昔のGoogle(グーグル)グラスよりだいぶメガネっぽくなって、マニアのおもちゃ感は抜けましたね。
こちら、現地時間5月20日開催のGoogle I/OカンファレンスでRay-Ban Metaグラスに対抗してGoogleがデモを予定している最新スマートグラスです。開催に先駆けてAndroid Ecosystem部門プレジデントのSameer Samatさんが予告動画の最後(2:35-)にちらっとかけてみせました。
4月にGoogleがチラ見せしたGemini搭載ARグラスは透明なレンズだったのだけど、こちらは真っ黒です。同じものなのか、はてまた別物なのか。
発表が楽しみですね!
今年のCESではスマートグラス界隈かなり盛り上がっていましたけど、今のところ普及度トップをひた走っているのはMetaのスマートグラスです。
自分もRay-Ban Metaグラスは1個持ってるんですが、写真はすごくクオリティが高いの撮れるし、音声アシスタントもその辺のSiriとかより洗練されていて気に入ってます。通話や楽曲のサウンドも驚くほどよくて、アクティブノイキャンやオーバーヘッドのイヤホンで耳を塞ぎたくないときに使うとほんと最高です。使うまで必要とは思わないのに、使ったら絶対手放せなくモノってたまにあると思うんですけど、その類いのガジェットなんですね。
まあでも、これだけ業界が盛り上がってくると、いつまでもMetaのひとり勝ちとはいきません。他社参入は自然の流れかと。
Googleといえば、ひと昔前にGoogleグラスを世に出してディスコンにした過去があるわけですが、新スマートグラスが市販になるかどうか、なるとすればいつ発売なのかなど、詳細は謎に包まれています。
ひとつわかっていることがあるとすれば、「Googleのエコシステム」という強みがあることですかね。たとえばPixelと連動すれば、電話をメガネで受けたりかけたりできるし、録音をクラウドにアップしたり、メガネで撮った写真をGoogleフォトで管理もできるので、案外そういうところが決め手になって買う人もいそう。MetaのRay-Banグラスが標準でiPhoneと連動したりすることは永久になさそうなので、これは大きなメリット。
競合のRay-Ban Metaグラス © Florence Ion / GizmodoRay-Ban Metaグラス唯一の不満点はAIで、基本的な音声コマンド(「動画撮って」など)はMeta AIも反応がいいのだけど、複雑なタスクは苦手で、こないだフロリダ旅行中に貝殻を拾ってMeta AIに名前聞いたら、ほぼ全部「サメの歯」だって言われたし、道で車の名前聞いたら「Infiniti」の発音がおかしかったりして。こういうAI分野でもGoogleのほうが優勢かもしれません。
もちろん Google Geminiにも同じタスクをやらせて比べてみないとわからないけど、生成型AIの開発ではGoogleのほうが若干先輩だし、Gemini以外のAIモデルも多く抱えていて、スマホ連携から生まれるおもしろい機能もあるだろうし…と考えてくると、なかなかに手ごわそうです。
スマートグラスのUIは昨年のI/Oでも一部発表されてはいました。あのときは「Astraプロジェクト」という名前で、画面のコードを見てアドバイスしたり、失くし物を探したりのデモがあっただけでしたけど、あの延長線上にあるGoogle製のスマートグラスだとしたら早く見たいな。
Samsung(サムスン)もApple(アップル)も正式発表はしてないけど、独自のスマートグラスを絶対開発してそうですし、両社ともGoogle同様、連携できる製品もあって、AIやってて、AR系のスマホ、TV、スピーカーなどの大きなエコシステムもあります。差をつけるなら今のタイミングを逃す手はありません。
もちろん迎え撃つMetaもARグラスの新兵器「Orion」を準備中で、こちらは、ふつうのメガネの大きさまでサイズダウンして2027年発売を目指してます。うまく達成できればゲームチェンジャーになりうるし、Google、サムスン、Appleの猛攻をかわせるかも。スマートグラスの開発レースも俄然おもしろくなってきました。
Googleのスマートグラスに関しては情報が薄いけど、大きな可能性を感じます。初代Googleグラスの二の舞にならないことを願いつつ発表を待つとしましょう。