草彅剛「最近、20時には寝て朝3時半とかに起きる」生活の中心になっている“トレーニング法”とは?

  • 2025年4月20日
  • CREA WEB

 Netflix映画『新幹線大爆破』で、爆弾の恐怖から乗客を守ろうと奮闘する車掌の高市を演じる草彅剛。尊敬する高倉健の想いを引き継いで演じているという前回に続いて、今回の共演者との関係や、大人の自分を崩壊させる“ある悩み”について語ってくれた。


「今度YouTubeに出てね」って言ったけど連絡先を交換してないんだよね


「役者って面白いよね。作品によって役によって全然立場が変わって、愛おしくもなるし憎らしくもなるし。面白い仕事だなって思いました」

――草彅さんが今回の『新幹線大爆破』で一番好きなところはどこですか?

草彅 さいごの夕日かな。新幹線指令所にいる斎藤工君の時間軸と、新幹線側の僕らの時間軸が同じっていうのを象徴してる感じがして。一緒にいないんだけど、同じ空の下で繋がっている。映画を観て「斎藤工君の役をやりたかった!」と思ったね。あれはもう映画史に残る夕日だと思う。

 実は斎藤工君とは今回は実際に同じシーンでは共演していないの。『碁盤斬り』では斎藤工君は敵役で、もう毎日毎日憎んで、「ふざけんじゃねえ」って思っていたんだけど、今回は工君が愛おしくて、愛おしくて。だから役者って面白いよね。作品によって役によって全然立場が変わって、愛おしくもなるし憎らしくもなるし。面白い仕事だなって思いました。


――のんさんが新幹線の運転士役です。昭和版では千葉真一さんが運転士だったことを考えるとまさに令和という気がしますが、のんさんと初共演した感想を教えてください。

草彅 実際女性の運転士の方もいるそうで、ほんとにすごくいいキャスティングだなと思います。僕、のんちゃんのYouTubeをよく見ているんですよ。のんちゃんはギターが上手くて、僕と同じく斉藤和義さんが好きなんですよ。そういう話でずっと盛り上がってました。

「今度、僕のYouTubeに出てね」って言ったんだけど、連絡先を交換してないんだよね。僕は撮影所で大好きなギターの話ができたんで、とてもリラックスできました。なんというか、ギターでセッションしているみたいな感じのノリがあって。そういう何気ない会話のおかげで、僕が演じる高市とのんちゃん演じる松本の絆も深められた気がしますね。先輩と後輩という感じが深まったと思う。


――後輩といえば、新人車掌の藤井役を細田佳央太さんが演じていますね。

草彅 藤井(細田)と松本(のん)という若い2人と一緒に高市は新幹線に乗っているんです。だから細田君のことを支えていくような感じがあったというか、彼がいてくれたおかげで僕もベテラン車掌らしく見えたところがある。細田君自身も藤井と同様にとてもエネルギーとパワーを持っているから、役者さんとしてとてもストレートに力を出してくるんです。だから僕も調子づいて出来たというか。爆弾が仕掛けられて、彼がそこにいたから、僕も「おおおおっ!」(映画同様のど迫力の表情)ってなれたんですよ。


――東北新幹線の車掌である高市を演じる上で、どんなことを意識していたんでしょうか?

草彅 最初にJR東日本さんがみっちり3時間ぐらい講義をしてくれたんです。新幹線の車両の種類とか、乗務員としてのお客様に対するマナーだとか、身なりの整え方とか。最初はお話に集中するのが大変でした。

 でもJR東日本が新幹線の撮影に特別協力してくれるのが今回初めてのことなので、JRの方のお話がだんだん熱を帯びてきて。僕も一生懸命聞きました。職員の方が、お客様を目的地までしっかり送り届けることが大切という、その気持ちみたいなのをすごく語ってくださって、それがとても印象に残ってます。それが演じるときになってどんどん響いてきて、役作りができたのかなと思いますね。

僕は結構パニックになるんですよ


「いつも物を探しては『きーーっ!』ってなっています」

――作品では新幹線に爆弾が仕掛けられているということで乗客が大混乱に陥りますが、草彅さんもパニックになることはありますか?

