従来技術と比較してバイオガス生成能力が2倍以上に
栗田工業株式会社(以下「栗田工業」)は9月26日、株式会社富士クリーンと共同で取り組んできた乾式メタンの発酵施設が完成し、10月から運転開始すると発表した。
施設の建設は2016年12月に着工、約3000立方メートルで国内最大規模の縦型発酵槽を含む。この施設では産業廃棄物と一般廃棄物をメタン発酵させてバイオガスを取り出し、発電燃料およびボイラーの燃料として有効利用する。
施設で採用された「KURITA DRANCO PROCESS」では、従来のメタン発酵では処理が難しかった紙ごみなども安定的に処理でき、発酵に不適切なプラスチックごみなどが混入していても問題ない。発酵残さは水分が少ないため排水処理なども不要で、既存の焼却施設で処理できる。
投入ごみ1トン当たり150Nm3程度のバイオガスを生成できるため、従来の湿式メタン発酵技術と比較してガスの生成能力が2倍以上になる。
一般廃棄物の処理施設にも、提案活動を拡大
日本国内には約1100のごみ焼却施設があり、そのうち処理能力が1日100トン未満の中小施設では、廃棄物発電などによるエネルギーの回収が進んでいない。
栗田工業は今後、メタン発酵施設をごみ焼却施設に併設して廃棄物から高効率にエネルギーを回収する「メタンコンバインド」処理の提案を強化していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
栗田工業 リリース
http://www.kurita.co.jp/aboutus/press180926.html