Amazonの倉庫で働くロボ「ヴァルカン」。壊れものも慎重に扱います

  • 2025年5月13日
  • Gizmodo Japan

Amazonの倉庫で働くロボ「ヴァルカン」。壊れものも慎重に扱います
Image: Amazon

人間みたいな感覚が効率化のカギ。

世界中で多くの人たちが利用するECサイトのAmazon(アマゾン)。立ち上げ当初はネット通販書店だったのが、今ではありとあらゆるアイテムやサービスが享受される超巨大企業に成長しました。

倉庫での仕分けや運搬には、人間だけでなくロボットも大活躍しています。

荷物の固さや重さを感じるロボハンド

ドイツのイベントで発表された新型「Vulcan(ヴァルカン)」は、Amazon初の触覚を持つロボット。掴んだ荷物の柔らかさや重さを感じ、AIの判断で必要な力と圧力を調節します。

作業は布製の柔らかい棚にて、小さいアイテムの出し入れを行ないます。別のアームがゴム製の安全ベルトを引っ張り上げ、ヴァルカンから伸びるナイフみたいなヘラが、他の荷物を横に寄せて新たな荷物を押し込みます。

私たちがよくやる、片手で物を押しのけて別の物をネジ込むこの動き、なんだか親近感が湧きますね。触覚+AIによる訓練により、歯磨き粉や靴下やペーパークリップの箱、キャンディーの袋などいろんなアイテムを最適な力で扱えます。

人の代わりになるが人員は減らない

この作業は人間でもできますが、低い場所や高い場所に出し入れするのはちょっとキツいですよね。

倉庫の一番高い棚は2.4mの高さにあるので、人だったら脚立を持ってきて昇降することになります。1日中やっていたら、疲労だけでなく膝や腰、背中や肩が悲鳴をあげることでしょう。だけど機械だったら休憩もなく、20時間連続で稼働することも可能です。

Image: Amazon

だからといって作業員がクビになるのかというと?

ヴァルカンは約3.4kg以上の物を持てず、ボウリングの球みたいな球体も扱えないので人の出番になります。またロボの設置やメンテナンス、操縦や開発といった部門で雇用が増えたのだそうな。

妙に人間味を感じる?

ヴァルカンは人間よりちょっと速く作業ができて、作業効率も向上したとのこと。

パドルで棚の中にあるものを寄せる様子が、「ちょっとゴメンよ」って言っているようで妙に人間味を感じます。ロボットはヒト型ではなくても、恋人探しをしたり自由を求めて(?)脱走したり、味わい深いのがいっぱいありますもんね。

現在はワシントン州スポケーンの倉庫に導入され、ドイツのハンブルクでテスト中。来年は米国内に各所に配備される予定です。私たちがAmazonで買い物をすると、こういうロボが裏で手伝いをしているんですね。なんだか感慨深い気がします。

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Source: YouTube (1, 2) , Amazon via NBC Universal Media, LLC., IEEE SPECTRUM

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