夏本番を前に、気温がぐんぐんと上昇してくると、冬用の衣類や暖房器具をしまい、夏用の衣類や扇風機、アウトドア用品などを押し入れやクローゼットなどから取り出す人は多いはず。こうした季節モノを出し入れする手間が省け、自宅の収納スペースを減らす手段として、トランクルームという選択肢があります。なかでも近年注目され利用者が着実に増えているのが「宅配型トランクルーム」。
この宅配型トランクルームとはいったいどのようなサービス? ユーザーにとってどのようなメリットがあるのかを確認してみました。
夏を迎える前に、コートやダウンジャケットなどの冬物衣類、ヒーターなどの暖房器具を片付け、夏服や扇風機などの夏用家電を取り出す、いわゆる“衣替え”を行う人は少なくないでしょう。さらにスキー・スノボなどのスポーツ用品を片付けて、キャンプ用品やバーベキュー用品などを夏に向けていよいよ準備しよう、という人もいるのでは?
ただ、昨今の都心部を中心とした住宅価格の高騰や、居住スペースと戸数確保のために収納スペースが減りつつある状況では、季節モノ衣類やスポーツ用品など、使う機会が限られているモノの保管場所や出し入れに苦労している人が多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが冒頭の「宅配型トランクルーム」です。これは衣類や季節家電、アウトドア用品などを外部の保管用倉庫に預けておいて、いざこれらの保管物が必要な時には自宅まで届けてもらえるサービス。いま日本ではこの宅配型サービスが大きく伸びており、各事業者がしのぎを削っています。では各サービスの特徴などをチェックしていきましょう。
トランクルームサービスは、大きく「屋内型」「屋外型」「宅配型」の3種類に分かれます。
コンテナやガレージなどにモノを保管するタイプで、利用者が自ら荷物の出し入れする必要があります。手軽で、大型の家具や家電も収容できることが多いほか、利用料金が比較的抑えられるのがメリット。ただ、一般に温度・湿度の管理が難しく、季節や天候の影響を受けやすいことにも注意が必要です。
マンションやビルなどの建物内でスペースをパーテーションなどで区切って、利用者ごとに割り振られた収納スペースを用意しています。天候の影響を受けにくいためデリケートな荷物を預ける場合にも安心で、セキュリティが充実していることが多い。ただしオプションとして荷物の搬入・搬出を頼めるサービスも一部にはありますが、基本的に倉庫までの移動やモノの出し入れは自分で行う必要があります。
宅配型は、倉庫などの保管施設で顧客のモノを預かり、温度・湿度が管理された環境下で管理・保管するタイプ。さらに利用者は、専用アプリやウェブサイトから預け入れや引き取りの依頼ができ、自宅まで配達員が物を届けたり引き取ったりしてくれます。
この宅配型トランクルームのメリットはなんといっても、利用者が自ら外部の保管場所までモノを取りに行く必要がないことです。また、温度・湿度が管理された保管施設でモノを保管しているため、温度や湿度の影響を受けやすい家電も、屋外型トランクルームや一般的な建物に保管する場合と比べ、比較的安心して預けられるでしょう。
続いて、今注目度が高まっている「宅配型」のトランクルームサービスについて、詳しく説明していきましょう。
宅配型は、定型ダンボールのみ個数単位で預けるサービスと、自由な大きさのダンボールに加えて、衣類や家電などを梱包せずにそのまま預けられるサービスに分かれます。預ける荷物の量やサービス内容の充実度、また宅配時の送料の有無によって、価格帯に幅があります。
では主にどういったサービスがあるのでしょうか?
