photo : Kazumi Oda
いよいよ明日12月13日から発売開始、Beatsの新作「Powerbeats Pro 2」。レブロン・ジェームズ、リオネル・メッシ、そして大谷翔平が登場するかっこいいプロモーション・ムービーが発表と同時に披露されたり、Apple Watchの心拍数モニタリングセンサーを小型化して搭載したりと、本日の明朝からすでに話題は満載。
レブロン・ジェームズ、リオネル・メッシ、そして大谷翔平。鼓動は語る。
心拍数モニタリングセンサーを搭載したイヤフォン「Powerbeats Pro 2」本日より予約注文の受付を開始。 pic.twitter.com/vGwedKFbkV
そんな注目作をひと足先に試用できたので、ギズモード・ジャパン編集部の視点でレビューしてみたいと思います。
環境に配慮したパッケージ。カラーはデヴィッド・ボウイの名曲にちなんで「クイックサンド」を選びました。今回のモデルは、Appleグループのリソースを最大限活用した完全ワイヤレスイヤホン。Powerbeats Proからさらに軽量化と小型化が進み、イヤーフックの装着感や安定性が強化されました。価格は3万9800円で、ジェットブラックやハイパーパープルなど4色展開。
カラー:ジェットブラック、クイックサンド、ハイパーパープル、エレクトリックオレンジ。image : Beatsパッケージは環境にも配慮したサステナブルに管理された森林の再生素材の木材繊維を100%使用。包装のルックからも「Appleファミリーの一員」感をしっかり打ち出しています。
僕が特に驚いたのは、耳への圧迫感が少ないこと。骨伝導やオープンイヤー型とも違う、いわゆるカナル式に近い構造ながらも、フックによるサポートで耳に押し込む力を抑えているため、長時間装着していても疲れにくいのが印象的でした。何より、動いてもズレにくいという精神的な安心感はかなり大きいです。
XS、S、M、L、XLと5種類のイヤーチップが準備されているのも装着感の向上に貢献。Beats Pro 2はこの装着感を得るために約1,000 名のアスリートを対象にテストを実施しています。イヤーフックには高い柔軟性とグリップ感、快適さを追求し、ニッケルチタン合金が採用され、これにより前モデルより20%軽量化し、Beats 史上最もぴったりフィットするイヤフォンとなっているんだそう。ちなみに耐汗耐水性能も気になるところですが、こちらもIPX4 等級と万全です。
image : Beatsもちろん付け外しには若干手間がかかるものの、慣れれば「外れて落とすかも」というストレスから解放されるのはメリット大。満員電車でも不意にイヤホンが外れることがほとんどなく、どんな場面でも使いやすいと感じました。メガネや長髪の方はフックが引っかかる場合もあるかもしれませんが、使っていくうちに装着のコツがつかめるはず。
Powerbeats Pro 2最大の特徴の一つが、Apple Watchの心拍数モニタリングセンサーと同じテクノロジーで、さらに16分の1サイズに小型化して搭載している点。これはなかなかの技術的チャレンジですよね。
Beatsの「Powerbeats Pro 2」はAppleグループの一員であることのメリットを活かしてApple Watchの心拍数モニタリングセンサーを設計や性能はそのまま、16分の1サイズに小型化しています。これはそのセンサーチップ。まじですごい。オオタニさんも納得のクオリティ。 pic.twitter.com/c7naQBn8EU
— ギズモード・ジャパン(公式)@ 新刊『ギズモード・ジャパンのテック教室』2/4発売 (@gizmodojapan) February 11, 2025実際、装着中はリアルタイムで心拍数を測定し続けられるので、ランニングやジムトレーニングとの相性は抜群だと感じます。まだ筆者は本格的にジムでの使用はできていないものの、歩行中や移動時に心拍数をチェックするだけでもワクワクする要素がありました。
