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世界中を旅した夫婦が、岡山の港町・宇野で営むブックカフェ「ココカ古書店」

  • 2022年5月1日
  • ことりっぷ


3年に一度、瀬戸内の島々を舞台に開催されるアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。春・夏・秋の3会期に分かれ、2022年4月には新たなアート作品の公開とともに春会期が開幕しました。そんな瀬戸内国際芸術祭の舞台でもあり、島々への船が行き交う岡山の港町・宇野。アートを愛する人たちの旅路となる場所に、世界中を旅した夫婦が営むブックカフェがあります。店を構えるのはJR宇野駅から徒歩5分、趣のあるビルの一角。看板犬のじゅうべえとともに夫妻とたくさんの古本が迎えてくれます。
「ココカ古書店」を営むのは、カナダで出会いその後5年半かけて世界中を旅した宮本夫妻。帰国後に本屋や家具屋を経験し、瀬戸内海の美しさに魅了され宇野へ移住しました。2019年にカプセル型のゲストハウス「Machicado」をオープンし、その一角で開店していた「ココカ古書店」を2020年に現在の店舗に移転。「本を読むことで、旅と同じくらいに知らない価値観や人々の想いにふれることができます」と宮本さん。古本を人から人へとつなぐ架け橋になり、店を訪れる人たちの世界を広げるきっかけを作り続けています。
「ココカ」はハワイ語で「角」を表すことから、普段はなかなか出会えないようなエッジの効いた古本を選書しています。ジャンルは旅やアートから、洋書や写真集まで幅広くラインナップ。なかには宮本さんが旅先で出会った本や、店に訪れた旅人たちから届く古本も。その数は2500冊以上にも及び、新刊の書店ではお目にかかれないような一冊に出会えます。
たくさんの古本のなかから、宮本さんにおすすめの3冊を選んでもらいました。ファッションブランド「minä perhonen」を手がける皆川明さんの『皆川明の旅のかけら』は、ものづくりへの姿勢や旅の話に共感できることからお気に入りになったそうです。ほかにも芸術家の横尾忠則さんの『導かれて、旅』は、著者の死生観や精神世界の一部にふれることができる一冊。小林紀晴さんの『ASIAN JAPANESE』は、宮本さんが旅に出るきっかけとなった本です。「旅のキラキラとした一面だけなく、リアルな部分も伝えているのがいいんです」と話してくれました。
古本に囲まれた店内にはカウンター席とテーブル席があるので、自家製のフードやドリンクを味わいながら読書が楽しめるのもこちらの魅力。店の看板メニューは手づくりの「たい焼き」です。米粉生地の一面には黒ゴマを練りこみ風味豊かに仕上げています。もちもちとした生地は、なめらかで甘さ控えめの餡子との相性もぴったり。夏には鯛の形をした最中に自家製の餡子とアイスを挟む「アイスモナカ」が登場します。
「宇野には夜に集うお店がなかったので」と、23時までオープンしているのもこちらの特徴。カフェバー感覚でオリジナルの豆乳チャイ、クラフトビール、数種類のアラカルトを味わうことができますよ。
読書が好きな常連さんや旅人たちがふらりと立ち寄る港町のブックカフェ。まるで気ままな旅のように、店を訪れる人たちや古本とのすてきな出会いを楽しんでくださいね。

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