「エアトランク」
専任教育を受けた自社スタッフが、玄関先まで何度でも無料で届けたり預かったりするサービス。スーツケースや衣装ケース、季節家電やゴルフバック、ハンガー掛けの洋服などを梱包せずにそのまま預け入れ可能。プランは体積単位となっており、預かった荷物を倉庫で撮影・体積計算し、最適なプランを選べます。空き容量をいつでもスマホなどで確認でき、取り出す際はネットで簡単に申請できます。無料ダンボールの提供もあります。
運営会社:エアトランク
URL:https://www.air-trunk.net/
月額料金:2948円〜(集荷配送無料、クリーニング等その他オプション多数あり)
「DAY倉庫」
大きさに応じた明確な料金設定で、段ボール1個から1日だけの利用も可能なサービス。「預けたものを預けた日数だけ」の料金と、搬出入の料金だけとなります。たくさんの荷物や大きな荷物を預けたい場合は、「定額保管」という方法も選べます。自社スタッフが集荷から配送まで対応し、ネットで申し込みと荷物の確認ができます。
運営会社:月島倉庫
URL:https://www.day-soko.gr.jp/
月額料金:2310円 ※椅子2脚を1カ月保管する場合(東京都中央区、同江東区の場合)、段ボール1箱(中・小)は528円〜。送料はサイズごとに異なり、1,320円〜から。
「CARAETO(カラエト)」
無料で届けられる専用箱か手持ちのダンボールにモノを詰めて預ける収納サービス。預けたモノは1つから取り出し可能で、アプリから取り出し依頼をすると、最短翌日に発送します。※依頼した時間帯と発送先の地域によっては、翌日の発送ができない場合があります。
運営会社:トランク
URL:https://www.trunk.services/
月額料金:308円〜、送料はサイズごとに異なり、990円〜。
「サマリーポケット」
ウェブサイトまたはアプリから専用ボックスを取り寄せ、利用者が預けたい荷物を詰めて配達員に引き取ってもらう収納サービス。「スタンダードプラン」では、預けたアイテムをスマホで確認でき、必要になったら1点から取り出すことができ、最短翌日には手元に荷物が届きます。
運営会社:サマリー
URL:https://pocket.sumally.com/
月額料金:330円〜(エコノミープラン)/月額394円〜(スタンダードプラン)、送料はプランごとに異なり、1,100円〜。
「Minikura(ミニクラ)」
荷物を箱に詰めて送るタイプの外部収納サービス。利用者の自宅や手持ちの段ボールやスーツケースのまま送ることも可能です。モノ単位で写真により管理するタイプと、箱単位で管理するタイプの2つがあります。衣類を最大10点までハンガーで吊るして保管する洋服専用プランなどもあります。
運営会社:寺田倉庫
URL:https://minikura.com/
月額料金:320円〜、送料はサイズごとに異なり、550円〜。
衣類や季節家電、寝具などをトランクルームに預けるなら、段ボール以外でも荷物を預けられるサービスがおすすめ。家電や衣服などをそのまま預けることができ、梱包の手間がかからないからです。
一例を挙げると、エアトランクは「当社は『おうちの収納と同じ感覚で使える』というコンセプトでサービス作りをしています。このため箱に入っているものは箱のまま預かりますが、扇風機やハンガーにかかった衣類、プラスチックの衣装ケースなどはそのままの状態で預かれます」(株式会社エアトランク・福岡英成社長)といいます。
さらに福岡社長はこう説明します。「搬入・搬出が無料で、配送の専任スタッフ(サービスクリエーター)を社員として雇用しているため、接客レベルが高く手厚いサービスが可能です。具体的にはスタッフが伺った際に、お客様からオプションのサービスを申し込まれても、その場で対応できます」。
また、季節モノについては「夏場になると布団をしまって、タオルケットなどを取り出すと思いますが、羽毛布団から冬用衣類、カーペットに至るまで、オプションサービスとしてクリーニングを利用されるお客さまが多いですね」とのこと。衣類や布団のクリーニングといった豊富なオプションサービスも同社の特色の一つとなっているようです。
宅配型トランクルームサービスは、預けるモノの大きさや量、利用するサービスによって価格はさまざまです。特に衣類や布団、家電を預ける場合には、どのような状態で預かってもらえるのか、クリーニングなどオプションサービスがどの程度充実しているのかが、サービスを見極めるポイントとなるでしょう。