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【瀬戸焼編④】瀬戸で活動する若手作家の作品が充実した「galleryもゆ」で出会いにときめくひとときを

  • 2021年9月27日
  • ことりっぷ


やきものの町として長い歴史を持つ瀬戸にはやきものに関する素材や人材が豊富で、新たな作り手にとっても恵まれた環境。創作を志す人が全国から集まり、次々と魅力的な瀬戸焼を生み出しています。個性豊かな作品との出会いを求めるなら「galleryもゆ」をのぞいてみるのがおすすめ。きっとお気に入りの作家や作品が見つかります。
瀬戸の玄関口、尾張瀬戸駅から歩いて約3分。狭い通りに建つ2階建ての古民家が「galleryもゆ」です。若い作家の発表の場として2010年にオープンし、草木の芽が出ることを意味する“萌ゆ”という名前が付けられました。
「もゆ」をプロデュースするのは、自身も陶芸家であるオーナーの野村晃子さん。1階には野村さんの作品をはじめ、瀬戸とゆかりのある若手作家14人の作品。2階には野村さんが全国から集めた陶器やガラス、古道具や雑貨などバラエティー豊かなアイテムが並んでいます。
瀬戸の染付研修所でも学んだ石川理恵さんのうつわには、瀬戸染付焼の伝統に基づいた確かな技術が感じられます。染付の藍色も少し落ち着いた渋めの仕上がりですが、うつわの中にはかわいらしい動物や架空の生きものが。そんな、ちょっとした遊び心が石川さんの作品の魅力。食器としての使いやすさにも定評があります。
動物のオブジェが注目を集めている村井陽子さん。指先にのりそうなほど小さな鳥や、身を寄せ合う動物たちなど、さまざまな動物の姿を描いています。自由な発想から生まれるデザインと、おっとりした表情やユニークなポーズが相まって、そばに置きたくなる特別な存在に。やわらかな色合いですが、色付け後に焼いてあるので色落ちしない確かな品質も人気の秘訣です。
瀬戸にはガラスの原料となる珪砂(けいしゃ)も豊富で、ガラス工芸の作家さんも多く活動しています。沖縄でガラス工芸を学んだ山田奈緒子さんもその一人。空瓶を原料とした再生ガラスで、吹きガラスの器を制作しています。厚みや安定感のあるフォルムや色合いなど、ガラスでありながらもどこかぬくもりを感じる作風。気泡がアクセントになった作品も多く、大きなものは水玉模様のようにも見えます。
“練り込み”という技法を用いてうつわやアクセサリーを制作する、佐藤愛子さん。異なる色の土を重ね合わせて、ストライプや幾何学模様などを表現しています。一つひとつ違う配色や曲線で彩られたうつわは、暮らしのなかで楽しいリズムを刻んでくれそう。アイテムによって土や釉薬を使い分けているので、ツヤやマットなど質感の違いも楽しめます。
すてきな作品にふれて創作のイメージが湧いたら、絵付け体験にチャレンジしてみては。「もゆ」の2階では、スポイドで泥を絞り出して輪郭を描く“いっちん”という技法を使った絵付け体験ができるので、うつわ探しとあわせて楽しむのもおすすめです。
お気に入りの作家さんに出会えたら、やきものや瀬戸の町にもっと興味が湧いてくるはず。窯元を訪ねたり、展示施設を見学したり、いろいろなアプローチでやきものとのふれあいを楽しんでくださいね。

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