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【業界初】パナソニックがまたすごいシステムを開発! エアコン廃棄時の「フロンガス」処理問題解決につながるか

  • 2025年5月29日
  • GetNavi web

エアコンは暮らしに欠かせない一方で、廃棄時の「フロンガス」処理には専門的な技術・経験が必要になり、作業者に大きな負担がかかるなど、多くの課題があります。それらの解決に大きく寄与しそうなシステムの開発を、パナソニックが5月29日に発表しました。業界初(※1)となる「エアコン室外機フロン自動回収システム」です。

 

記事のポイント

フロン回収作業は地球環境保護のために非常に重要ですが、実は機種ごとに構造が異なり、専門的な技術や経験が必要で、作業者の負担も大きい現状があります。さらに、2030年度にはエアコンのフロン回収率53.9%以上という目標が掲げられる中、労働人口の減少も懸念され、作業効率の向上が急務に。システムが実用化されれば、様々なメリットをもたらしそうです。

 

同社が長年培ってきた技術を結集し、使用済みエアコンの解体作業を効率化する新システム。これらの仕組みにより、フロンを確実に自動回収するといいます。

 

2D&3Dカメラによる、高い検出精度

メーカーや機種によって千差万別なエアコン室外機。このシステムでは、2Dカメラ(平面)と3Dカメラ(立体)を駆使し、メーカーや機種による仕様の違いも認識し、弁の位置をスピーディーかつ高精度に検出します。

 

独自開発「回収カプラ」でフロンをキャッチ

フロン回収で重要なのが、室外機の弁とフロン回収タンクをいかに確実に接続するか、という点。パナソニックは、入口と出口に弁がひとつずつある二方弁と、入口に一つ、出口に二つの弁がある三方弁、そに対応できる独自の「回収カプラ」を開発しました。これのおかげで、ロボットによる自動接続が可能になり、フロン漏れのリスクを低減します。

 

ガス漏れ検知機能で、「万が一」も見逃さない

フロンを安全に回収するため、製造過程でフロンを充填する際のノウハウや知見も活かされています。ガス漏れの有無を検知する機能を搭載し、回収経路が完全に密閉されていることを確認してからフロンを回収するという徹底ぶり。作業の安全性向上にも大きく貢献しそうです。

 

さらに実運用では、1台がフロンを回収している間に、別の室外機の画像認識を行うなど、最大3台同時にフロン回収できるシステムの構想もあり、連続高速処理による全体的な作業効率の大幅な向上が期待されています。

 

深刻化するフロン回収問題…その解決の鍵となるか

パナソニックグループは、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、CO₂排出量削減や循環経済の実現に向けた取り組みに注力しています。今回の新システム開発も、その重要な一環です。

 

家庭用エアコンは家電リサイクル法の対象製品であり、フロンの回収と適正処理が義務付けられています。しかし前述の通り、多種多様な機種から安全かつ確実にフロンを回収するのは容易ではありませんでした。

 

同社は今回発明したシステムの実用化を目指し、「安定的かつ継続的な家電リサイクルを通じて、より良いくらしと持続可能な地球環境の両立に貢献していく」と発表資料で述べています。

 

まだ開発段階であり、具体的な導入時期やコストについては今後の発表を待つ必要があります。家電の未来、そして地球の未来を考える上で、注目すべき取り組みと言えそうです。

 

※1 国内の家電製品リサイクルにおいて。2025年5月29日現在、パナソニック調べ

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