image : Beatsさらに通話も非常にスムーズです。左右のイヤーバッドには、これまでよりも高い精度を誇る、音声を感知する加速度センサーと高性能マイクを3つ搭載。機械学習アルゴリズムを活用した「声を分離」機能により、通話中に周囲の雑音を低減しながら、ユーザーの声を分離してクリアな音声が届けられるようになっているそう。騒々しい街頭や、ジムの休憩スペースなどでの使用も想定できそうです。
また、iPhoneやMacBookなど、Appleデバイス間の切り替えが一瞬でできるのは想像以上の便利さでした。Powerbeats Pro 2 はApple デバイスとの完全互換性があり、ワンタッチペアリング、自動切り替え、オーディオ共有、Siri によるハンズフリーコントロール、「探す」機能が使えます。
たとえばMacで音楽を聴いている最中にiPhoneに電話がかかってきても、耳元ですぐに応答できる。このシームレスさは一度経験するとやめられなくなります。もちろん、AndroidでもBeatsアプリを通じて主要な機能を利用できるので、Appleユーザーでなくても魅力は十分。
Beatsというと「重低音バリバリ」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、最近のモデルは全体的にバランスがより洗練されています。Powerbeats Pro 2でも、低音の迫力は維持しつつも中高域の抜けが良く、ロックやポップスだけでなく、クラシックやボーカル重視の曲も楽しめる印象。以前の「ベース盛り盛り」なサウンドからは一段落進化していると感じました。
image : BeatsしかもApple独自のドルビーアトモス空間オーディオに対応し、頭を動かすと音場が変化するダイナミックヘッドトラッキング機能により、より臨場感のある空間オーディオ体験が得られます。実際に軽いストレッチやウォーキングの合間に試してみましたが、音が360度から包み込むように感じられて結構面白い。技術的には内向きマイクが音を検知し、コンピュテーショナルオーディオを使用したアダプティブイコライゼーションが低音域と中音域を調整しています。このチューニングの良さからか他のデバイスと比較しても空間オーディオ感はかなり高いと感じました。
「これをジムのマシントレーニングやランニングで使ったらどうなるんだろう?」という興味は尽きません。
image : Beatsじっくり音楽に浸りながら体を動かすと、筋トレや有酸素運動がさらにはかどりそう。次回は本格的にジムで試してみる予定なので、空間オーディオ×運動の相乗効果に期待が高まります。大谷選手のように多くのアスリートが評価しているというのもうなずける話で、まさに「スポーツと音楽の融合」を体現する一台なのではないでしょうか。
かねてからBeatsの愛用者で、プロモーションムービーにも参加している大谷翔平選手。今回のモデルも気に入ってくれているそうです。image :Beats総じて、Powerbeats Pro 2はスポーツ向けの完全ワイヤレスとして際立った性能を備えながらも、日常使いにも配慮された万能選手。イヤーフックという一見「スポーツ限定」っぽい特徴を活かして、落ちない・疲れにくい・使いやすいという“三拍子”を実現しているのがポイントです。価格こそ4万円近くでフィットネスイヤフォンの価格帯としては手軽とは言い難いものの、アクティブノイズキャンセリング、空間オーディオ、心拍数モニタリング、そしてAppleデバイスとのシームレス連携、素材も最高水準のもの…と考えると、かなり満足度の高い仕上がりではないでしょうか。
image : Kazumi Odaじつは先週から風邪に悩まされていて(笑)、できなかったジムでのトレーニングのお供にはこれから使う予定ですが、すでに日常の通勤やオフィスワークのお供としては手放せない存在になりつつあります。耳への負担が少なく、ずれない安心感を知ると、やみつきになるかもしれません。「落ちるかも」「痛いかも」というイヤホンの悩みを解消しつつ、心地よいサウンドを届けてくれるPowerbeats Pro 2は、“(日常使いできる)フィットネスイヤフォンの新しいスタンダード”と呼ぶにふさわしいモデルになりそうです。
Source: Apple