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EVより多いってどんだけ…。
もう電力消費量ではフランスを抜いて世界第10位のAIデータセンターが、2030年にはなんとインド全国民の電力消費と並ぶみたいですよ。IMFが試算結果をチャートにまとめて公開しました。
情報はOPECの最新データですが、 少し古くて2023年のもの。この年、全世界のAIを駆動するデータセンターの電力消費量は500TWh(テラワット時)で、2015〜2019年の倍以上の水準でした。それが2030年には今の3倍の1,500TWhくらいまで増えるというのがOPECの予測です。
ご覧のように、AIの電力消費量はすでにドイツ1国の電力消費量に肉薄しており、5年後には世界電力ドカ食い3大国である中国、アメリカ、インドのうち3番手インドの水準を抜いちゃって、全世界のEV(電気自動車)の1.5倍の消費電力量に達する計算です。
なかでも増加が著しいのがアメリカで、コンサル大手マッキンゼーの予測では、2030年にはアメリカ内のサーバーだけで600TWhいっちゃう。ひょえ〜…と思ったら、これは「需要が中程度」の場合との但し書きがついてました。「高需要」になったらもっとってことになります。
発電が追いつかない国では電気代高騰しそう。住民とAIカンパニーの間で電気の取り合いっこになったりして…。
仮に発電が追いつけたとしても環境汚染が半端ないだろうし…。ちなみにAIによる電力消費の拡大で2025年から2030年までの5年間に全世界で排出される温室効果ガスは1.7ギガトンで、イタリア1国の電力関連の排出量に相当するのだとIMFは書いています。
省エネなAIモデルDeepSeekが出たときには「電力そんなにかからないっぽい!」とみんな飛び上がって喜んだのに…。コストが下がれば利用は増すわけで、蓋を開けてみれば我も我ものAI参入合戦。AIの電力消費量は増えることはあっても減ることは当分なさそうです。
電気代爆増と汚染を避けながらAI化を下支えする発電量を十分確保する――。どの国も頭の痛い課題ですね。
Sources: IMF