バッグは持ちたくない。可能なら毎日同じものを着て過ごしたい。でも洋服は好き。ものぐさと凝り性がハイブリッドしてしまい、逆に何を着るか、選ぶのに苦戦する毎日です。
さまざま探しているなかで見つけたのが、NORMAL EXPERT(ノーマルエキスパート)の『365 PANTS』。名前からもうデザイナーの意図が伝わりました。毎日穿いてくれってことですよね?
ぱっと見の印象はベーシック。ちょっとテックな感じ。ただ、コンセプトが“365日穿けるパンツ”。「僕のためのパンツですか?」と一発で興味が惹かれました。
聞き慣れないブランドだったためちょっと調べてみると、2024年春夏シーズンにデビューしたばかりで、ファッションやスポーツアパレル業界のあらゆる実務を経験したデザイナーが手掛けているそう。
そして、デザイナー自身が極度のめんどくさがりであることを公言しています。つまりこの365 PANTSには、めんどくさがりが重宝する機能がとことん詰め込まれている、ということです。
まず、ベルトレスです。ウエストにアジャスターが入っています。
片手で引っ張るだけでフィット感を調整できるのですが、このパーツ、これまでに見たことがありませんでした。右側の小さい穴にコードを移すと緩まる仕様で、初見ではどう使うか迷いましたが、使いこなせるようになるとなかなか便利なのです。
裾のアジャスターも同じ仕様になっています。このあたりはスポーツアパレル出身らしい、マニアックなパーツ使いですね。
コードを留めるパーツが付属しないため当たってるときの異物感もありません。
つまりベルトループがないのですが、カラビナが付属しています。
ポケットやバッグに鍵を入れて行方不明になり、すべてのポケットを捜索することも少なくないため、鍵はウエストにぶらさげたい派です。
ちなみにこのカラビナ、コードの根本がポケット内に繋がっており、カラビナをポケットの中に収納することも可能です。外に出しておきたくない人もいますからね。気の利いた仕様です。
ポケットは大きくて深め。500mlのペットボトルくらいなら軽く入りそうです。また、両サイドにスマホ専用ポケットがあり、座った際にも落ちにくい構造になっています。
バックポケットはなく、ポケットは両サイド2つずつの、計4つです。
バックポケットには何も入れない派の僕にとっては、この仕様のほうがありがたいです。座った際に当たるのが気になってしまうんですよね。
このジップはポケットではなくベンチレーションで、腰まわりが暑くなった際に熱を逃すための仕様で、内側がメッシュになっています。ダブルジップであることを新鮮に感じましたが、右手でも左手でも開閉ができるのは意外と便利です。
こういうところに、めんどうが予想されることをなんとしても先回りして回避しようとするデザイナーの執念を感じます。
と、ここまでは「こうだったら便利だよね」を具現化した、いわばオプショナルな機能でしたが「365日穿けるパンツ」の必須条件は「夜に洗濯して、翌朝には乾いている」ことです。
素材には、リサイクルストローナイロンという、空洞化したナイロン糸が採用されています。
軽量化に加え、空洞化により速乾性が向上し、夜に部屋干ししても翌朝には乾き、連日の着用でも清潔さをキープできます。
そして、ショートパンツとしても着用ができるコンバーチブル仕様なので、真夏にもいいですね。
これは言い過ぎではなく、本当に365日穿けそうです。NORMAL EXPERT、次はどんな“めんどう回避アイデア”を盛り込んだアイテムが出るのか、今後が楽しみなブランドです。
Photo: 宮前一喜
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