今年のCESで発表されたRoborockの最新お掃除ロボ「Saros 10R」。
AIを活用して、おうちのマッピングと障害物検知の性能が高いのが特徴です。現時点では日本での発売は明らかになっていません。
米Gizmodo編集部がレビューしたので、チェックしてみましょう。
Roborock Saros 10Rは、ちょっとこちらが身構えちゃうやつですね。ナビシステムがアップグレードされており、1,600ドル(約24万円)という価格に求めるものすべてを網羅しているような賢いお掃除ロボ。掃除の音がうるさい(かなりうるさい)ものの、求めること=掃除はしっかりこなしてくれます。
ロボット単体は高さ(厚み)が8cm弱。これ、Roborockでは最も薄いお掃除ロボになります。
掃除するお部屋の把握にLiDarではなく、StarSight Autonomous Systemと呼ばれるAIシステムを搭載しているのがハードの薄さに貢献。前後のカメラとトランスミッターによって、部屋のマッピング&障害物検知を行ないます。LiDarだとちょっとした高さが必要になるので、これがないことで薄い、つまりより多くの家具の下に潜り込んでお掃除できるというメリットがあります。
Image: Adriano Contreras - Gizmodo US裏返してみると、メインのお掃除ブラシは絡みにくい構造。サイドのブラシは伸縮して、届きにくいところのほこりもがっちりキャッチできる構造になっています。そのほか、床拭き用の回転モップパッドもあります。このモップも構造がシンプルで、ひっかかったり絡まったりしにくいようにできています。
Image: Adriano Contreras - Gizmodo US Image: Adriano Contreras - Gizmodo USRoborock Qrevo Curvと同じように、Saros 10Rも自身を持ち上げて、カーペットや敷居などのちょっとした段差は自力でなんとかできるタイプ。
我が家は築50年で何度かリノベを行っており、段差があるので、この自力タイプはありがたいですね。他のお掃除ロボがひっかかりがちな我が家のトラップ(段差)でも、Saros 10Rはスピードを速めたり角度をつけたりして、うまいこと攻略していくので、見ているのが楽しくなりました。
Image: Adriano Contreras - Gizmodo USデメリットだと感じたのは、Saros 10Rの家=充電ドックの大きさ。めちゃくちゃデカいんです。デザイン自体はブラックで洗練されているものの、まぁデカイ。高さ45cmで、幅は40cm弱。自動充電・自動クリーンが付いているだけありますね。
この自動クリーンは、充電ドックに戻って本体に溜まったゴミをカラにするだけでなく、お湯と洗剤でモップの掃除までします。ユーザーがチェックするのは、ドックのお水(4リットル)と洗剤の補充だけ。あとは、ドックに貯まるゴミと使用済み水を捨てること。レビュー中はモップ機能もほぼ毎日使っていたので、しょっちゅう使用済みの水を捨てて、ゴミ箱も空にしていました。こういうの気になっちゃうタイプなんで。
Image: Adriano Contreras - Gizmodo US Image: Adriano Contreras - Gizmodo US Image: Adriano Contreras - Gizmodo US Image: Adriano Contreras - Gizmodo US吸引力は間違いなし。すんごいパワー。フローリングも、タイルも、カーペットもどんな素材の床でもぐんぐんゴミを吸い取ります。床(タイル)の割れや段差が目立つ我が家のキッチンも、何度か往復はしていたもののキレイに掃除してくれました。吸引力には大満足。
お掃除ロボとして、吸引だけでなくモップ機能もあります。1回の水拭きモップ掃除で使用する水の量や、特定エリアを2度拭き設定にするなど、いろいろ設定でカスタマイズできます。我が家は家族が裏のドアから出入りすることが多いので、その周辺を重点的にモップするように設定。エリアで設定できるのはとても重宝します。
カメラタイプのお掃除ロボだと、うちではどうしても掃除し損ねたエリアがありましたが、Saros 10Rではそれを感じませんでした。どんな掃除パターンを選んでもしっかりキレイ。何度かソファーやテーブルの下を避けていましたが、3度目のトライで無事成功。その後は家具の下にも果敢に挑んできれいにしていました。
部屋全体をきれいにできるのは、マッピング技術が優れているから。1度室内をしっかりマッピングすると、その後は障害物(脱いだ靴、大きめのゴミ、テレビスタンドなど)をマーキングし、ゴミかどうかダブルチェックするために写真も撮る几帳面さ。
音声コマンドユーザーは、マッピングした部屋をきちんと名前つけしておけばさらに楽。「リビング掃除して」「子供部屋掃除して」と自然に語り掛ければロボが発動するので、これは本当に楽。マッピングでは、最初の部屋分け・エリア分けが大事。
障害物でいうと、他のお掃除ロボが引っかかってしまうよくあるトラップ(靴やおもちゃなど)には、まったくひっかかりません。検知した障害物はマップにメモされます。ガジェット類のケーブルトラップにもひっかかりません。
ですが、1つだけ不思議なのが、私の仕事部屋のイーサネット&HDMIのケーブルだけはなぜか避けられず、毎回絡まってるんですよね…。試しに、同じケーブルを部屋の中央に放置してみたのですが、これは避けてました。なぜだ…?
Image: Jorge Jimenez - Gizmodo USちょっと親近感湧くのが、家中掃除しているSaros 10Rを見ているとよく休憩しているんです。広めの部屋を掃除し終わると、ドックに戻ってモップをきれいにしたり充電したり。洗浄力高めで設定すると、その分バッテリーも食うので、頻繁にドックに戻るのは当然なのですが、なんか共感しちゃう。掃除、疲れるもんね。
前述したモップや2度拭きのカスタマイズですが、他にもオプションは豊富。例えば食後とか週末の徹底掃除とか、定期お掃除メニューもいろいろ準備されています。吸引力やモップ加減、掃除の頻度も設定しておけます。
レビュー中、毎日午前中の掃除機を設定していたのですが、これがうるさい。かなりうるさい。仕事部屋から離れた部屋のみの設定にしておかないと、イライラすると思います。どれくらいうるさいかというと、掃除中に話しかけても(音声コマンド出しても)お掃除ロボ自身が聞き取れないくらい。
設定や機能が豊富ですが、人によって助かるのがリモートビュー機能。お掃除ロボの目線で映像を見ることができます。ペットを飼っている人はいいかも。
Image: Jorge Jimenez - Gizmodo US多機能なのはいいですが、1つ注意するとしたら、機能使えば使うほどバッテリーも食うこと。つまり、ドックに戻る回数も増える、お掃除全体の時間は長くなってしまいます。
人間がお掃除ロボに求める働きは、完璧にこなすといっていいでしょう。罠にかかっても、自力でなんとかできる力も持ち合わせています。ただし、その代わりと言っちゃなんですがうるさい。掃除の音がほんとうるさい! あと充電のドックがデカい。まさにお掃除ロボの家と言っていいほどデカい、立派な家に住んでます。
…そして、このロボが向いているのも、また広く大きなおうち。多様な素材を使う立派なおうち。そう、使ってわかりました。Saros 10Rは、1,600ドルという高価格も気にならない大きなおうちに住む人向けなのです。
いいところ:吸引力とモップ力が素晴らしい! ナビと部屋のマッピング力が高い。カスタムメニューと音声コマンドが豊富
残念なところ:うるさい。充電ドックがバカデカイ
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