電卓の薄膜シリコン太陽電池と比較して1.6倍
東洋紡株式会社(以下「東洋紡」)は3月23日、フランス政府機関CEAと開発中の発電材料を用いて、世界最高レベルの発電効率を達成したと発表した。
有機薄膜太陽電池(以下「OPV」)は次世代の太陽電池として注目を集め、あらゆるものがインターネット経由でつながるIoTに欠かせないセンサーやウェアラブルデバイスの電源としての普及が期待されている。
東洋紡とCEAは発電材料をガラス基板上に塗布して小型セルを試作。薄暗い室内と同等の220ルクスのネオン光源下で検証し、約25%の変換効率を確認した。これは卓上計算機で使用されるアモルファスシリコン太陽電池の1.6倍の変換効率に相当する。
溶媒や塗布の手法を工夫、安定的な発電を可能に
東洋紡が開発中の素材は環境課題が残るハロゲン系の溶媒を必要とせず、塗布時のむらが少ない。
このため新素材では個体差が少なく安定的な発電が可能になり、ガラス基板よりさらに塗布が難しいPETフィルム上のモジュール作製にも成功した。
東洋紡は新素材を電池メーカー等に提案し、ワイヤレス電源用途での早期実用化を目指していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
東洋紡 リリース
https://ir.toyobo.co.jp/