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昭和初期に建てられた銭湯をカフェに。懐かしさに包まれる入谷「レボン快哉湯」

  • 2021年2月10日
  • ことりっぷ


東京の下町風情漂う入谷で、平成の終わりまで営業していた銭湯「快哉湯」。その堂々とした建物を富士山のペンキ絵や番台も変わることなく再生させたカフェ「レボン快哉湯」は、初めて訪れた人も懐かしさに包まれる空間。農園直送フルーツで手づくりしたアイスクリームと自家焙煎コーヒーのマリアージュを楽しみながら、のんびりとくつろげます。
「rébon Kaisaiyu(レボンかいさいゆ)」は地下鉄入谷駅から歩いて2〜3分。入谷は朝顔市で有名な入谷鬼子母神や二重構造の御朱印がすてきな小野照崎神社など、由緒あるお寺や神社が多く点在し、古きよき下町風情が漂うところです。
「快哉湯」は、平成28年(2016)に惜しまれながら営業を終了。昭和3年(1928)に建てられて以来、戦災や震災を免れて歴史を積み重ね、人々の思い出が詰まった建物を残したいという持ち主の方の思いを建築会社に勤める常連さんが引き継ぎました。
そして、外観をほとんどそのまま、内部も残せる部分を残し、浴室は建築会社のオフィスに、脱衣所はカフェにリノベーション 。人々が集って憩う場所とすることで「快哉湯」を再生し、“人々の記憶を繋ぐ場所”にすることを目指しました。
カフェは2020年7月にオープン。銭湯のときと同じように靴を下駄箱におさめ、「女」と書かれた磨りガラスの引き戸から入ります。男湯と女湯の脱衣所のあいだにあり、銭湯の方が座っていた番台に登ることもでき、脱衣所と浴室を見わたす景色が新鮮です。
「番台を初めて見るというお客さんには番台の説明をします。快哉湯に通っていたというお客さんからは銭湯のことや街のできごとを教えていただいています。人から聞いたことを人に伝えることで、人々の記憶を繋いでいるという実感があります」とスタッフさん。
カフェやコーヒー好きのほか、銭湯ファン、写真好き、建築を学んでいる人なども訪れ、さまざまな角度から見た銭湯の話を聞くのもまた発見があっておもしろいのだそうです。
この場所でもう一つ楽しんでほしいのは、お風呂あがりに食べたくなるものといえば、という発想から考案したアイスクリームとコーヒーのマリアージュ。アイスクリームは小田原の自然農園「あきさわ園」で収穫したフルーツを使い、こちらで手づくりしたもの。
コーヒーはアイスクリームの味と相性ぴったりのものを組み合わせるため、何度もテイスティングを繰り返し、徹底的に追求したのだとか。世界各国の生産地から生豆を仕入れ、良質のものを選定後、自家焙煎し、ハンドドリップで一杯一杯淹れています。
おすすめの組み合わせは、ミルクの味が濃厚で甘酸っぱいブルーベリーアイスと、まろやかな香りでベリーの甘みと酸味を感じられるエルサルバドル産コーヒー。お互いのベリーの風味が口の中でしっくりとなじみ合い、ふわっと広がってコクが深まります。
タネのつぶつぶ感が楽しいキウイアイスクリームと、爽やかな香りで口あたりが軽いコスタリカ産コーヒーの組み合わせは、どちらもさっぱりとした酸味があり、後味が驚くほどすっきり。友だちと交換して味わいを比べてみると、より相性のよさがわかりますよ。
エルサルバドル産コーヒーは、手づくりのブルーベリーマフィンとも相性抜群。しっとりほわほわで、クランブル生地をのせた部分のさくさく感やバターの香りもたまりません。ゆっくりと味わいながら、銭湯の心温まる懐かしさに包まれたいですね。

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