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キャンプの恵み

Vol.31 正しいキャンプ? 〜SKY CAMP in よしま(2)〜

  • 2013年5月9日

 グリーフキャンプは、少し風変わりなキャンプと言えるかもしれません。

 もちろん、基本は楽しい活動なのですが、「なくなってしまったもの」をていねいに思い出すための時間が加えられているのは、ちょっと普通のキャンプとは言えない部分です。「覆水盆に返らず」ということわざは、「過ぎたことを嘆いても仕方ないのだから、考えるのはやめなさい」というニュアンスで使われることが多くあります。確かに、取り戻すことができないという意味では、嘆いても仕方ないのでしょう。でも、そこで「考えるのはやめなさい」としないのが、グリーフキャンプです。

 「考えたっていいよ。でも、ひとりで苦しくならないでね」というのが私たちのスタンスですから、おのずとキャンプの雰囲気も少し変わったものになります。


たっけぼーリーダーは、子どもから見ると、おじいちゃんくらいの年齢かな?
 「キャンプ」とひと言にいっても、そのイメージは千差万別です。キャンプを行う団体の考え方の違いや、キャンプ場のロケーションによる違い、中心となるアクティビティの違いなどによって、スタッフの位置づけやグループの編成の方法も大きく異なるのです。

 今、私たちが行っているグリーフキャンプでは、いろんなタイプ(年齢や性格、経験もバラバラ)のスタッフが、たくさん参加しています。子どもは、そもそも一人ひとり違うものですが、「なくしたもの」について考えるとき、もっとずっと個別性が高まります。だから、気持ちを言葉にするときに「あのね」と話しかける大人には、いろんな人がいるほうがよいと思うのです。お兄ちゃんのような人と話したいときもあれば、お母さんのような人と話したいときも、おじいちゃんのような人と話したいときもあります。また、考える時間から離れて遊びたいときは、いっしょに跳びはねてくれる人がいいでしょう。



山ちゃんリーダーは、物静かだけど、子どもたちが自然と近寄って行く魅力の持ち主なのです。
 今回のキャンプでは、このスタンスに少し戸惑い、どのように関わったらいいのか迷ってしまったスタッフもいたようです。もちろん、もう少しきちんと説明をしておけば、困らせることはなかったと、少し反省しています。

 私たちは、学んできたことやこれまでの経験から「この方法がよい」と思っているのですが、別の立場から見れば「この方法は変」ということもあるわけで、「絶対的に正しいキャンプ」などというものが存在しないことを痛感するのです。


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