歌のタイトルやドラマなどに使われたことから「彼岸花」として知られているヒガンバナ。
曼珠沙華やリコリスとも呼ばれるこの花は、様々な魅力がある一方で、毒があるなどの危険性も孕んでいます。
今回はそんなヒガンバナについてご紹介します。
実はもともと日本に咲いていた花ではない彼岸花。
これはその昔、稲作が中国からやってきた際に一緒に伝来し、広まったものとされています。
一番有名であろう赤色の他に、白色や黄色などの花もあり、色によって花言葉も違います。
赤色の場合「情熱」などの強い思いを表した意味が、白色の場合は「思うはあなた一人」など相手に対する思いが、黄色の場合「追想」など、少し悲しげなイメージのある言葉が花言葉としていわれています。
花言葉自体に怖い意味はないのですが、彼岸花を摘むと死人が出る、手が腐ると言われていたり、家に持ち帰ると火事が起きるという迷信が存在するため、贈答品として送られることはほぼないと言われています。
彼岸花は、リコリンやアルカロイドといった毒を持っており、ここから先述したような迷信が生まれたと言われています。
また、この毒をもって野ねずみやもぐらを田んぼから駆除するために、あぜ道によく生えているそうです。
こういった害のある反面、彼岸花にはデンプンが多く含まれているため食用にも用いられ、水に溶ける性質だった毒を水にさらして抜き、飢餓や飢饉の際に非常食として用いられていたこともあったようです。
彼岸花は、葉っぱがなく伸びた茎の先に独特な形をした花がついていますよね?
実は、彼岸花は花が咲いた後に葉っぱが出てくるんです。
秋の彼岸の頃に急成長し色鮮やかな花を咲かせる彼岸花は、一週間もすれば枯れてしまいます。
そして、枯れたあとに球根から葉っぱが出てくるのです。
そして冬の時期にはたっぷり茂った葉っぱを保って冬を越し、夏季には葉を枯らしてしまいます。
普通の花とはほとんど真逆の生長サイクルですよね。
彼岸花は様々なイメージを持っている花であり、調べていくと様々なことがわかりました。
もしかしたら、皆さんが持っていた印象も変わったのではないでしょうか?
※トップ画像はPhoto by Tenさん@GreenSnap