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開催中のGoogleカンファレンス Google I/Oで、さらに詳しい機能などが発表されたスマートグラス向けのプラットフォーム Android XR。これを搭載したスマートグラス試作品を、プレス向けデモ会場の米Gizmodo編集部が実際に触ってきました。
触った感想をまとめると…よくわからなかったって。
どんなもので、どう使って、それがいいか悪いのか、どうにも判定できなかったとのこと。その理由はハンズオン時間があまりにも短く、そしてあまりにも急かされていたから…。では、なんでそんなに急かしたのかというと…。
まぁ、一言にまとめるとよくわかんなかったです。
Google I/Oの基調講演で、2時間もノンストップでGeminiの話聞いて、そのあとAndroid XRをデモ体験するためプレスラウンジで1時間待って、ようやく順番が回ってきたけど、わかんなかったです。
Metaが開発中のプロトタイプ Orion(1万ドル)を体験したことがあるので、それと比較してどうかなって楽しみにしてたけど、わかんなかったです。
だって、90秒しか触れなかったんだもん…。
デモ体験は5分間と事前に聞いてはいたものの、Android XRのプロトタイプを手にできたのは3分ほど。そのうち半分はGoogleの担当者の説明時間だったので、自分で実際に使えたのは90秒だけ。
その90秒でまずメガネ右サイドにあるボタンをタップするように言われ、タップからのGemini発動。触ったのは小さな透明ディスプレイが1つだけ搭載されていたプロトタイプだったので、タップすると右レンズにAIの星形アイコンが登場しました。これであとはGeminiと音声(会話)でやりとりが可能になります。
Image: Gizmodo US周囲を見渡すと壁に絵画が飾ってあったので、それを見て「今、僕が見ているものはなに? 描いたのは誰? アートのスタイルは?」と質問。
Geminiはこれに自信満々で音声で答えてくれました(が、知らない絵だったのでGeminiの答えが正しいかはわからず)。
次に近くの本棚を見て、そこにある本のタイトルを読み上げてもらいました。これは大正解。
ここでデモ担当者がスマホ(スマートグラスと接続済み)を取り出し、Google マップを起動。足元を見ると、地図の一部が見え、正面を向くとメガネ越しにナビゲーションが表示されていました。
…で、終了。これだけ。
スマートグラスでのGeminiの使用感など感じるまもなく終了です。バッテリーなんてチェックする暇もありませんでした。
メガネのボタンでGemini発動しましたが、その後はボタンをタップし続けることがなかったのは、個人的にはいいと思いました。絵画も本もただ普通に質問するだけ、会話するだけ。ボタンを押した後は、Geminiの「耳」がON状態なので、発動ワード・動作が不要なのです。
一方で気になったのは、担当者が説明してる間も、ずっとAIが耳元で何か喋ってたこと。あれはバグだったのでしょうか…。
かけ心地でいうと、フレームゴツメのサングラスって感じ。思ったよりも軽かったです。ちょっと鼻でズレる感はありましたが、これはメガネあるあるで、鼻の高さや大きさによって個人差があるもの。
正直どこをどう比較しようもないのですけれど…。
どちらもプロトタイプとはいえ、現時点のデモ体験では、Orionの方ができることが多かったです。いや、体験させてくれることが多かったです。複数アプリのウィンドウを表示したり、同じくOrionをかけた人とホログラムっぽくPongを対戦プレイしたりできましたから。
Versus SnapchatのARグラスSpectaclesと比べると、視野的にもAndroid XRプロトタイプの方が、印象としては上でした。
90秒で急かされるようにデモ体験して、一番強く思ったことは、Android XRがどうとかよりも、なんでこんなに短いのかという不思議。
ちょっと意地悪な見方をすれば、Google I/O基調講演で公開されたAndroid XRのデモ動画ほど、実際のプロトタイプはうまく作動しないからではないでしょうか。体験できたのは、かつてのGoogleグラスを少々アプデした程度のもの。ステージで見たAIを搭載した最先端のグラス体験ではありませんでした。
たった90秒では何もわからない。だからこそ気になる。ぜひじっくりレビューしてみたいと思わせるプロトタイプでした。