2000年に一度訪ねたことがあるのですが、2月初旬、再び訪ねる機会を得ました。順を追って見ていくうち、徐々に記憶がよみがえってきたのですが、新しい施設もいくつかできていて、「ずいぶん変わったなぁ」という印象を持ちました。 ただ、変化していたのは、施設だけではありませんでした。大きく変わっていたのは、このキャンプの果たす役割です。 この間の医療の発達にともなって、小児ガンなど、子どもの病気の生存率は大きく高まっています。かつてはキャンプに来たあと、不幸にして亡くなってしまうケースも少なくありませんでした。しかし今は、病気から回復し、日常生活に戻っていくケースが大きく増えています。そのため、リハビリテーションとしての意義がより大きくなっているのだそうです。 もちろん、「命のある限り精いっぱい生きる」という基本的なメッセージに変化はありませんが、命の期限が長くなればなるほど、その中身は変わってきます。キャンプを通じて身につけてほしい生きるためのスキルも違ってきますから、キャンプのプログラムも変化します。同時に、親御さんに提供するプログラムや情報のあり方も変わっているとのことです。 また、このキャンプができた頃、重い病気の子どもはキャンプの対象として、ほとんどみなされていませんでしたが、今ではあらゆる人にキャンプに参加する可能性が開かれています。ですから、新たなキャンプに取り組む人たちのための教育拠点としての役割も高まっているのです。私たちが訪ねたときにも、セラピードッグを飼う人たちの勉強会と、Special Needs Camp(特別な配慮を必要とするキャンプ)に携わるスタッフの研修会が行われていました。 キャンプが社会の変化にともなって、常に変化する存在であるということを強く感じさせられた13年ぶりの訪問でした。
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