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和と洋が紡ぐ不思議な世界♪ 文豪が愛した神戸・有馬温泉最古の湯宿「陶泉 御所坊」

  • 2021年2月12日
  • ことりっぷ


日本書紀にもその名が登場する有馬温泉。「陶泉 御所坊」は、鎌倉時代から800年以上の歴史をもち、小説家の谷崎潤一郎氏もこの宿をこよなく愛したのだそう。
今も当時の風情そのままに、和を基調にしながらも、神戸らしい異国情緒が漂います。源泉掛け流しの湯に包まれ、このうえなく贅沢な時を過ごせる名旅館を訪れてみましょう。
「陶泉 御所坊」は、神戸電鉄の有馬温泉駅から徒歩5分。太閤通を進み、ねね橋を右に曲がると突き当たりに宿が見えます。
創業は1191(建久2)年と伝わり、当時は「湯口屋」という名で、公家の九条家が管理をしていたといいます。室町時代には将軍・足利義満が滞在し、それを機に「御所」と呼ばれるようになりました。
大型のホテルが増えるなかで、木造3階建ての昔ながらの建築を守る姿に伝統を感じます。
宿には、どれひとつとして同じ部屋はありません。多くの文化人が残した書や詩がそれぞれに設えられ、インテリアや家具が少しずつ異なっています。
こちらは、温泉宿らしい和室にモダンなデザインの障子。窓の外には木々の緑、レトロな丸テーブルが旅情をかきたてますね。
そしてリビングこそが、和と洋を織り交ぜた御所坊らしさを感じられる部屋かもしれません。
ノスタルジックな家具に、ほんのりと部屋を照らす照明。窓側の斜めになっている天井は、茶室に見られる建築様式です。棚には茶器も飾られています。
部屋で落ち着いたら、有馬随一の湯といわれる温泉へ向かいましょう。
館内のあちこちには、休憩できる椅子とテーブルが置かれ、目を楽しませてくれる工芸品が飾られています。廊下の先に掛かる暖簾が温泉の入口です。
御所泉源から引かれた金泉には、海水よりも濃い塩分が含まれており、体の芯からぽかぽかに。
こちらのお風呂の特徴は「半露天」「半混浴」。屋内でお湯につかった後、歩いて半露天のエリアに移動します。赤褐色の濁ったお湯なので、体のラインが見えることはありません。安心してくださいね。
湯上りには、「サロン・ド・ロシオ」でひと休み。
明治時代にダンスホールとして設けられた部屋で、ピアノや蓄音機が今も残されており、当時の華やかな空気が感じられます。読書をしたり、お茶を楽しんだり、ゆったりとした時が過ごせそうです。
御所坊のこだわりは、素材の美味しさを引き出すために、手間を惜しまないこと。
たとえば、「但馬玄の藁焼」は、牛肉を真空・低温調理し、鉄板で焦げ目をつけてから、串を打ち、藁の炎で炙り、煙で香り付けをします。
焼き魚も減圧・低温調理を繰り返し、オリーブオイルで皮を焼いたり複雑な工程を経て、最後に炭火で仕上げます。皮はパリパリ、身はジューシーで、「魚は苦手だけどこれは食べられる」という声も多いそう。
ノスタルジックな空間で、最高のお湯につかって、野趣あふれる山家料理を楽しむ、そんな温泉旅はいかがでしょうか? 歴史ある名旅館「陶泉 御所坊」、いつか訪れてみたいですね。

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