約票を見せ、スーツケース専用車両に荷物を置きに行きます。そして、自分のキャビンへ。
今回はクラブ・エンスイート・ルームのツインをチョイス。二段ベッドには心地良い眠りを約束するグレンクラフト社の手作りマットレスが使用されています。英国王室のバルモラル領地に4世代にわたって納入してきた、信頼のブランドです。
キャビン内にシャワーとトイレがあり、Arran Sense of Scotland のバスアメニティの用意も。
眠りについたと思ったら、あっという間にロンドン到着のアナウンス。実際、予定到着時間よりもかなり早い早朝4時頃、到着してしまいました。でも、大丈夫。キャビン内には到着予定の7時半までいても問題なし。もしくは世の中が動きだすまで、ユーストン駅構内のクラブラウンジで過ごすこともできます。
クラブラウンジにはスナックや飲み物、Wi-Fiもあり、なかなか快適。シャワールームで身だしなみを整えたら、さぁ、ロンドンのハリー・ポッター聖地巡りへ出かけましょ。
取材協力
英国政府観光庁
Starring GREAT Britain - the movie (JP)
https://youtu.be/zP9yUGuoxy0?feature=shared
HP:VisitBritain.com
カレドニアン・スリーパー
https://sleeper.scot
古関千恵子(こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram @chieko_koseki
文・撮影=古関千恵子