魚のエサでロボ!?
科学者たちは水質や土壌の調査・改善のため、小さいロボットを大量にバラ撒くこともあるかと思います。
役目を終えたら使い捨てで、自然界に放置される心配があります。ちゃんと回収したつもりでも、もし見逃したら環境汚染ですよね。
生分解して自然に還る素材なら問題ありませんが、どうせならそこで暮らしている生物のエサになったらよくね? …と開発されたのが、スイス連邦工科大学ローザンヌ校による「食べられるロボット」です。
見た目はお風呂で遊ぶボートの玩具みたい。5cmほどの筐体は魚のエサをフリーズドライして固め、中にはクエン酸と重曹を混ぜた燃料が密閉されています。
水に浮かべるとゲル状の栓がある中央の穴が水を吸い、化学反応で二酸化炭素が発生します。
Image: nature communications二酸化炭素は内部で膨張し、おしりから出るプロピレングリコールが推進力になります。
モーターで進むかのようなスピードで、数分間スイスイと進む姿は子どもが喜びそうです。無作為に動くのは、わざと右左どっちかに回るよう非対称に作っているからなんですって。
ボートが沈まないのは、液体に働く表面張力や異なる界面張力で起こる流動現象「マランゴニ効果」のおかげ。
トイレ用洗剤が水の上で広がるのも同じ原理だったりして、結構身近な現象なんですね。
科学者たちが想定しているのは、湖や池などで水温やpH値、水質汚染、微生物の有無などのデータを取得・送信すること。
使用後は徐々にフヤけて沈んで、魚の栄養になります。今後の課題は電子部品をどうするか? でも、入れものとしては一応完成です。
例え家の水槽レベルでも、エサやりと水質改善・調査などが同時にできれば、ヒトも魚もWin-Winですね。飼い主は毎回楽しめそうですが、魚は「とっとと食わせろ」ってイイ迷惑だったりして。
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Reference: KODANSHA LTD.