草彅 僕は結構パニックになるんですよ。あれがない、これがない、って探し物が多いんだ、僕は。荷物が多いんですよね。それで全部準備してさあ家を出るぞ、って時に「ギターのピックがない! チューナーがない! カポがない!」って言って、いつも慌てている。あれでもう一気に大人の自分が崩れますよね。なんかもう未熟だよね。

 準備万端のつもりでいたのに、家を出る瞬間に「あれ……、ないよ?」ってなる。すごく焦っちゃって、普段からちゃんと片付ければいいのにね。いつも物を探しては「きーーっ!」ってなっています。俺はあんなに用意したはずなのに、って。あれ、どうしたらいいのかな?

――それ、すごくよくわかります。なんでこんなに自分はダメなんだ、てがっかりしますよね。幾つになっても無理。

草彅 そうそうそう。無理だよね。解決方法があったら聞きたいよね。

――やっぱり今のお話を聞いていても、樋口監督と草彅さんは、子どもらしい部分ですごく波長が合うんだなと思いました。

草彅 それはありますね。樋口監督を見てると、無理に大人になる必要はないなって思う。僕たちは永遠のピーターパンですよね。それでいいと思ってもいて。監督にはもうリスペクトしかない。大人にならないことで、映画という夢を与えてくれるわけだから。

――草彅さんは永遠の5歳児って言われてますよね。

草彅 もう、大人になれないですよね。だから監督を見ていると安心できるんですよ。僕の方が実際の年齢は下だけど、僕も監督も同じぐらいかな。5歳児同士か、8歳児同士か。

健康の秘訣はあのトレーニング法?


「吾郎さんに勝っちゃってる」

――草彅さん、1年ぶりに取材でお会いしますが、先ほどからお話を聞いているとどんどん元気になっている気がします。

草彅 ずっと続けているHIITトレーニング(高強度インターバルトレーニング)の成果なのか血流が良くなって、朝もぱっと起きられるんですよ。本当に毎日元気。

――『碁盤斬り』のインタビューの時も、トレーニングのお話をされてましたね。

草彅 そうでしょ。ずっとやってるんだから、俺偉いんだよ。やっぱり継続は力なりだよね。でも最近、夜の8時には眠くなっちゃう。8時頃に寝て、朝3時半とかに起きちゃってる。

――それは早寝早起きで知られる稲垣吾郎さんよりも早いですね。

草彅 そう。本当に吾郎さんに勝っちゃってる。実際にはズレて10時頃に寝るけど、朝が早いから夕方5時ごろからだんだん元気がなくなってしまうから、やばいですよね(笑)。

草彅剛(くさなぎ・つよし)

1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、『黄泉がえり』(塩田明彦監督/03年)、『あなたへ』(降旗康男監督/12年)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21年)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23~24年)など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の『ミッドナイトスワン』(内田英治監督)では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた。近年の主な作品に、『サバカン SABAKAN』(金沢知樹監督/22年)、『碁盤斬り』(白石和彌監督/24年)など。樋口真嗣監督とは『日本沈没』(06年)でタッグを組み、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(15年)にも出演している。


Netflix映画『新幹線大爆破』

出演:草彅剛 細田佳央太 のん 要潤 尾野真千子 豊嶋花 黒田大輔 松尾諭 大後寿々花 ・尾上松也 六平直政 ピエール瀧 坂東彌十郎 / 斎藤工
監督:樋口真嗣原作:東映映画『新幹線大爆破』(監督:佐藤純彌、脚本:小野竜之助/佐藤純彌、1975年作品)
特別協力:東日本旅客鉄道株式会社 株式会社ジェイアール東日本企画
制作プロダクション:エピスコープ株式会社
製作:Netflix
4月23日(水)より世界独占配信

文=石津文子
撮影=深野未季
スタイリスト=栗田泰臣
ヘアメイク=荒川英亮

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